異色のマーベル映画「ヴェノム」、予告編ではかなりおどろおどろしい感じでしたが、いざ蓋を開けてみると「ヴェノムいいやつじゃん」「ヴェノムかわいい」という感想が続出でしたね。
そんなヴェノムの魅力はもちろんなんですが、個人的に本作でもう一人「こいつめっちゃいい人じゃん!」と驚いたのが、アン(ヒロイン)の彼氏のダンです。
普通に考えて「主人公と別れたヒロインの今の彼氏」って絶対に喧嘩になるポジションか、シリアスに敵対することだってあるポジションじゃないですか。それなのにダンはもはや聖人と言っていいレベルのいい人で、あまりにも印象的でした。
なので、そんなダンを讃える記事を書きました。
「彼女の厄介な元カレ」にも優しくMRI検査
主人公の恋のライバルポジションになる人って大抵は性格悪いことが多いのに、ダンはめちゃめちゃ人間ができてる人です。むしろ周りから見たら(ヴェノムに寄生されたせいとはいえ)奇行に走る主人公エディの方がよっぽど厄介者でしょう。
なにせ「レストランでデート中に彼女の彼女の元カレ(エディ)が乱入してきて、周囲の客に殴りかかって暴れた上に水槽にダイブして生きたロブスターを丸かじり」しても怒らないほどの落ち着きっぷりです。
むしろ医者という職業の使命感に駆られて「エディ、君はかなり具合が悪いみたいだ」と声をかけ、周囲には「警察は呼ばないで、私は医者で彼は患者なんです」と言って庇ってくれる始末。
しかもその後は本当に自分の病院に連れていってMRI検査を受けさせてあげるんだから、医者の鏡みたいな人です。
あくまでエディを「彼女の元恋人で今は友人で、たいへんな困難を抱えてるかわいそうな患者」として対応してくれる姿がスマートすぎます。
いい人すぎて最後まで「ヒロインの彼氏」であり続ける
あまりにもいい人すぎて、「主人公の恋敵」という立場なのに好感度がまったく下がる気配を見せないダンさん。その結果ついに「最後までヒロインの彼氏であり続ける」という衝撃的な結末を迎えました。
そのためエディは主人公なのに、明らかにヒロインのアンにまだ惚れてるのに、一方的な片想い状態でエンディングを迎えて「主人公がぼっちのまま終幕」というかなりドンマイな結果に。
徹底的に「いい人」であるという理由で主人公に恋で勝っちゃうライバルが未だかつていたでしょうか。まるでのび太と出木杉くんみたいですね。
演じたリード・スコットは話題の海外ドラマ「VEEP」にもメイン出演
作中一番の聖人君子なダンさんを演じたリード・スコットは、ハリウッドで中堅俳優としてぼちぼち注目を集めはじめている人です。
最近だとAmazonプライムビデオで配信中の、アメリカ副大統領をテーマにした政治コメディドラマ「VEEP」でメインキャストとして出演してるみたいですね。
主人公の女性副大統領を支える次席補佐官というポジションながら、かなりくせ者で性格最悪なキャラクターなので、「ヴェノム」のダンさんとは真逆の振る舞いをするリード・スコットが見れます。
まとめ
こういうふうに、「脇役キャラクターが意外な印象深さを見せてくれる」みたいな作品は好きです。ちょっとした性格づけや振る舞いのなかにちゃんとバックグラウンドが感じられて萌えますね。
大ヒットをうけて既に続編も決まってるという「ヴェノム」ですが、個人的にはメインキャラクターはもちろん、ダンさんの次作での扱いがめちゃめちゃ気になります。
エディとアンをくっつけるためには今の立場を離れなければならないダンさんですが、どうかいい人のまま穏便にアンとお別れする流れであってほしいです。「色々あって悪に染まる」とか「事件に巻き込まれて死亡」とか悲しい散り様はかんべんしてくれ。