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Tunecore Japanの収益が手数料を上回る採算ラインの目安

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誰でも自作の音源を配信できるディストリビューター「Tunecore Japan」のおかげで、音楽のデジタル販売やストリーミング配信のハードルは一気に下がりました。

ですが、実際にTunecore Japanを使って音源を配信するときに気になるのが「手数料」です。せっかく配信しても全然収益が出なくて、手数料で赤字に…なんてことになったら悲しいですよね。

なので、「どのくらい売れる&再生される見込みがあれば、Tunecore Japanで配信して利益が出るのか」を、自分の経験則をもとにざっくりと考察してみます。

 

Tunecore Japanの手数料は?

まず最初に抑えておくべきなのが、Tunecore Japanでの配信にかかる「手数料」です。

Tunecore Japanの手数料は「シングル(1曲)で1410円/アルバム(2曲以上)でまとめて4750円」となってます(2019年7月現在)。どちらも税抜価格です。

これは1年間の手数料で、最初に配信するときに支払って、1年後に更新するとまた同じ額を支払うことになります。

1曲あたりの手数料で考えると、4曲以上ならアルバムとして配信する方がお得ですね。

ちなみに、2年分、3年分をまとめて支払うとちょっと割安になります。

 

Tunecore Japanで受け取れる収益

ストリーミングなら「1再生0.4~1.1円」

次に、Tunecore Japanの配信で受け取れる収益を押さえておきましょう。

まず、SpotifyやApple Musicなどの月額制ストリーミング配信サービス。こちらは再生回数に応じて収益が入るようになっていて、その金額が1再生あたり「0.4円~1.1円」と、かなりばらつきがあります。

体感では、Spotifyが0.5円以下とちょっと安めで、Apple MusicやAmazon Musicが1円くらいでちょっと高め。例外として、YouTube Musicは誰でも聴ける分0.1円以下とかなり低いです。

ストリーミング収益で月に10万円稼ぐためにはどのくらい再生されればいいか考えた - 怠惰ウォンテッド

 

ダウンロード収益は「販売額100%」じゃない

次にiTunesなどのダウンロード販売の収益ですが、こちらは「販売額を100%そのままもらえるわけじゃない」という点に注意です。

Tunecore Japan自体は売上から手数料をとらないんですが、Apple自体の取り分が引かれます。

アーティスト側が受け取れる収益は「販売額の60~70%くらい」と思っておけばいいでしょう。ばらつきがあるのは「どこの国のiTunesで買われたか」で販売額や引かれる率の計算がかなり変わるからで、海外だと円高や円安によって日にち単位で変化します。

「1曲200円で売ったら、120円前後くらい受け取れる」と考えましょう。

 

手数料と収益額をふまえてどのくらい売れるか予想する

手数料と収益額を考えると、シングルなら「月に100以上再生される/月に1回以上は購入される」くらい、アルバムは販売額にもよりますが「各曲が月に数十回ずつ再生される/1年で手数料の2倍(10000円分)くらい購入される」くらいが黒字になるラインになります。

実際は1回ダウンロードで購入されたら数百回~1000回以上の再生分の収益になるので、ストリーミングの再生数はもっと少なくても黒字になるでしょう。うちのバンドもなんやかんやで毎月の収益は1000円~2000円台くらいで安定してます。

YouTubeでの作品の再生数が4桁いけるくらいのアーティストなら、配信開始したときの初動である程度収益が出て、その後知名度をアップさせればコンスタントに収益が増えると思います。

これは完全に僕の主観ですが、「SNSやYouTubeチャンネルのフォロワーが3桁/動画の再生数が4桁」くらいの人ならいけるんじゃないでしょうか。

 

まとめ:Tunecoreで配信するメリットと費用を比べて考えよう

Tunecore Japanを使って作品を配信するメリットは、ネット上で収益を得られるのはもちろん、「Spotifyにあったからとりあえずフォローしとこう/プレイリストに入れよう」という風に、すぐに作品を見つけてもらえるところにもあります。

ネット上に作品がまったくないと「検索しても出てこない、じゃあいいや」とその場で忘れ去られることも…

その点でも作品を配信するメリットはかなり大きいんですが、さすがにまったく売れる見込みのない無名のうちから配信すると、ただ手数料で赤字になるだけの場合も。

配信するメリットと費用を相談しながら、「とりあえず試しにシングル一曲だけ」「まずはしっかりしたアルバムを作ってから」など、臨機応変に考えていきましょう。