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【9.11】アメリカ同時多発テロ事件を描いた映画4選

ワールド・トレード・センター (字幕版)

史上最悪の同時多発テロ事件であり、イラク戦争の引き金にもなった2001年の「アメリカ同時多発テロ事件」、通称「9.11」。

早朝のニュース速報でビルが倒壊する瞬間を目撃して、衝撃を受けた方も多いのではないでしょうか。

そんなアメリカ同時多発テロ事件を記録に残し、その凄惨さを臨場感をもって後世に伝えるべく、多くの映画作品が製作されています。今回は、そんな「アメリカ同時多発テロ事件を描いた映画」をご紹介します。

 

ワールド・トレード・センター

飛行機が突入したワールドトレードセンターのまさにその現場で救助活動にあたり、瓦礫に飲み込まれながらも生還を果たした警官たちを描くノンフィクション映画。息を飲むほどの圧倒的な臨場感で事件の凄まじさを描きます。

燃え上がるワールドトレードセンターを呆然と見上げる警官たちの表情にはじまり、多くの負傷者が横たわるロビーが瓦礫に飲み込まれる瞬間、さっきまで隣にいた同僚が土煙とともに消し飛ぶ瞬間などショッキングな描写が続きます。

さらに、後半では瓦礫にはさまれて動けないまま心身ともに追いつめられる主人公たちが描かれて、観ていて息苦しくなります。

まるで自分の事件の現場にいるようなリアリティで当時の恐怖を感じさせる作品です。

 

ナインイレヴン 運命を分けた日

9.11の犠牲者のうち数百人はワールドトレードセンターのエレベーターに閉じ込められたまま亡くなったそうですが、この「ナインイレヴン 運命を分けた日」はそんなテロ事件の最中のエレベーター内を描いた作品です。

海外ドラマ界で人気の俳優チャーリー・シーンや「天使にラブ・ソングを…」で知られるウーピー・ゴールドバーグが出演していて、エレベーターに閉じ込められた人々やビルのオペレーターのやり取り、脱出のための奮闘が描かれます。

情報も少なく異様な空気の中でせまいエレベーターから出られない焦燥感がヒリヒリと伝わってきて、ワンシチュエーションの静かな作品ながらテロ事件の空気をリアルに見せる隠れた名作です。

 

ユナイテッド93

合計4機の旅客機がハイジャックされたアメリカ同時多発テロ事件の中で、乗客の抵抗によってターゲットへの突入が唯一未然に防がれたユナイテッド航空93便を描くサスペンスヒューマンドラマ。

乗客たちが決死の覚悟でハイジャック犯に抵抗し、目標のホワイトハウス到達前に墜落して乗客乗員が全員死亡したという壮絶な事件を、残された通信記録などをもとに創作を交えて映画化した作品です。

前半1時間をかけてじっくりと他の機のテロ事件が広がっていく空気を描き、実際に93便のハイジャックが始まってからは想像を絶する地獄のような緊張感が続きます。

死を覚悟して家族にメッセージを残す乗客たちの行動など、犠牲者や遺族の心境を思うと涙なしでは見られないシーンも多く、感情を揺さぶられる傑作です。

管制官などを実際に現場で対応にあたった本人が演じたりと、徹底的にリアルさを追求した作りも見どころ。

 

華氏911

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社会派ドキュメンタリー映画でおなじみマイケル・ムーア監督による作品。9.11やそこからはじまるイラク戦争などでの、アメリカ政府(ブッシュ政権)の対応に切り込む風刺映画です。

9.11のひとつの事件としての悲惨さだけでなく、世界に与えた影響の大きさを知る、という意味でも興味深い作品と言えます。

個人的にはセンセーショナルに掻き立てるこの人の作風はいまいち信じられない部分もあるので、まるごと鵜呑みにして一方的にどっちが悪いとかの判断をするのは微妙だと思いますが。ひとつの視点として面白い話です。

 

まとめ

悲惨極まりない史上最悪のテロ事件であり、現代史を(悪い方へ)大きく動かすことになった重大な出来事でもあるアメリカ同時多発テロ事件。

9.11をテーマにしたそれぞれの映画作品は、事件の内容を空気感までリアルに伝えてくれます。もちろん、ひとつの映画作品としてもしっかり見ごたえがあります。

あまり楽しい気分になれるものではありませんが、一度は観る価値のある作品です。