「飛行機」といえば、パニックやホラー映画でもたびたび登場する定番の舞台です。
地上から離れたはるか上空。そんな逃げ場のない密室のシチュエーションをお手軽に用意できる便利さは、多くの脚本家に重宝されてきました。
今回はそんな「飛行機が舞台のパニック・ホラー映画」を紹介します。
- スネーク・フライト(飛行機×ヘビ)
- デッド・フライト(飛行機×ゾンビ)
- 7500(飛行機×ホラー)
- エアフォース・ワン(飛行機×ダイ・ハード)
- フライトプラン(飛行機×密室ミステリー)
- レフト・ビハインド(飛行機×終末パニック)
- エアポート2015(飛行機×タイムスリップ)
- まとめ
スネーク・フライト(飛行機×ヘビ)
2006年に公開されたアメリカ映画です。主演は個性派ハリウッドスターとしてお馴染みのサミュエル・L・ジャクソン。
ハワイから飛び立った旅客機。その中には乗客とともに、ギャングによる殺人事件の重要な証人である青年と、その護衛のFBI捜査官が乗っていた。しかし証人を消そうとギャングによって機内の貨物には大量の毒蛇が仕込まれており、解き放たれた蛇たちが乗客を見境なく襲い出す……というお話。
あらすじから既にバカバカしさが漂うB級映画です。が、それなりに制作費のかかった作品なので映像的には中々派手でエンタメとしては最高に楽しめます。
狭い機内で多種多様な毒蛇がありとあらゆる穴からはい出してきて乗客たちを襲う前半の阿鼻叫喚は、飛行機というシチュエーションをこれ以上ないほど活かす最高のパニックシーンでした。
最初のパニックから生き残った人々があの手この手でサバイバルをくり広げる様や、終盤でもはや毒蛇でもなんでもないただ巨大な大蛇が出てきて人を丸呑みにする様など、最後まで退屈させない良いエンタメ作品です。
デッド・フライト(飛行機×ゾンビ)
貨物にゾンビの実験体を積んでいた旅客機の中で、その実験体が脱走。次々に感染者が増えて機内が地獄と化していく……というお話です。
なんで普通の旅客機にそんな危ない貨物が積まれてるのかとか、なんでそんな危ないもんの監視がやる気のなさそうな兵士一人だけなのかとか突っ込みどころだらけで、映像の質感もなんだかチープで、B級のもういっこ下、C級くらいの映画です。
ですが、アクションの疾走感だけはあります。その一点だけのおかげで、チープなのに何故か迫力があるように見えます。画面がひたすらアグレッシブでゾンビ役の皆さんも元気いっぱいなので、そのワンポイントだけでもパニック映画好きなら楽しめます。
7500(飛行機×ホラー)
「呪怨」の監督として有名な清水崇さんのハリウッド監督作です。飛行機内で異常現象が多発して…というお話。
ちょっと地味目なB級映画ですが、閉鎖空間でどんどん怪現象が起こる展開はなかなかの不気味さ。小粒なホラーの良作としてそれなりに楽しめます。
意外な方向に進む後半のストーリーも見どころ。
エアフォース・ワン(飛行機×ダイ・ハード)
アメリカ大統領専用機、エアフォース・ワンがテロリストに占拠され、脱出ポッドで逃げたと見せかけて機内に残った大統領(ハリソン・フォード)がテロリストに1人立ち向かう物語です。
その戦いぶり、テロリストを1人また1人と倒していく様はまさに飛行機版ダイ・ハード。名優ハリソン・フォード主演ということで謎の説得力がありますが、今振り返ってみるとけっこうバカバカしいストーリーですね。
フライトプラン(飛行機×密室ミステリー)
ジョディ・フォスター主演で描く飛行機ミステリーです。
一緒に機内に乗ったはずの娘が突然消え、乗客名簿にも娘の名前はなく、娘を見たという人もいない…という奇妙な状況の中で、娘を探し求めて奮闘する母親の姿を描きます。
得体の知れない不気味さが漂う雰囲気はかなり良さげなものの、かなり粗が目立つし、ミステリーとしてはちょっと合格点とは言いづらい作品です。実際に批評家とか観客からの評価も低めだしね。
キャストに好きな人が多いので個人的には好きな作品です。
レフト・ビハインド(飛行機×終末パニック)
キリスト教の黙示録に基づくこの世の終末がやってきて、その真っただ中に飛行中だった旅客機のクルーや乗客たちがパニックに立ち向かいます。その一方で、機長(ニコラス・ケイジ)の地上にいる娘のサバイバルも描かれます。
有名ハリウッドスターが主演を務める作品なのに妙に安っぽい映像、あんまり迫力のないパニックシーン、凡庸な展開と、特別観るべきところは何もない作品です。
「ニコラス・ケイジが好き」「パニック映画が好き」という人ならたのしめるかもしれない…くらいの映画です。有名スター主演の大作を期待すると肩透かしを食らいます。
エアポート2015(飛行機×タイムスリップ)
アメリカのケーブルテレビで放送する用に製作されたB級テレビ映画です。
内容は「旅客機が航空中に突如現れた時空の乱れに突っ込んで、第二次世界大戦のど真ん中に一機丸々タイムスリップしてしまう」というもの。
映像はCG丸出し、戦闘シーンは暗くてしょぼくて何がどうなってるかよくわからないというB級ハズレ映画のお手本のような作りですが、次から次に襲ってくるトラブルを協力して解決していく乗員乗客たち、実際の歴史と絡めて展開するストーリーなど、話がやたらと熱く面白くてハマれます。
迫力のパニック映画を期待すると残念な気持ちになりますが、アドベンチャー小説を映像解説つきで読んでると思えばけっこう楽しめる、意外な良作です。
まとめ
以上、「飛行機×〇〇」という形で、飛行機が舞台のパニック・ホラー映画を紹介しました。
常識にとらわれず、色々なシチュエーションが試みられてきた飛行機映画。その完成度は、ワンアイデアの光る面白いものからちょっと頑張りが外れた残念な映画まで様々です。
大作からB級まで、佳作から駄作まで、多種多様な飛行機映画をぜひ観てみてください。