アーロン・エッカートといえば、長年ハリウッドで主演から脇役までこなして活躍してきた実力派俳優の一人です。
真面目な役からふざけた役、笑顔の裏に本心を隠した不穏な役までバリエーション豊かな演技を見せて、出演作に刺激を与えてきました。
面長の顔立ちとダンディな笑顔が印象的で、チャームポイントの立派な「顎」も特徴のひとつ(なぜかGoogleで「アーロン・エッカート 顎」で検索してる人がやたら多いみたいです)。
そんなアーロン・エッカートのおすすめ出演作・代表作をまとめてみました。
最大の代表作「ダークナイト」
言わずと知れたアメコミ映画の名作。ヒーローとして社会のために在ろうとする一人の男の苦悩をシリアスに描いたヒューマンドラマとして、また「ジョーカー」という圧倒的な「悪」を描くサスペンスとして世界から絶賛されました。
アーロン・エッカートの役は、バットマンと対極の「表の世界」で悪に立ち向かう検事であり、その強い正義感が歪んだ末に生まれた悲しい存在である「ハービー・デント/トゥーフェイス」。メインのヴィランではありませんが、作中で重要な役割を果たしています。
前半の好印象な振る舞いと、後半の暴走が強く記憶に残る名演として映画ファンの間で大きな話題になりました。それまでは「映画ファンならわりと知ってる」くらいの知名度だったアーロン・エッカートが一気にトップクラスの有名俳優になったきっかけの一作と言えます。
初期の出世作のひとつ「ザ・コア」
アーロン・エッカートの出世作のひとつとなったハリウッド大作。異常災害が頻発しはじめた世界を救うために、ハイテク装備のマシンに乗って死にかけた地球の核(コア)を目指すというSFディザスターパニック映画です。
地上で大災害が発生する様や未知の地底世界を大迫力のVFXで描く映像面は見どころがたっぷりですが、ストーリーは科学的にかなりアレなようで、監修として参加したNASAのアドバイザーが脚本を見て絶句したというエピソードも。
アーロン・エッカートは主人公の科学者の役で、「勇敢で善人で情に厚く行動的」というハリウッド映画ヒーローのお手本のようなジェントルマンを演じてます。
戦うアーロン・エッカート「世界侵略:ロサンゼルス決戦」
「エイリアンに世界が侵略されるなかでロサンゼルスを決戦の地に戦う」という、タイトルだけでストーリーが全部わかるSFアクション映画。
内容的にはほとんど「戦争映画」といってもいいくらいミリタリー色の強い作品で、アメリカ海兵隊の小隊とエイリアンの舞台によるド派手な市街戦が展開されます。
アーロン・エッカートが演じたのはベテラン軍曹として隊を実質的に指揮する主人公の役で、愛国心と勇気に満ち溢れた「ベスト・オブ・兵士」みたいなキャラクターです。
最初から最後まで全部クライマックス、みたいな壮絶な戦闘シーンにハラハラさせられて、主人公たちの英雄的な大活躍に「軍曹万歳!海兵隊万歳!U.S.A.!!」と興奮させられます。これぞアメリカンアクション映画です。
大統領役を熱演「エンド・オブ・ホワイトハウス」
ホワイトハウスが北朝鮮テロリストの襲撃を受けて大統領が人質に取られる中で、元シークレットサービスの主人公が孤軍奮闘するという「ホワイトハウス版ダイ・ハード」みたいな映画。
全体的にシリアスでハードな作風ですが、「白昼のワシントンど真ん中を正体不明の軍用機が襲撃」とか「韓国大統領の警護チームがテロリストだった」とかツッコミどころも満載です。
当時40代半ばに入ってますます渋さの増したアーロン・エッカートはついにアメリカ大統領を熱演。「テロリストには屈しない!」という愛国心あふれるキャラを見せてます。こういう役多いなこの人。
「エンド・オブ・ホワイトハウス」感想 真面目なふりしてツッコミどころ満載 - 怠惰ウォンテッド
ダークファンタジーの隠れた名作「アイ・フランケンシュタイン」
有名な「フランケンシュタインの怪物」が実は現代まで生き延びていて、天使と悪魔の戦いの中に身を投じていた、という世界観を描くダークファンタジー映画。アーロン・エッカートは怪物役として堂々の主演です。
興行的にはあんまり振るわなかった作品だそうですが、派手なアクション描写や意外とスケールの大きなストーリー、天使達のスタイリッシュな映像表現などダークファンタジーとしてはなかなか見ごたえがあります。
この作品がうまくヒットしたら「アンダーワールド」シリーズとのクロスオーバーも予定されてたそうで、それが観れないのは残念です。
高評価を集めた社会派コメディ「サンキュー・スモーキング」
タバ〇業界のスポークスマンとして「世間のタ〇コ嫌いムードをいかに抑えるか」のために言葉巧みに奮闘する男の苦難を描く風刺コメディ。
ブラックユーモアに満ち溢れた一癖ある良作として批評的にも高評価を集めて、強烈な主人公を演じ上げたアーロン・エッカートはゴールデングローブ賞の主演男優賞にもノミネートされました。
主題に反して〇バコを吸うシーンが一切出てこないという点も皮肉が効いてます。
実話をもとに実在の人物を熱演「ハドソン川の奇跡」
エンジントラブルを受けた機長のとっさの判断でハドソン川に着水し、乗客乗員全員が生還した「USエアウェイズ1549便不時着水事故」を描くノンフィクション映画。監督がクリント・イーストウッド、主演がトム・ハンクスという実力派揃いの作品です。
不時着シーンの緊張感あふれる描写はもちろん、その後の「事故に際して機長に責任はなかったのか」「空港まで飛んで安全に不時着できなかったのか」という厳しい事故調査を受けるドラマパートこそが真の見せ場です。
いたたまれないシリアスな描写が続くなかで、ユーモアも交えて機長を支える副操縦士役をアーロン・エッカートが熱演。ストーリーの中の貴重な癒しキャラになってます。
まとめ
すっかりハリウッドでも人気俳優の一人になったアーロン・エッカート。50代に突入してますます存在感も増して、今後どんなふうに活躍していくのか楽しみです。おじいちゃん役とかの彼も見てみたいですね。
2020年にはヘザー・グラハムと共演する主演作も進んでいるみたいで、期待大です。