バンドマンの皆さん。ライブでの音作りに悩んでませんか?うまく音のバランスとれてますか?
自信をもって「できてる」と言える人は少ないんじゃないでしょうか。ライブの音作りってほんと難しいよね。スタジオとは全然違う。
「どんなにアンプいじっても音がもこもこ!」とか「各パートの音量バランスがとれない!」とか「なんかいまひとつだけどどうすればいいか分からん!」とか、悩みの連続です。
そんな風に、ライブの音作りに悩む全てのバンドマンに読んでほしいのが、『バンドマンが知るべき100の秘訣』です。
大阪の寺田町にあるライブハウスFireloopのオーナーでありPAも務める足立浩志さんによる、ライブハウスの現場からの視点と長年の経験がまとめられたこの本。ライブの最前線からの、PA目線での活きた知恵が盛りだくさんに詰まったスーパー名著です。
どんな内容か、抜粋して紹介していきます。
大事なのは「リハーサル」
ライブの音のクオリティを決めるのは、もちろん各パートの音。各パートの音を決めるのはリハーサル。
というわけで、この本で語られる内容のほとんどが、ライブの音作りにおいて最重要な「リハーサル」に関することで占められています。音出しのやり方、アンプのつまみの設定のコツ、ドラムの音作りetc、ほとんどの項目の内容がリハーサルの時に考えるべきことです。
一般的なブッキングライブでは20~30分のリハですが、この時間の中でこの本に書いてあることをどれだけ素早くチェック・実践できるかがライブの出音のクオリティを分けるんじゃないでしょうか。
考えるべきは「中音」と「モニター」
そんなリハで何を頼りに音を作るかというと、ステージ上のいわゆる「中音」と、各メンバーが自分に返してもらう「モニター」ですよね。
『バンドマンが知るべき100の秘訣』では、そんな中音を基準に音のバランスをとっていく方法が解説されてます。
生音楽器であるドラムとエレキ系楽器のバランスをどうとればいいか、アンプの音量やEQはどんな判断基準でいじっていくのか、何のモニターをどれくらい返してもらうべきか、その判断ではどんな部分を聴くべきか……そのコツが、各パートごとに網羅されてます。
解説のされ方も「考え方・思考法・判断方法」というベースで語られているので、場所を選ばずどこのライブハウスでも通用するであろう内容になっているのもポイントです。
「ドラム」の出音が命
「100の秘訣」というタイトル通り、100項目に分かれて音作りのコツが語られるこの本ですが、その実に1/4の、25項目くらいが「ドラム」に関する話です。
リズム、強弱、チューニング、叩くときのテンションに至るまで、とにかく「ドラム」が最重要と言っても過言ではないんだと思い知らされます。
その理由の最たるものが、ドラムが「音量やテンションにプレイヤーの実力が一番ダイレクトに表れる楽器」だからでしょうね。ドラムの音量の上り幅が他の楽器に比べていかに大きいかの解説など、ドラムの重要性を突きつけられるエピソードが盛りだくさんでした。
まとめ
とにかく「ライブ本番で納得のいく音を出すための上手なリハのやり方」を、怒涛の勢いで学べる一冊でした。
この本をバンドで一冊持っておいて、回し読みして内容を意識していけば、ライブでの出音や演奏のレベルを数段階上げられます。日々のスタジオ練習のときから意識したいことも書かれてるので、日常的に読み込んでいきたい一冊です。特にドラマーは。
なんとなくでリハをして「もっとうまく音作れそうだけどなあ…」と悔しい思いをしながらライブをしている人は、リハでの思考の根幹を作る指南書として、ぜひ一度読んでみてください。

バンドマンが知るべき100の秘訣 PAエンジニアから見たバンドの音作り
- 作者: 足立浩志
- 出版社/メーカー: リットーミュージック
- 発売日: 2016/01/20
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