何か面白い新作はないかと〇オに行ったところ、ゲ〇独占先行レンタルとして「ボア」というイノシシパニック映画のパッケージが新作コーナーにずらり。
「わたし、B級映画です!」みたいな雰囲気だけど、これだけ大きく宣伝されてるってことはちゃんとした映画なんだな…と思って借りたところ、後には深い後悔の念が残りました。
間違ってもB級パニック映画ファン以外は借りてはいけません。詳しく感想を書いていきます。
「ボア」あらすじ
2017年 オーストラリア
監督:クリス・サン
キャスト:ネイサン・ジョーンズ、ビル・モーズリー、ジョン・ジャラット、スティーヴ・ビズレー
オーストラリアのとある田舎町。この町に住むバーニーのもとに、姉・デビーが家族を連れてバカンスにやってくる。デビーたちはバーニーの案内のもと、広大な自然を楽しんで過ごす。
一方、町では家畜が何かに襲われる被害が多発していた。そんな中で、町はずれでキャンプをしていた人々に、あり得ないほど巨大なイノシシが襲いかかり、犠牲者が増えていく。
ついにはバーニーたちもイノシシに遭遇してしまい……
「ボア Boar」感想
巨大イノシシのインパクトだけは意外とよかった
「感想」といってもあんまり好評することはできないんですが、先に褒めるべきところだけ褒めておきましょう。
作品の目玉でもある「巨大イノシシ」。こいつのクオリティやインパクトだけは意外とよかったです。CGとロボットを上手く使い分けて人間への襲撃シーンが撮られていて、それなりにワクワクしながら観れました。
CGのクオリティはこんな感じ。カットによってはチープなこともありますが、まあ及第点です。
イノシシに喰われるゴア描写もけっこうな出来で、後ろから牙で顔を貫かれたり、頭をモギッとちぎられたり、無残な犠牲者がモロ映しになります。
演出が最低限のラインに達してない
褒めるポイント終わり。イノシシの映像以外は、もうあらゆるものが酷いです。
まず演出面が映画として最低限のラインに達してない。演技が下手とか吹替が下手とかカメラワークがもっさりしてるとか、駄目なところを挙げたらきりがありません。
それ以前に、「さっき顔を潰された人がふつうに生きて喋ってる」「正面の後方にいたはずのイノシシが左側から襲ってくる」「あきらかに見えてたはずの場所から画面に出てきたイノシシに登場人物が驚いてる」など、製作ミスと言っていいレベルの演出がいくつもあります。
大手レンタルショップの大作コーナーにでかでかと並べていい映画じゃありません。
無駄と無理が多すぎるストーリー
ストーリーも無駄が多すぎる。せっかくイノシシの出来がいいのに、出番があれだけじゃもったいない。
そのシーン以降もう登場しないチョイ役の会話に5分以上も尺を使ったり、本来は序盤でやるべきシーンを後半に持ってきたり、被害の広がりを表現するためのちょっとした襲撃シーンに10分以上かけたり、めちゃくちゃです。
全体的にバランスが悪い。バランスをとろうとした気配も見当たらない。ふつうに物語として面白くないです。
あと、明らかにイノシシに喰われた人が最後にふつうに帰ってきて「生きてたのね!よかった!」というとんでもないシーンがあるのが解せない。「死んだと思ったら生きてた」には説得力のある理由づけが必要で「実は生きてました!理屈は説明しません!監督が生きてたと言ったら生きてた!」じゃあこちらは納得できません。
余計なシーンを省いてストーリー構成を整えたら、75分くらいのコンパクトさでちゃんと緩急のある映画になっただろうに。無駄と無理が多すぎてもう…
まとめ:あくまでマニア向けのB級映画です
メジャー商業作品として、最低限の水準に届いてない映画でした。
こういうダメダメな映画があえて好きな層もいる(一応僕もそう)し、そういうB級映画ファン向けに新作コーナーの端にひっそり置いておくなら分かりますが、間違ってもアクアマンやキャプテンマーベルと並べて大作コーナーに何本も並べていい映画じゃありません。
お店では「MEG ザ・モンスター」よりも面白いかのような誇大広告が掲げてありましたが、これをイチオシするGE〇の神経を疑います。
これは万人向けの映画じゃありません。地雷レベルの超B級映画です。地雷を地雷と分かってて踏みにいくような変態B級映画マニアのための作品です。くれぐれもお気をつけて。
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