90年代くらいの映画って、今見るとやっぱり「ちょっと古いな」と思う部分もありますよね。
ですが、映像的な表現が制限される分「脚本と演出で勝負!」みたいな側面が強かったのか、テンポの作り方が上手くてぐいぐい惹きこまれる名作が多いように思えます。
この「アウトブレイク」もそんな名作のひとつ。田舎町に広がるウイルスパニックの恐怖を、熱い人間ドラマを交えて描いた古き良きハリウッドの娯楽大作です。
詳しくレビューしていきます。
「アウトブレイク」あらすじ・キャスト・スタッフ
1995年 アメリカ
監督: ウォルフガング・ペーターゼン
キャスト:ダスティン・ホフマン、レネ・ルッソ、モーガン・フリーマン、ドナルド・サザーランド、ケヴィン・スペイシー
アフリカのとある小さな村で、高い感染力と致死率をほこる新種のウイルス「モターバ・ウイルス」が発生。アメリカ陸軍に所属する医学防衛の専門家・ダニエルズ大佐は、現地でウイルスの猛威を目の当たりにして警戒を進言するも、軍上層部やCDCから却下を受けて不信感を覚える。
同じ頃、この村の近くからアメリカへとペット用に密輸入されたサルをきっかけに、カリフォルニア州の田舎町で「モターバ・ウイルス」が広まっていく。ダニエルズは上層部の命令を無視してこの町へ飛び、治療と研究を始めるが、事態の裏にはウイルスを巡る陰謀が隠されていて……
「アウトブレイク」感想
映像的にはわりと地味なはずなのに
「ウイルスの感染パニックとその対応」がストーリーのメインということで、アクション映画と呼ぶにはやや地味な印象もあるこの「アウトブレイク」。
ですが、観客をストーリーへ惹きこむ力はすさまじく、ド派手な映像で魅せる近年のパニック映画に全く劣らない面白さがあります。
人間の愚かな行為によってウイルスが広まっていく様は「ああ~ダメダメ…あぁだから言ったのに…」と言いたくなる展開の連続で、アメリカの平和な田舎町が、血まみれの感染者だらけの地獄絵図に変わっていく様は妙に現実味があってリアルに恐いです。
さらに、主人公ダニエルズ大佐がウイルスに隠された秘密を追うサスペンス的な要素もまた面白くて、「対ウイルス研究」という地味になりがちなストーリーに動きを加えてくれます。
「そんなに都合よくいくか!」というツッコミどころのある展開も逆に清々しくて、エンタメ性重視のハリウッド大作らしいです。盛りあがりどころ満載で、「これぞ娯楽映画だ!」という感じ。
何気にすんごい名優ぞろい
何気にすんごい豪華キャストが揃ってるのも「アウトブレイク」の見どころ。
まず、主演のダスティン・ホフマンは「クレイマー、クレイマー」や「レインマン」で知られる説明不要の名俳優ですね。ふだんは真面目な映画に出てる演技派、という印象ですが、こういうエンタメ作品のヒーロー役もなかなか映えます。
ヒロイン役のレネ・ルッソも、「リーサル・ウェポン3」など90年代ハリウッドを中心に活躍した実力派女優です。最近では「マイティ・ソー」シリーズでソーのお母さん役を演じたことでも有名。
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他にも、言わずと知れた大御所モーガン・フリーマン、「24」シリーズのキーファー・サザーランドのパパであるドナルド・サザーランド、長年ハリウッドで活躍した名脇役ケヴィン・スペイシーなど、渋めの名優揃いです。
シンプルなストーリーにしっかり各キャラの人間味が出ているのは、こうしたベテランキャストが「いい仕事」をしてるからこそでしょう。
まとめ
公開から20年以上も経ってる映画ですが、今観ても本当に面白いですね。要所要所でしっかりインパクトを与えてくる演出と怒涛のストーリー展開で、こちらが退屈する隙を与えません。
「90年代のパニック映画とか地味そう…」というイメージを捨てて一度観てみれば、その抜群の面白さが分かるはずです。