出典:http://paintmanga.web.fc2.com/
僕が定期的に読み続けているWeb漫画に「とあるフリーターの日常」というものがあります。
その名の通り一人のフリーター主人公の人生を描く漫画で、今も毎日数コマずつ更新されているんですが、この漫画、何ともいえない不思議な魅力があるんですよね。
とあるフリーターの日常
「とあるフリーターの日常」は、「ペイント漫画保管庫」というサイトで公開されているWeb漫画です。
この漫画の主人公は、元ニートだったけど自分を変えるためにゲームのデバッガーのバイトに応募してフリーターになった青年・仁井透(にい とおる)。「ニート」からもじったあまりにもそのまんまな名前ですね。
青年とはいっても29歳でおじさん一歩手前の透が、くじけそうになったり怠けそうになったりしながらもなんとか仕事を続けつつ、少しずつ社会人として、人間そのものとして成長していく様が描かれます。
あまりにも人間臭くて尊敬できない部分も多いけど妙に感情移入してしまう透の言動や思考をついつい追ってしまって、一度はまると一気に読み進めてしまいます。
分岐していくWeb漫画ならではのストーリー
「とあるフリーターの日常」が他の漫画と違うのは、物語中に時折選択肢が出てきて、その選択によってストーリーが分岐していく、というところです。
「もしもなんとなくめんどくさくなってバイトを辞めてしまったら…」「取り返しのつかない過ちを犯したら…」そんな人生の分岐の先にある透のいくつもの未来が、「とある???の日常」「とある犯罪者の日常」「とある●と▲の日常」といった別の物語として描かれています。
一応メインストーリーである「とあるフリーターの日常」も、あくまで透の複数の未来のうちのひとつ、というイメージです。
そのストーリー展開も雑誌連載なんかでは絶対にできないだろうな、というもので、現実の日常を再現したかのようにゆっくりと何気ない行動や会話が進んでいきます。
透が何か新しいこと(ネットビジネスとか)に手を出したかと思えばあっさりと止めたり、「これ絶対に何かの伏線だろうな…」と読者に思わせるフラグを透が「いや、止めておこう」とあっさりへし折ったりと、何気なさすぎて逆に先の読めない展開が続きます。
本当に一人の人間の人生を見ているような感覚になるゆっくりとしたストーリーは、商業的大ヒットを求めない個人運営のWeb漫画だからこそ書けることだろうな、と思いました。
主人公の心情があまりにもリアルすぎる
主人公・透の心情はあまりにも人間臭すぎてリアルで、奇妙な共感を誘います。
透は元ニートというだけあってダメなところは本当にダメダメで、その一方で妙に鋭いところもあったりして、そのアンバランスさが「やればできるのになかなかやらない人」という絶妙なリアルさを醸し出してます。こういう奴確かにいるよね。
一人で思考の渦の中に入って考え事に没頭してしまう癖や、人付き合いの下手くそさは、いわゆる「陰キャ」であればあるほど共感しやすいんじゃないでしょうか。
そして、そんなダメ人間な透も、バイトを重ねたり人生を重ねていくうちに少しずつ真面目に我慢強くなっていくのが印象的です。まるで兄弟か友人のような目線で「透も成長してんだなあ…」と思えます。
まとめ
基本的にはだらしない大人な透が平凡な日常を送るだけの漫画なんですが、そんな何気なさすぎるストーリーからも意外な学びやメッセージをもらえたりします。
現在「ペイント漫画保管庫」では、メインストーリーの「とあるフリーターの日常」が200話以上、他のストーリーも100話以上公開されてます。
はまる人はとことんのめりこんで一日で全エピソード制覇してしまいかねない面白さなので、ぜひ時間に余裕があるときに覗いてみてください。
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