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『スペクトル』感想・評価 Netflixオリジナルの可能性を見せたSFアクション大作【Netflix】

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2016年 アメリカ

 

「スペクトル」ストーリー

近未来。東ヨーロッパのモルドバでは、内戦が起こっており、アメリカ軍もそこに介入していた。ところが戦場で、兵士たちが目に見えない「何か」に襲われて即死するという異常事態が多発したため、国防関係の技術者であるクライン博士が原因究明のために送られてくる。

クラインを含む調査隊は大きな犠牲を払いながら、まるで幽霊のような敵の正体をつかんでいく。ところが謎の敵は凄まじい勢いで広がり、モルドバに駐留するアメリカ軍を壊滅させるほどの勢力になっていき……

 

「スペクトル」感想

今では膨大な数のオリジナル映画・ドラマを配信しているNetflixの、初期からの代表作のひとつです。大作映画並みの製作費をかけた、まるで戦争映画のような大規模SFアクションとして話題になりました。

当時はまだまだ微妙な立ち位置だった「配信サービスのオリジナル映画」というカテゴリで、「こんだけ凄い作品作れるんやで」と可能性を見せつけた一作ではないでしょうか。

 

そんな「スペクトル」、ストーリー的な深みや意外性はガン無視で、とにかく「凄い戦闘シーン」「凄い映像」を追求したド直球のアクション映画です。内容的には「幽霊みたいな敵と軍隊が真正面から戦う」っていうだけなんだけど、銃撃から爆発まで、センスの塊みたいなシーンばっかりでかっこいい。

無駄に近未来的な多脚ロボとか、体当たりで戦車も吹っ飛ばす幽霊とか、「急ごしらえでそんな完成度の高いもの作れるわけねーだろ」って感じの対幽霊ハイテク兵器とか、とにかく「男の子が好きそうなかっこいい要素全部入りセット」みたいな展開です。

出演キャストも大スターはいませんが、ハリウッドで確実にキャリアを積んできた実力派を集めたような感じ。紅一点のCIA捜査官マディソンを含め、皆ハードボイルドで渋くてかっこいいです。

あと、「プレデターズ」でプレデターと一騎打ちして、刀1本で相討ちに持ち込む日本人ヤクザを演じたルイ・オザワがちょこっと出演してるのも個人的に嬉しいポイントでした。

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戦争映画ばりの迫力のアクションがかっこいいのはもちろんですが、この映画の高評価ポイントは「独創的な敵」じゃないでしょうか。これまで未知の敵と戦うアクション映画はいくつもありましたが、「幽霊(実際はエネルギー体みたいな奴ら)」と軍隊がガチンコで戦う作品ってなかったのでは?

敵がそんな奴らなもんだから、こっちの銃弾は全く効かないのに敵はこっちに触れるだけでKOという、「タッチされたら即死の鬼ごっこ」がくり広げられます。絶対に参加したくないですね。

前半ではそうやってパニックホラー的な展開を見せて、後半は一転して巨大オスプレイから多脚ロボまで登場する近未来チックな戦いに移っていくので、ひたすらアクションが続くストーリーでも飽きが来ません。

最後はちょっと切ない雰囲気もあったりして、簡潔な展開ながらしっかりカタルシスを残してくれるのもSF映画としてナイスな点じゃないでしょうか。

 

まとめ

ハリウッド大作並みの予算で「化け物と軍隊が全面戦争」なんて映画、劇場公開作では数年に1本しか作ってくれません。が、Netflixオリジナルは収益を上げるシステムがまったく違うので、こういうちょっとマニアックな題材でもお金をかけられるのかな、と思いました。

『世界侵略:ロサンゼルス決戦』とか『エイリアン2』とか、そういうド派手なSF戦争アクションが好きならまず間違いなくニヤニヤして楽しめる傑作です。これを観るためにNetflixに加入してみてもいいんじゃない?ってくらい。

 

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