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映画界を支える裏方・VFX制作会社ごとに見る映像の個性

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映画について語られるとき、主にピックアップされるのは監督やキャストなど、表舞台に出てくる人たちです。ですが、その裏には大勢のスタッフが関わって、作品が作られています。

今回はその中でも、現代映画の要であるVFX(CGなどの映像効果)を手がける制作会社の有名どころを紹介します。それぞれの制作会社ごとに映像の個性やクセがあったりするので、必見です。

ハリウッドVFX制作の超大手『デジタル・ドメイン』

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「遊星からの物体X」や「ターミネーター」、「エイリアン2」などでハリウッド映画の黎明期を支えた映像クリエイター、スタン・ウィンストンが、監督のジェームズ・キャメロンと一緒に設立したVFX制作会社。

まだまだCG映像が発展途上だった1990年代前半に設立され、それ以来ハリウッドでも最大手の映像会社として知られてきました。

「タイタニック」や「アルマゲドン」などの名作も手がけて、2000年代以降も「トランスフォーマー」シリーズやMCUシリーズの超大作に携わっています。

手がけるCG映像は実写と見分けがつかないほどのリアリティで、VFX技術の世界基準になっている会社です。

 

ジョージ・ルーカスが設立したVFX会社『インダストリアル・ライト&マジック』

「デジタル・ドメイン」と並んで、ハリウッド最大手となっているVFX制作会社です。元々は「スター・ウォーズ」の映像効果の制作のために、ジョージ・ルーカスによって立ち上げられました。

まだ「CG」という言葉もなかった1975年に創業され、以降「スター・ウォーズ」シリーズや「ハリー・ポッター」シリーズ、「パイレーツ・オブ・カリビアン」などを手がけています。

こちらも映像効果では世界トップに位置するスタジオです。

 

ゲームのようなスピード感のある映像効果が見どころ『ハイドラックス』

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2002年に設立されたVFX制作会社。先に紹介した2企業と比べると小規模でベンチャー的な会社ですが、ハリウッド大作から際立った異色作まで、幅広く手がけてきました。代表のストラウス兄弟は「スカイライン」シリーズの製作を手がけたことでも有名です。

関わった代表作には「ザ・ウォーカー」や「イントゥ・ザ・ストーム」、「世界侵略: ロサンゼルス決戦」、「ハードコア」などアクション描写にややクセのある作品が多く、まるでFPSゲームのムービーのような、スピーディーで臨場感あるCG描写が得意なように見えます。

「スペクトル」やアメリカ版「デスノート」などNetflixオリジナルにも関わっていて、今後も名前を聞きそうです。

 

灰色がかったダークファンタジー風味が得意?『ライジング・サン・ピクチャーズ』

オーストラリア映画界の中心的なVFX制作会社です。南半球がロケ地になったハリウッド映画の映像制作に多く関わっています。

代表作は「ハリー・ポッター」後期シリーズや「プロメテウス」、「ラストサムライ」、「ターミネーター4」など硬い質感の映像が印象的な映画が多いので、やや灰色がかったような、ダークファンタジーや退廃的な世界観の描写が得意なのかもしれません。

 

ピーター・ジャクソンが興したユニークなVFXプロダクション『WETAデジタル』

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「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズで知られる、ピーター・ジャクソンが設立したVFX制作会社。ジャクソンと同じく、ニュージーランドに拠点を置いています。

手がけた作品は2005年版「キング・コング」などピーター・ジャクソン作品のほぼ全て、他にも「猿の惑星」新3部作や「ヴァン・ヘルシング」などがあります。

代表作を見ても分かるように、アメリカの大手会社によるはっきりとしたCG描写とはまた違った、絵画のような質感の画作りが特徴です。ハリウッドでもユニークな監督として知られるピーター・ジャクソンらしい、ユニークなVFXを見せるプロダクションです。

 

フランスを代表するVFX制作会社『マック・ガフ』

フランス映画界でよく名前が聞かれるVFX制作会社です。代表作は「トランスポーター」シリーズや「96時間」シリーズなど、フランスに拠点を置くリュック・ベッソン作品が多めです。

分かりやすい派手さや鮮やかさを追求するハリウッド映画のVFXとは違った、スタイリッシュな美意識のようなものが感じられる映像が印象的です。

最近ではフランス発のSF超大作「ヴァレリアン 千の惑星の救世主」のVFXを手がけています。

 

海外ドラマ界を一手に支える大手VFX制作会社『Zoic Studios』

こちらは映画界ではなく、主にアメリカのドラマ界で活躍してきたVFX制作会社です。代表作には「バトルスター・ギャラクティカ」や「フォーリング スカイズ」、「THE FLASH/フラッシュ」、「暴走地区-ZOO-」など、映像が印象的な大作タイトルが並んでいます。

数話~数十話にわたって製作されるドラマでは、映画とはまた違ったノウハウが必要そうですよね。そんなドラマ界でヒット作を手がけてきたこのスタジオは、海外ドラマシーンを一手に支えてきたと言えます。

 

ロシア映画界を支えるVFX制作会社『Main Road Post』

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ハリウッドの影に隠れがちですが、ロシアのSF映画やアクション映画も、世界トップレベルの超美麗CGが見どころとして知られています。そんなロシア映画界の大手VFX制作会社が「Main Road Post」です。

2006年設立と若い会社ですが、「オーガスト・ウォーズ」や2013年版「スターリング・ラード」、「アトラクション 制圧」など、VFXが話題になった最近のロシア映画には、ほぼ全て関わっています。

ちょっとゲームっぽさのある、めちゃめちゃ丁寧で美麗で観やすい画作りが印象的です。

 

VFXの歴史を築き上げてきた老舗『ティペット・スタジオ』

「ジュラシック・パーク」で世界初の本格CG導入を行い、現在のCG技術の基礎を作ったフィル・ティペットが設立した老舗スタジオです。コマ撮りのストップモーションの時代からハリウッドを支えてきました。

まだまだCGの歴史が浅かった時代から「ロボコップ」や「スターシップ・トゥルーパーズ」、「インビジブル」などで大胆にCG技術を取り入れていて、最近でも「テッド2」や「キング・オブ・エジプト」などの話題作を手がけるなど、VFXの歴史を体現してきたような名門です。

 

日本最高峰の技術を持つ国内VFXの最大手『白組』

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間違いなく日本でトップレベルの技術を持つVFX制作会社です。代表作は「ALWAYS 三丁目の夕日」シリーズや「永遠の0」、「シン・ゴジラ」、「いぬやしき」などがあり、CGが見どころの邦画には大抵この白組が関わっています。

(スポンサーや製作費のしがらみさえなければ)世界レベルの映像を作れる日本唯一のスタジオと言えるのではないでしょうか。

映画監督の山崎貴もこの白組の出身クリエイターです。

 

まとめ

以上、だいぶマニアックな話題になりましたが、「VFX」に焦点を当てて世界の制作会社を紹介しました。

ほとんど話題に上がることのないVFX制作会社ですが、こういった映像効果クリエイターがいなければ、今の映画界は成り立ちません。

映画を観るときの新たな注目ポイントとして、「VFXを手がけたのはどこ?」という点も見てみると面白いですよ。