ホラー映画の歴史に名前を刻むご長寿シリーズ「ソウ」。
1作目はワンシチュエーションスリラーの先がけとして話題になりましたが、その後の続編はだんだんグロテスクさが増して「ゲーム」のインパクト重視のショック映画に。ホラーファンからの評価も賛否両論でしたね。
そんな「ソウ」シリーズのまさかの復活となった「ジグソウ:ソウ・レガシー」。本家シリーズ後半のグダグダっぷりを考えると、予想以上のクオリティに仕上がった良作です。
「ジグソウ:ソウ・レガシー」あらすじ
2017年 アメリカ
監督: マイケル・スピエリッグ、ピーター・スピエリッグ
キャスト:マット・パスモア、カラム・キース・レニー、ハンナ・エミリー・アンダーソン、ローラ・ヴァンダーヴォート
「ジグソウ」こと殺人鬼ジョン・クレイマーの死から10年後。なぜか再びジグソウによるものと思われるゲームが始まり、犠牲者が出る。
検視官のローガンや刑事のハロランらは事件解明のために奔走していくが、ゲームが誰によって始められたものか分からないまま、死者だけが増えていく。
一方、とある廃墟の中で、5人の男女が目を覚ます。ある共通点によって集められた彼らは、命をかけたゲームに巻き込まれていくのだった。
「ジグソウ:ソウ・レガシー」感想
それなりに驚かされる時系列トリック
さんざん迷走して肝心のジグソウもとっくに死んでる「ソウ」シリーズが復活するって聞いて、まともな続編が出てくるなんて思わないじゃないですか。
そんなマイナスの期待を裏切るように「ジグソウ:ソウ・レガシー」は良作でした。どんでん返しのストーリー展開はシリーズ初期を彷彿とさせて、グロ描写でもそれなりの健闘を見せてます。
「ソウ」シリーズを復活させる上で最大の難関になるのが「ジグソウはすでに死んでる」という点ですが、それをここまでうまくストーリーのトリックに絡めてくるのは予想外でした。
本家シリーズから時間が経ってるからこそできる時系列トリックは、期待してなかった分「おっ」と思わせる上手さです。
1作目「ソウ」のように映画界を騒がせるほどの驚きはないかもしれませんが、サスペンススリラーとして十分に良作といえる完成度じゃないでしょうか。
ラストシーンのショック描写で100点満点
グロシーンに関してもなかなかの満足度です。
ゲームのシーンではちょっとあっさり気味かな~と思いましたが、検視シーンでは断面図やら何やらモロ映しで、あまりにも遠慮なさすぎてちょっと笑っちゃいます。
ゲームのギミックも十分に凝っていて、デスピタゴラスイッチの見ごたえは本家さながらでした。
特に傑作なのがラストのレーザー首輪ですね。あの顔面お花開きのシーンは本家シリーズと合わせてもトップレベルにインパクトのある死亡シーンじゃないでしょうか。ぶっちゃけあれのインパクトだけで100点あげたいくらいです。
まとめ:意外な善戦を見せた良作
あれだけ扱いづらそうな原作からよくここまで上手な続編を作ったもんです。かなりの善戦といっていいんじゃないでしょうか。
この先また「ソウ」としてシリーズが続くのか、この作品だけ単発のスピンオフのようなかたちで終わるのかは分かりませんが、同じ製作陣でもし続編が出るならまあまあ期待できます。