映画の世界では主役級の大スターだけでなく、作品の世界観に奥行きを加える「個性派」の脇役も求められてきました。
そんな映画界でじわじわと話題を集めている若手の個性派俳優の一人で、個人的に最近注目してるのが、イギリス出身のウィル・ポールターです。
絵に描いたような「いじめっ子顔」で、いかにもいじわるそうな雰囲気があるからこそ人間らしい悪役が似合う俳優です。いくつかの話題作で演技も評価されて、名脇役として知られつつあります。
今回は、そんなウィル・ポールターの魅力を紹介していきたいです。
「ナルニア国物語」でハリウッド注目の子役に
ウィル・ポールターの顔が広く知られるきっかけになったのが、「ナルニア国物語/第3章: アスラン王と魔法の島」でしょう。
この作品でウィルは主人公たち以外で初めて異世界ナルニアに行く少年スクラブを演じました。生意気ないじめっ子気質から人間として成長していく姿が印象的な役柄です。
この作品で初めてウィルを見たときは「この子役すっげえいじめっ子顔だ…」と衝撃的でした。この個性的な顔立ちも彼の大きな武器でしょう。
「メイズ・ランナー」シリーズで若手の個性派として飛躍
ウィル・ポールターの出世作とも言えるのが、「メイズ・ランナー」シリーズです。
アメリカの人気小説を原作に多くの若手キャストが集まったこのシリーズで、ウィルも若手の個性派俳優の一人として一気に知名度を高めました。
その悪役顔を活かしたクセのあるキャラクターを演じていて、主役級の面々とは違ったかたちでインパクトを残しています。
「デトロイト」で強烈な悪役として印象を残す
ウィル・ポールターの現時点の出演作でいちばん重要なのが、この「デトロイト」です。
「ハート・ロッカー」でアカデミー賞も受賞したキャスリン・ビグローの監督作で、1967年に実際にデトロイトで起こった「白人警官による黒人市民の虐殺事件」を描いてます。
ウィル・ポールターの役は、事件の主犯格になった警官。差別主義的で、小心者でいじの悪い役柄で、観客のヘイトを一手に集めるポジションです。
とにかく観ていて不快感と憎悪しか沸かないキャラクターで、事件の陰湿な残酷さに圧倒的なリアリティを持たせてます。
ウィル・ポールターの演技があったからこそ「デトロイト」は名作になった、といっても過言じゃありません。
初期の出演作「なんちゃって家族」
キャリアの代表作以外もウィル・ポールターの出演作を紹介していきます。
2013年のコメディ映画「なんちゃって家族」は、悪役の多いウィルが珍しく「頼りなくて弱々しい坊や」という役どころを演じた作品です。
コメディ映画の女王ジェニファー・アニストンも出演してる良作で、王道のアメリカンコメディを楽しめます。
異色作「ブラックミラー:バンダースナッチ」でも重要な役どころに
「視聴者の選んだ選択肢によって結末が変わる」という異色のNetflixオリジナル映画「ブラックミラー:バンダースナッチ」でもウィル・ポールターは重要な役柄を演じました。
予告編だと0:20~ごろから登場してます。単純な悪役じゃなく複雑な存在感を要求されるキャラクターで、味のあるキャラクターです。
まとめ
悪役を中心に、若手の個性派俳優の中でも一気に頭角を現してるウィル・ポールター。演じるキャラクターも単純な「悪」ではない、クセのある印象的な役柄が多い印象です。
唯一無二の「顔」と確かな演技力で、確固たる個性を見せつつもバリエーション豊かなキャラクターが演じられるのも魅力のポイント。今後どんなふうにキャリアを重ねていくのか、楽しみな俳優です。