DTMをやっている皆さん、ミックス・マスタリングに悩んでいませんか?
僕もボカロP・コンポーザーとしてミックス・マスタリングをやってますが、技術的な悩みは尽きませんでした。
ですが、最近はミックス・マスタリングの工程もソフトの力でけっこうオート化することができます。僕もいくつかの新機材の導入でかなり自分の音源の仕上がりを改善できました。
というわけで、今回は僕が実践してる「ミックス・マスタリングが下手なDTMerのための音質向上術」を紹介します。
この記事で紹介するのは簡単にミックス・マスタリング技術が向上するテクニックとかではなく、技術習得の過程を極力省いて曲を及第点の仕上がりにするために僕がやってる手法です。
なのでかなり邪道な部分もあると思います。ご了承を。
最低限必要な技術
いくらミックス・マスタリングの自動化が進んでるといっても、どうしても最低限必要な技術はあります。
まず、「自分好みの音作り」はできる必要があります。ギターやベースなどのサウンド、打ち込みドラムの音作り、シンセ系の音作りで「自分の理想の音」を作る試行錯誤は自力でやるしかありません。
僕もアンプシュミレーターのセッティングやドラム音源(Addictive Drums2)の自分好みのプリセットは自力で作りました。この部分は曲と合わせて自分の「個性」を作る作業なので自分で頑張るしかありませんね。
ミックス用の便利な編集ソフトがやってくれるのは、あくまでもこの「個性」をよりよく見せる工程です。
また、各トラックの音量やパン振りを調整して全体の音量バランスを整える作業も自力でしなければいけません。これに関しては僕が参考にしてるものすごくありがたい教則本があります。それがこちら。
音圧アップのためのDTMミキシング入門講座!

音圧アップのためのDTMミキシング入門講座! (DVD-ROM付)
- 作者: 石田ごうき
- 出版社/メーカー: リットーミュージック
- 発売日: 2014/08/22
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログを見る
具体的に「バスドラムをこのくらいの音量にして、それを基準にベースは〇%くらいの音量、ボーカルはこのくらいの音量…」と手順も込みで指示してくれるのでめちゃくちゃ分かりやすいです。
音量バランスのとりかただけでなく、EQやコンプの使い方・解説も基礎の基礎から教えてくれるので、初心者向けのミックスの技術書としてこれ以上ないくらいの名著です。
詳しい感想はこちら↓
まとめると、
- 好みの音作り
- 各パラデータの音量バランスとり
は自力で習得する必要がある技術です。
各パラデータをきれいに仕上げる
各パラデータの音作りを決めて、音量バランスも整えたら、いよいよそれぞれの音色をEQやコンプ、リバーブなどを使って仕上げていきます。
ですが、一番多くの人が悩むポイントがここですよね。書籍や解説サイトで学べる技術では限界も多くて、実際に経験しながら膨大な時間を注ぎ込まないと上達できない分野です。
そんなミックスのメイン工程を一発で済ませてくれるソフトがこちら。
WAVES アーティストシグネイチャー

WAVES プラグインソフト Chris Lord-Alge Signature Series バンドル (ウェーブス) 国内正規品
- 出版社/メーカー: WAVES
- メディア:
- この商品を含むブログを見る
ミックス・マスタリング用のプラグインソフトメーカーとしておそらく世界最大手のWAVES。そこから発売されてるのがこの「WAVES アーティストシグネイチャー」シリーズです。
有名エンジニアのミックス技術がサンプリングされてるこのシリーズ。EQやコンプ、リバーブ、ディレイなどが内蔵された独特のプラグインが入っていて、一発でプロが作ったような音に仕上げてくれます。
それぞれのプラグインごとにかなり内容が違っていて、ジャンルの向き不向きが激しいシリーズになってます。自分が一番よく作るジャンルに合わせて買うといいでしょう。
バンドサウンドがメインの人は、上記の「Chris Lord-Alge」のプラグインがおすすめです。
僕が丸一日頭をかかえてミックスするより、このプラグインが1秒でミックスした方が確実に音質が良くなります。これを挿すだけでミックスが終わるといっても過言じゃありません。
詳しいレビューはこちらで↓
マスタリングで全体を仕上げる
「WAVES アーティストシグネイチャー」でミックスを仕上げてしまったら、次はいよいよマスタリングです。
このマスタリングの工程も、人工知能の発展で最近はボタンひとつで完了できます。僕が使ってるのはこちら。
iZotope Ozone8
自動ミックス・マスタリングの最前線を行くiZotopeのマスタリングプラグインです。
2mixのオーディオデータを挿し込んだら人工知能がそれを解析して、自動でEQやコンプ、リミッター、マキシマイザーをかけていい感じにマスタリングしてくれます。
「音源をどんな用途で使うか(ストリーミング用かCD用か等)」「音圧ガンガンにいくのかマイルドに仕上げるのか」まで指定できます。
さらには「好みの音源をOzone8に読み込ませて、それをリファレンスに近い仕上がりにしてもらう」なんてことまでできちゃいます。
僕みたいなマスタリング素人が下手にいじるより遥かによく、というか普通にこれで十分すぎるくらいのクオリティに仕上げてくれる「自動マスタリング職人」です。
詳しいレビューはこちら。
まとめ
ここまで書いた工程で僕が実際に仕上げた曲がこちらです。
僕が頭を使った作業は「曲や詞を考える」「各パートの録音・打ち込み」「各楽器の音作り」「全体の音量バランスとり」くらいです。
DAWソフト上のパラデータまでできてしまえば、あとはWavesアーティストシグネイチャーが各楽器の音の仕上げをして、好みレベルの細かい調整をして、Ozone8がマスタリングをしてくれて完成です。
100点満点ではないでしょうが、音質的には十分なクオリティに仕上がってると思います。
ミックス・マスタリングの技術的な練習をほとんど省いてこれだけ仕上げれるなら、その分アーティスト・作曲家として曲作りや楽器の練習に大きく時間を割けるんじゃないでしょうか。
最小限の時間・費用で必要十分なクオリティに仕上げたい、という人にとって、今回紹介した僕のやり方が参考になれば幸いです。