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【レビュー】「ザ・サイレンス 闇のハンター」は「クワイエット・プレイス」への対抗馬なのか

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2019年4月にNetflixオリジナルとして配信が始まった映画「ザ・サイレンス 闇のハンター」。音に敏感な化け物がはびこる世界での、家族のサバイバルを描いたパニックホラーです。

この概要だけ聞くと、賛否両論を呼んだ2018年のホラー映画「クワイエット・プレイス」を連想せずにはいられませんね。

Netflixオリジナルといえば、「"敵"を見たら死ぬ」という「バードボックス」が「クワイエット・プレイス」と似たテイストで注目されましたが、「ザ・サイレンス」の方はさらに直接的にネタが被ってます。

果たしてこの2作は内容も似てるのか、逆に似てないのはどこか、どっちが面白いのか、見ていきましょう。

(※ネタバレ注意)

 

 

「ザ・サイレンス 闇のハンター」あらすじ

www.youtube.com

2019年 アメリカ

監督:ジョン・R・レオネッティ

キャスト:スタンリー・トゥッチ、キーナン・シプカ、ミランダ・オットー、ジョン・コーベット

 

物語の舞台は、アメリカ東部のとある郊外。

事故によって聴力を失った少女アリー(キーナン・シプカ)は、手話や読唇を覚えたことで日常でも問題なく過ごせていました。

さらに、父のヒュー(スタンリー・トゥッチ)をはじめとしたアリーの家族も手話を習得し、家族の仲も良好に暮らしていました。

そんなある日、未知の飛行生物の大群がアメリカ中を襲うという異常事態が発生。アリーたち一家も避難を始めますが、怪物の群れが押し寄せて次第に追いつめられていきます。

「聴覚が敏感な代わりに目が見えない」という怪物の特性を活かして、一家は「音を出さずに生き抜く」というサバイバルに挑みますが……というお話です。

 

"再生"の「クワイエット・プレイス」と"変化"の「ザ・サイレンス」

「クワイエット・プレイス」の根底にあったテーマは、「絆を失って崩壊した家族の"再生"」というものでした。

内容的には親子や夫婦、姉弟どうしでの心情描写が中心で、「危機を通して家族が絆を取り戻す」というヒューマンドラマの割合がホラー要素と半々くらいだったように思えます。

この点が、純粋なホラー映画を求めていた観客からは賛否両論の原因になりました。

 

それに対して、「ザ・サイレンス 闇のハンター」は「変化と適応」の物語になっています。

アリーたち家族は、アリーが聴力を失う事故によって手話の習得という「変化」を遂げ、結果として「音をたてずにコミュニケーションをとれる」というアドバンテージを武器に生き抜いていきます。

そして、最終的には「無音で生きないといけない世界」に「適応」していきます。

この「世界がひっくり返るほどの絶大な変化に適応して進化する」というのが「ザ・サイレンス」のテーマのひとつなのかな、と思いました。

どう見てもやられ役だったアリーの恋人ビルが最後まで生き残ったのも、アリーたちと同じく手話という「変化」を受け入れて適応していたことと関連があったのでしょうか。

 

 

パニックホラーとしては「ザ・サイレンス」の方が上手か

テーマ的にはまったく違う「ザ・サイレンス」と「クワイエット・プレイス」ですが、純粋なパニックホラー映画としてのクオリティでは「ザ・サイレンス」の方に軍配が上がります

日常がだんだん崩壊していく恐怖と緊張感、テンポよくパニックが進行していくスピード感は、唐突に世界観を見せつけられた「クワイエット・プレイス」よりもストーリーがスムーズに感じました。

さらに、「怪物の特性や弱点が分かってるなら、軍隊ならいくらでも対処できるんじゃ?」というツッコミどころも、リアリティのあるパニック描写のおかげで薄らいでます。

「これだけ社会が混乱してるなら、すぐに対処するなんて無理だよね」と納得させられる説得力もありました。

 

「カルト集団」のくだりは蛇足だった?

ストーリー後半でアリーたち一家の敵として立ちはだかるカルト集団ですが、この要素が邪魔だった、と感じてる人が多いみたいですね。

「怪物との戦いじゃなく、結局人vs人の話かよ!」という批判が続出してるみたいです。

尺的にもカルト集団たちのキャラ描写が浅くなってどうしても出オチ感がありますが、こういう集団が出てくるのはキリスト教圏のアメリカならではだな、とも思えました。

世界が崩壊するような大災害が起きたら、聖書にある「終末」を連想する人も向こうでは多いんでしょうか。

そう考えると、「これはこの世の終わりだ。悔い改めよ」と暴走する狂信者が発生するのはアメリカ的には「いかにもありそう」なのかもしれません。

とはいえ、さすがにクライマックスの敵としては力不足感がありました。あと10分でいいからカルト集団の背景を深く描いてほしかった

 

 

まとめ:2作とも別物として楽しもう

設定が丸かぶりということで、どうしても比較してしまう「ザ・サイレンス 闇のハンター」と「クワイエット・プレイス」。

ですが、意外にもストーリーの軸にあるテーマは全然違ったり、文明崩壊のどの時系列に焦点を当てるかも違ってたりと、それぞれ独自の見どころがあります

感動や派手さを求めるなら「クワイエット・プレイス」、日常が壊れていくパニックやサバイバルを楽しみたいなら「ザ・サイレンス」と、別物として楽しみましょう。

あとどうでもいいけど、「闇のハンター」っていうサブタイトルださすぎない?

 

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