ニュージーランド出身で、斬新な映像表現や壮大な世界観作りで話題を集めてきた映画監督ピーター・ジャクソン。若手の頃はカルトホラー的な作風で注目されたりと、意外な経歴も持っています。
今ではハリウッドを代表する監督の一人になったピーター・ジャクソンの、これまでの監督作品を紹介していきます。
- ピーター・ジャクソン最大の代表作『ロード・オブ・ザ・リング』
- 壮大な世界観を再び描くファンタジー大作『ホビット』
- ピーター・ジャクソンの念願となった名作のリメイク『キング・コング』
- ピーター・ジャクソンの名を広めた自主制作映画『バッド・テイスト』
- 個性派監督としての地位を確立した出世作『ブレインデッド』
- 繊細な映像と斬新な視点で魅せる異色の人間ドラマ『ラブリーボーン』
- マイケル・J・フォックス主演の痛快ホラーコメディ『さまよう魂たち』
- 異色の世界観で魅せるアクション大作『移動都市/モータル・エンジン』
- まとめ
ピーター・ジャクソン最大の代表作『ロード・オブ・ザ・リング』
ファンタジー小説の金字塔「指輪物語」を原作に、三部作、およそ10時間をかけてその世界観を描いたファンタジー映画。シリーズ通して10以上ものアカデミー賞を受賞しました。
ホビットやエルフ、ドワーフ、怪物たちが入り混じる世界観、「指輪」を巡る戦いと旅路など、どこまでも奥深く壮大な超大作に仕上がっています。重厚なファンタジーが観たいなら、この作品を選べば間違いありません。
ピーター・ジャクソンにとって、最大の代表作と言える作品です。
壮大な世界観を再び描くファンタジー大作『ホビット』
「ロード・オブ・ザ・リング」の主人公フロドの祖父、ビルボを主人公に、ホビットやドワーフたちの大冒険が描かれるファンタジー映画。「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズにも負けない壮大な3部作で、よりアドベンチャー色の強い、軽快な作風になっています。
指輪物語の世界観は好きだけど、「ロード・オブ・ザ・リング」はちょっと重すぎる……という方にもおすすめの、痛快冒険ファンタジーです。
ピーター・ジャクソンの念願となった名作のリメイク『キング・コング』
名作「キング・コング」を、現代的な映像技術でリメイクしたアクションアドベンチャー大作。未知の島に降り立った映画撮影隊と船の乗員たちが、その島の王「キング・コング」にさらわれた女優を助けるために奮闘します。
キング・コングをはじめとした巨大生物たちとの戦いはもちろん、コングと次第に打ち解けていく女優アンの、種族を超えた愛も見どころです。まるで人間のように表情豊かなコングの映像は、驚かされます。
ピーター・ジャクソンは1930年版「キング・コング」を観て映画監督の道に進んだという過去があり、本人にとって念願のリメイク制作になりました。
ピーター・ジャクソンの名を広めた自主制作映画『バッド・テイスト』
ニュージーランドの田舎町を舞台に、町を襲った宇宙人と調査隊の死闘が描かれるSFアクションホラー作品。監督や編集、主演までピーター・ジャクソンが手がけた自主制作映画です。
1987年製作で内容的にはチープですが、シュールさとスリルを織り交ぜた演出、意外に骨太なストーリーなど、名監督としてのセンスをこの頃から覗かせています。
この作品がカンヌ国際映画祭で上映されて話題になったことが、ピーター・ジャクソンが商業監督としてスタートするきっかけになりました。
個性派監督としての地位を確立した出世作『ブレインデッド』
「バッド・テイスト」で注目を集めたピーター・ジャクソンが、さらに話題を集めたホラーコメディ映画。ニュージーランドのとある屋敷を舞台に、おそるべきゾンビパニックが描かれます。
作中で使われた血のりの量は「映画史上最大量」とも言われ、バカバカしいほどのスプラッター描写とぶっ飛んだ内容で反響を呼びました。ファンタジー監督として知られるピーター・ジャクソンが、このようなB級ホラーから有名になった、というのは意外ですね。
人口300万人のニュージーランドで50万人を動員するヒットとなり、世界的にもスマッシュヒットを記録。ピーター・ジャクソンの監督としての地位を確立させました。
繊細な映像と斬新な視点で魅せる異色の人間ドラマ『ラブリーボーン』
残酷な事件で死んでしまった14歳の少女スージーを主人公に、彼女が天国から家族や友人、犯人を見つめる姿を描くヒューマンドラマ。今も演技派として活躍するシアーシャ・ローナンが、子役として主演しています。
「死者の視点から周りの人々のその後を描く」という、珍しいストーリーで話題になったこの作品。濃厚な人間ドラマとしてしっかり見ごたえがあり、切なくてノスタルジックな雰囲気が漂う作品です。
幻想的で繊細な映像表現には、ピーター・ジャクソンの監督としての手腕がしっかり発揮されています。
マイケル・J・フォックス主演の痛快ホラーコメディ『さまよう魂たち』
霊感を持った青年フランクが、3人の幽霊をお供に霊が引き起こす事件を解決していくホラーコメディ映画。主演は「バック・トゥ・ザ・フューチャー」でおなじみのマイケル・J・フォックスです。
幽霊が巻き起こすドタバタ劇は、ほどよく笑えてちょっぴり怖くて、初期のピーター・ジャクソン作品に近いテイストです。「ホーンテッドマンション」などが好きなら、間違いなく楽しめます。
1990年代はまだまだ珍しかったCGが本格的に導入されてて、このときの技術や経験が「ロード・オブ・ザ・リング」の基礎になったそうです。
異色の世界観で魅せるアクション大作『移動都市/モータル・エンジン』
都市が「移動式の要塞」として動きながら戦い合う未来世界を舞台に、あらゆる都市を飲み込む巨大都市「ロンドン」を巡って壮大な戦いがくり広げられるSF映画。
未来的な中にもレトロな雰囲気が漂い、いわゆる「スチームパンク」ものとしても楽しめます。巨大都市がキャタピラをつけてうごめく様は、ピーター・ジャクソンらしい映像美も合わさって、圧巻です。
今回ピーター・ジャクソンは製作や脚本にまわり、監督は本作が長編デビューのクリス・リヴァースが務めました。17歳の頃からピーター・ジャクソンの製作チームで活動してきた彼は、まさにピーター・ジャクソンの「後継者」になる注目クリエイターです。
まとめ
「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズをはじめとして、奥行きと広がりを見せる世界観の描写に定評があるピーター・ジャクソン。独特の質感をもった映像美は、圧倒的な没入感で作品の世界に入り込ませてくれます。
その一方で、初期作品のような、ユーモアと刺激にあふれた作風も隠れた注目ポイントです。
壮大なストーリーやものすごい映像表現、意外に過激なジョークセンスが観たいなら、ピーター・ジャクソンの作品を一度は手に取ってみましょう。
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