※2019年10月加筆
何度も同じ時間を繰り返す、タイムリープの輪の中に閉じ込められてしまう…そんないわゆる「ループもの」映画は、SFなどのジャンルで昔から一定の人気があるテーマですよね。
そこで今回は、そんな「ループもの」映画のおすすめを紹介します。
- 正統派SFタイムリープ「ミッション:8ミニッツ」
- 日本のライトノベル原作のループもの映画「オール・ユー・ニード・イズ・キル」
- アート的な世界観の中で描かれるタイムリープ「ラン・ローラ・ラン」
- Netflixが送る硬派なループものSF映画「ARQ 時の牢獄」
- まさかのコメディ系タイムリープ映画「ネイキッド」
- ループもの映画として正統派な、隠れた良作「今日も僕は殺される」
- ちょっと異色なタイムリープのルールが秀逸「トライアングル」
- タイムリープの完成度が圧倒的「プリデスティネーション」
- ループもの映画では外せない名作「バタフライ・エフェクト」
- キング原作の異色タイムリープ映画「イン・ザ・トール・グラス -狂気の迷路-」
- まとめ
正統派SFタイムリープ「ミッション:8ミニッツ」
多数の死傷者を出してしまった列車爆破テロの犯人を特定するため、政府の特殊な設備によって、事故の犠牲者の一人の意識に入り込む主人公が描かれる作品です。
被害者としてテロの現場をループすることで次第に明らかになっていく真相、そして主人公の切なすぎる運命やカタルシスの残るラストなど、ループものSF映画として超正統派の傑作だと思います。
主演は良作ぞろいの出演作をもつ演技派、ジェイク・ジレンホールです。
日本のライトノベル原作のループもの映画「オール・ユー・ニード・イズ・キル」
おそらく、世界で一番売れたループもの映画のひとつではないでしょうか。
エイリアンとの戦争真っただ中の地球で、戦死しては出撃の前日に巻き戻るタイムリープの中に閉じ込められた軍人の戦いが、トム・クルーズ主演で描かれます。
原作は日本のライトノベルという、ハリウッド映画の中でもかなり異色な生まれの作品としても有名です。
アート的な世界観の中で描かれるタイムリープ「ラン・ローラ・ラン」
恋人を助けるために20分で10万マルクという大金を用意しないといけなくなった主人公を描くドイツ映画です。10万マルクの用意に失敗しては、家を出る前に時間が巻き戻って再チャレンジ……というタイムリープがくり広げられます。
一般的なループもの映画と違って、ループの理由などの説明はなく、アニメーションも組み合わせるなどアート色の強い映画です。が、スピード感あふれるストーリーや映像は、エンタメ性も高くて不思議と惹きこまれます。
「エス」の主演などで知られ、のちにハリウッドにも進出するモーリッツ・ブライプトロイも出演してます。
Netflixが送る硬派なループものSF映画「ARQ 時の牢獄」
Netflixオリジナルのループもの映画です。
近未来の世界を支配する巨大企業から「あるもの」を盗んだ主人公の隠れ家に企業の刺客が襲来。「あるもの」の作用によって、主人公は刺客たちに反撃しては殺され、襲撃の直前に戻るというタイムリープを繰り返します。
予告編からもわかるように、「主人公以外もタイムリープに気づいていく」という、他のループもの映画とは一味違う展開が特徴のこの作品。
終盤で明らかになる驚きの事実など、とにかく作りこまれたストーリーが秀逸です。特に、シンプルながら観客に全てを理解させる最後の1カットは素晴らしかったです。
脚本と演出で魅せる硬派な作風で、ループものSFが好きなら一度は見てほしい良作です。
まさかのコメディ系タイムリープ映画「ネイキッド」
こちらもNetflixオリジナル作品。
「自分の結婚式当日の朝に宿泊先のホテルのエレベーター内で全裸で目覚め、教会の鐘を聞くたびにこの朝に戻ってしまう」という超絶難易度のタイムリープの中で、結婚式を成功させようと奔走する主人公を描くコメディ映画です。
ループもの映画でここまで振り切ったコメディってかなり珍しいんじゃないでしょうか。「タイムリープあるある」のお約束を踏襲しつつ、しっかり伏線回収してラストまで走り抜けるテンポの良い作品で、思いっきり笑って、爽やかな後味の残る堅実な良作です。
ループもの映画として正統派な、隠れた良作「今日も僕は殺される」
「謎の敵にいきなり殺されては、別の人生を生きる人間としてまた目覚める」という、独特なタイムリープの中にいる主人公が描かれる作品です。
SFサスペンスを期待させるような宣伝のせいで評価は低めですが、アクション映画としてはストーリーの見せ方もテンポもよく、サクッと見れてそれなりに楽しめます。地味ながら、ホラーアクション系のループもの映画として隠れた良作です。
ちなみにこの作品、「エイリアン2」や「ターミネーター」などの特殊メイクを手掛けてアカデミー視覚効果賞も受賞したスタン・ウィンストンが、生前に関わった最後の作品でもあるんだとか。
ちょっと異色なタイムリープのルールが秀逸「トライアングル」
ボートで遭難した人々が偶然通りかかった豪華客船に乗り込むも、謎の襲撃者に一人また一人と殺され、主人公だけが生き残ります。そこに数十分前の「自分たち」がまた漂着してきて、彼らもまた襲われて、また「自分たち」が1セット漂着してきて…というループもの映画です。
同じ時間軸の中でタイムリープがくり返されるので、同じ場所に複数人の主人公が同時に存在することになります。そんな、他のループもの映画とはちょっと違う点を上手く活かした伏線の張り方やストーリーの運び方が秀逸です。
『トライアングル』感想 ループの作り方と切ない結末が秀逸【レビュー】 - 怠惰ウォンテッド
タイムリープの完成度が圧倒的「プリデスティネーション」
演技派俳優イーサン・ホークが主演のループもの映画です。時空警察の主人公が、時空犯罪者を追って奔走するストーリーが描かれます。
ジャンルとしてはSFサスペンスですが、とにかく練りに練ったストーリーと、それを最大のインパクトで見せる展開が秀逸です。
何重にも張り巡らされた伏線が後半にいくにつれてどんどん回収されていって、ひとつのループがきれいにつながる結末は「こんな映画見たことない…」と驚かされました。
ループもの映画では外せない名作「バタフライ・エフェクト」
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「ループものSF映画」といえば、この作品が真っ先に挙げられるくらいの超名作です。
不思議な力をもった主人公が、タイムリープをくり返しながら残酷な運命をなんとか変えようともがいていきます。
切なすぎる結末の展開は、SF映画史に残る屈指の名シーンではないでしょうか。さらに、レンタルDVD版では見られない真の結末など、いくつかの別エンディングがあるのも注目ポイントです。
キング原作の異色タイムリープ映画「イン・ザ・トール・グラス -狂気の迷路-」
スティーヴン・キングとジョー・ヒルによる短編小説を原作に、「キューブ」や「ストレイン 沈黙のエクリプス」などで知られるヴィンチェンゾ・ナタリが監督したNetflixオリジナルのホラーサスペンス。
「背の丈以上もある草むらに入ったら、なぜかそこから出られなくなる。さらに違う時系列にいるはずの人間同士が同じ場所に出くわして……」というまさかの「タイムリープ草ホラー」です。
不気味なループ演出の見せ方がとにかく秀逸で、次から次に異常現象が起こって惹きこまれます。
まとめ
以上、タイムリープをくり返す、ループもの映画をまとめて紹介しました。
どの作品も「ループもの」というジャンルの中でそれぞれが独自色を出していて、様々なシチュエーション・謎解きが楽しめます。
凝ったストーリーのミステリアスな映画を観たいときは、是非チェックしてみてください。