僕が「この人の映画なら間違いはないだろう」と思っている俳優の一人に『イーサン・ホーク』という人がいます。
ハリウッドでは実力派として知られている俳優で、大作からマイナー作品まで、彼が出演している映画で外れがあった記憶がありません。
というわけで、イーサン・ホークの外れなしの出演作の数々を紹介します。
アサルト13 要塞警察
2005年のクライム・アクション映画です。大晦日に凶悪犯を護送中だった警察車両が吹雪で足止めをくらって田舎の警察署に避難、そこへ凶悪犯の命を狙った何者かが襲撃してきて命がけの攻防がくり広げられる…というお話です。
イーサン・ホークが演じるのは舞台となる田舎分署に配属されている警官で、捜査中に部下を失った悲しい過去を引きずっています。
わずかな警官と数人の犯罪者だけで警察署に立て篭り、軍隊並みの装備を持った謎の襲撃者と殺し合いがくり広げられる様は息の詰まるような展開の連続です。ハードボイルドなクライムアクションが好きなら、間違いなくおすすめできます。
イーサン・ホークに並ぶ主役級キャラとして、ローレンス・フィッシュバーン(「マトリックス」の大柄な黒人のおじさん)が出演しているのも見どころ。得体の知れない凶悪犯役がこわいです。
フッテージ
2012年公開のホラー映画です。ある田舎のいわくつきの一軒家に引っ越して来た家族が、不気味な現象に襲われていく様が描かれます。
300万ドル(約3億円)というハリウッド映画としてはかなりの低予算で作られながら、徹底的に作り込まれた不気味な雰囲気が話題になって大ヒットを記録しました。
ジャパニーズ・ホラーのようなじんわりと背筋に冷や汗が流れる怖さで攻めてくる、終始おどろおどろしい傑作ホラーです。背筋を凍らせたいならおすすめの一作。
パージ
2013年のホラー映画。本作のヒットがきっかけで、3作目まで続編が製作されました。ぶっとんだ設定のホラーが好きな人におすすめの映画として、もはやホラー界では超有名なシリーズです。
1年のうち12時間だけどんな犯罪も(殺人や傷害も)許される「パージ法」が制定された未来のアメリカを舞台に、娯楽として人々を殺すサイコキラー集団に襲われる一家の命がけのサバイバルを描きます。
イーサン・ホークは一家の大黒柱としてショットガン片手に殺人者と戦うパパを演じます。
6才のボクが、大人になるまで。
2014年公開のヒューマンドラマです。「6歳の少年が18歳まで育つ物語を、同じキャストで12年間かけて描く」という、おそらく過去に例のない異色作です。
実際に2002年から毎年数週間ずつ、出演者とスタッフが集まって撮影が続けられたそうです。途方もない製作エピソードですね。
イーサン・ホークはこの映画で、主人公の父親役を演じました。妻(主人公の母親)と別れて自由人のようにフラフラ暮らしていた前半からの、再婚して家庭人として落ち着いていく変化が鮮やかです。
もし監督が完成前に事故などで亡くなったらイーサン・ホークが代わりに作品を完成させる、という約束もしていたそうで、製作の中心的なポジションにもいたみたいですね。
感動的な映画を見たい人、イーサン・ホークの演技派としての実力を存分に体感したい人におすすめの一作です。
ドローン・オブ・ウォー
アメリカ軍の無人爆撃機パイロットにスポットを当てた、異色の戦争映画です。
毎朝家族に「行ってきます」とキスをして基地に出勤し、遠隔操作で遠い中東の市街地を爆撃して人を殺す。そんな現代ならではの奇妙な戦争で精神を蝕まれていく兵士が描かれます。
イーサン・ホーク演じる主人公の葛藤がリアルで、演技派ベテラン俳優としての彼の力量を見せつけられます。シリアスで社会派な戦争映画としておすすめの、隠れた名作です。
プリデスティネーション
時間を超えて犯罪をはたらく爆弾魔を、こちらも時間を超えて追う時空警察を描いたSF映画です。
時系列や登場人物など様々な伏線が複雑に絡み合ったシナリオが、凄まじい完成度を見せてくれます。終盤の展開には必ず驚かされると保証できる傑作SFサスペンスです。SFサスペンス好きなら、間違いなく楽しめます。
前情報一切無しで観るのがおすすめの、「とにかく観れば分かる」映画です。
まとめ
以上、おすすめのイーサン・ホーク出演作をまとめました。こうして見ると、全体的に「低予算だけど世界観やシナリオで魅せる映画」が多い印象ですね。
イーサン・ホークの作品運がいいのか、彼自身が「面白そう」と思った作品を選んで出演する作品選びのセンスがいいのかは謎ですが、とにかく僕は「イーサン・ホーク出演」と聞くだけで興味が湧きます。
どの作品も抜群にクオリティが高いものばかりなので、好みに合いそうなものがあったら手に取ってみてください。