元々は映画プロデューサーとして活動しながら、たまたま主演を務めることになった映画「第9地区」で意外な演技力を発揮し、瞬く間に注目俳優となったシャールト・コプリー。
個性的なキャラクターと表情豊かな表現力で魅せる彼の出演映画を、紹介していきます。
- シャールト・コプリーの映画俳優デビュー作『第9地区』
- 名作ドラマシリーズを豪華キャストでリメイク『特攻野郎Aチーム THE MOVIE』
- ニール・ブロムカンプ監督と再タッグを組んだSF映画『エリジウム』
- 未知の宇宙の恐怖を描いたSFホラー映画の秀作『エウロパ』
- シャールト・コプリー主演で謎に満ちたサスペンスを描く『オープン・グレイヴ 感染』
- 人工知能に芽生えた「心」を描くSF映画『チャッピー』
- 史上初?全編が「一人称」視点で描かれるアクション映画『ハードコア』
- ささいなトラブルから始まる不毛な銃撃戦『フリー・ファイヤー』
- まとめ
シャールト・コプリーの映画俳優デビュー作『第9地区』
宇宙船の故障で「難民」として地球に保護されたエイリアンたちと、彼らを管理する国際機関の職員ヴィカスの交流・戦いを描いたSF映画。エイリアンものの映画としては珍しく、エイリアンが「弱者」で人間が「支配者」という作品です。
この映画の監督ニール・ブロムカンプと友人同士だったことから、それまで俳優未経験のシャールト・コプリーが主演を務めることになりました。
人種差別や格差問題などを「人間とエイリアン」の構図に当てはめて皮肉った内容や世界観が話題になり、無名監督による低予算映画ながらアカデミー賞で4部門にノミネートされました。
ほぼすべてのセリフを「アドリブ」で演じきったという、初演技とは思えない凄まじい名演が見どころです。
名作ドラマシリーズを豪華キャストでリメイク『特攻野郎Aチーム THE MOVIE』
1980年代のアメリカの人気ドラマ「特攻野郎Aチーム」を、リーアム・ニーソンなどの豪華キャストで映画化したアクション映画。破天荒な4人組の特殊部隊が、大きな陰謀を暴くミッションに挑みます。
とにかく「何でもあり」のアクションシーンが見どころで、戦車ごと輸送機から飛び降りて主砲で戦闘機を撃墜するなど、ぶっ飛んだ見せ場の連続です。Aチームの4人の濃すぎるキャラクターもあって、ハラハラしながら爆笑できます。
これが映画出演2作目となるシャールト・コプリーはイカれた凄腕パイロット「マードック」を演じていて、クセのある演技で個性派俳優の地位を確立しました。
ニール・ブロムカンプ監督と再タッグを組んだSF映画『エリジウム』
「第9地区」を手がけたニール・ブロムカンプ監督によるSF映画。荒廃した地球に住む貧困層と快適な宇宙コロニーに暮らす富裕層に分かれた近未来で、貧困層の青年マックスが生き延びるための戦いに挑みます。
シャールト・コプリーは富裕層に干渉しようとするマックスを追う傭兵を演じていて、それまでの出演作とは違った「傷だらけで髭を生やした殺し屋」というワイルドなキャラクターを見せています。
未知の宇宙の恐怖を描いたSFホラー映画の秀作『エウロパ』
生命体がいるかもしれない木星の衛星「エウロパ」を目指す、宇宙飛行士チームのサバイバルを描いたSFホラー。度重なるトラブル、未知の星での調査、そこで待っていた「恐ろしい生物」の影など、「宇宙」をテーマにしたあらゆる恐怖が描かれます。
真っ暗で酸素もない宇宙の息苦しさは凄まじく、オカルトものとはまた違った、未知の恐ろしさがあります。
シャールト・コプリーは宇宙飛行士の一人を演じていて、その鬼気迫る演技で観客の恐怖を煽ります。ポジション的には脇役ですが、誰よりも印象的な存在感を放っています。
シャールト・コプリー主演で謎に満ちたサスペンスを描く『オープン・グレイヴ 感染』
森の中にある小屋を舞台に、記憶を失って目覚めた6人の男女を描くサスペンスホラー。なぜ自分たちがそこにいるか分からず、周囲の森にはまるでゾンビのような「感染者」がいるという、不可解で絶望的な状況が描かれます。
ハラハラするサバイバルの中で、感染者たちの謎や記憶喪失の理由がだんだん明かされ、最後には衝撃的などんでん返しが待っています。ホラー映画としてだけでなく、ミステリーものとしてもしっかり楽しめます。
シャールト・コプリーはストーリーの鍵を握る主人公を演じています。
人工知能に芽生えた「心」を描くSF映画『チャッピー』
人間のようにリアルな人工知能を搭載したロボット「チャッピー」と、ひょんなことから彼に接するギャングたちの交流を描くSFヒューマンドラマ。「第9地区」から続く、シャールト・コプリーとニール・ブロムカンプ監督の3度目のタッグ作です。
SF映画として映像的に見ごたえがあるのはもちろん、チャッピーの成長を通じて「心」や「意思」の存在について考えさせられます。
人間よりも人間らしいチャッピーの言動はどこか可愛らしく、その声や動作を演じたシャールト・コプリーの演技力が活かされています。
史上初?全編が「一人称」視点で描かれるアクション映画『ハードコア』
人体実験でサイボーグ化されて目覚めた男「ヘンリー」が、テロリスト「エイカン」の一味と戦う様を描いたSFアクション映画。映画史上初の、全編が主人公の「一人称」視点で描かれた異色作です。
目まぐるしく展開されるアクションはまるでFPSゲームの画面を見ているようで、斬新でスタイリッシュな描写が、終始ハラハラさせてくれます。
シャールト・コプリーは主人公ヘンリーをサポートする男「ジミー」として登場します。何度死んでも蘇ってフラっと再登場するという、謎めいた役どころです。
ささいなトラブルから始まる不毛な銃撃戦『フリー・ファイヤー』
マフィア同士の取引現場で、下っ端同士の言い争いが組織同士を巻き込んだ銃撃戦に発展していく様を描くアクション映画。どちらも引っ込みがつかなくなって何となくズルズルと撃ち合いに入っていく展開は、あまりにもバカバカしくて笑ってしまいます。
くり出されるブラックジョーク、ダラダラと続く不毛な銃撃戦、あとに何も残らない空しい結末まで、どこかゆるい雰囲気が続くシュールで皮肉なアクションコメディです。
シャールト・コプリーが演じるのは武器商人のヴァーノンで、商売に来ただけなのにマフィア同士の抗争に巻き込まれていくという、可哀想な役回りです。
まとめ
俳優としてのキャリアはまだまだ若いシャールト・コプリーですが、既にハリウッドでは唯一無二の個性派俳優として人気を集めています。どんなキャラクターでも巧みに演じるセンスや反射神経は、ときには主演俳優を食うほどの存在感です。
そんなシャールト・コプリーの演技にも注目しながら、その出演作を見てみてください。