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『ジャドヴィル包囲戦 -6日間の戦い-』感想 軽めの作風とは裏腹の重い史実【Netflix】

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2016年 アイルランド、南アフリカ

 

『ジャドヴィル包囲戦 -6日間の戦い-』ストーリー

1960年。冷戦による緊張が高まるコンゴに向けて、国連軍に属するアイルランド軍の兵士150名の部隊が派遣される。

 

現地の治安を維持し、国連の存在感を示すことが任務だったアイルランド軍だが、到着の直後に動乱が加速し、武器も乏しく補給もない状況で、フランス人傭兵が率いるおよそ3000人のカタンガ民兵に囲まれるという危機に陥ってしまう。

 

救援の見込みもない中で、アイルランド軍は絶望的な防衛戦に臨んでいくが……

 

『ジャドヴィル包囲戦 -6日間の戦い-』感想

冷戦下で実際にあった戦闘をもとにした歴史戦争アクション映画。Netflixのオリジナル作品です。

 

兵士たちの中に「超有名」というほどのキャストはいませんが、主人公の中隊長や頼れる軍曹をはじめ、どのキャラもいい意味で戦争映画のお約束に沿っていて、しっかりと存在感がありました。

 

そして、イギリスを代表する実力派俳優で「キングスマン」シリーズにも出ていたマーク・ストロングが登場するのもポイントです。

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今回のマーク・ストロング、なんと髪がフサフサです。おまけに役柄は「大人の事情を理由にアイルランド軍を現地に切り捨てる国連幹部」という、ろくでもないポジション。いい人の役か渋い悪役が多い彼が、ここまでゲスで小物なキャラを演じるのは珍しいです。

 

ストーリーは「取り残されて孤軍奮闘するアイルランド軍」というシンプルな軸を持っていますが、その背景の情勢は複雑怪奇。そのまま映画を観ても間違いなく何が何やらになります。

 

とりあえずコンゴ動乱について「アメリカとロシアの冷戦が反映された代理戦争」で、「アイルランド軍の部隊が着いた直後に他の国連部隊がやらかした(誤爆で大量の市民に被害を与えた)せいで国連軍を攻撃する流れが生まれた」ことを踏まえておくと、ある程度ストーリーを飲み込めるんじゃないでしょうか。

 

そして見どころは何といっても戦闘シーン。「ブラックホーク・ダウン」のようなスリリングな派手さを見せつつ、グロさは控えめで肉も内臓も飛び出しません。誰でも安心して観られるほどよい仕上がりです。

 

ヘリの墜落や大爆発、狙撃戦や罠を張り巡らせたアイデア勝負など、戦争アクションの定番の見どころをそつなく盛り込んでいます。「めちゃめちゃ凄い!」というほどじゃないかもしれませんが、ライトな洋画ファンからコアなアクション映画ファンまで、誰もがそれなりに楽しめる手堅いクオリティです。

 

ほどよい濃さの戦闘シーンや魅力的なキャラ、そして「アイルランド側の戦死者はゼロ」という優しい史実も相まってわりと軽快に観られる映画ですが、映画では詳しく描かれないその後の展開がかなり胸くそです。

 

国と世界のために戦った人たちの名誉を踏みにじるあんまりな展開に、中盤でかなり嫌な感じを出しつつも終盤は空気だったフサフサマーク・ストロングへの怒りが再び沸いてきます。

 

命がけの苦労がなかなか報われなかったアイルランド軍ですが、この『ジャドヴィル包囲戦 -6日間の戦い-』が歴史の闇に葬られていた彼らの功績を決定づけた作品になったんだとすると、少しだけ報われた感じがします。

 

Netflixではアクション映画ファンを中心にけっこうな話題になったこの映画ですが、こうやって軽快な戦争映画として注目を集めることが、アイルランド軍の名誉回復につながったとしたら喜ばしいことですね。

 

まとめ

ちょうどNetflixオリジナル映画が注目を集め始めた時期の話題作ということで、映像的にも派手で見どころの多い、劇場公開の大作並みに仕上がってる『ジャドヴィル包囲戦 -6日間の戦い-』。

 

迫力のあるアクション、軽快な見ごたえ、歴史を学べるストーリーと、色々とお得な要素が詰まった秀作です。戦争映画・アクション映画が好きでNetflix加入者なら、一度は観て損はありません。

 

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