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「クレイジーズ(2010)」感想 怒涛のパニック描写で魅せる感染ホラーの良作(ちょっとネタバレ)

クレイジーズ (字幕版)

1970年代の名作パニック映画「ザ・クレイジーズ/細菌兵器の恐怖」。監督はなんとあの「ゾンビ」で知られる巨匠ジョージ・A・ロメロです。

それを現代風にリメイクしたのが、この2010年公開の「クレイジーズ」。日常が壊れていくパニック描写×感染者たちとの怒涛のアクションで魅せる、この作品をレビューしていきます。

 

「クレイジーズ」あらすじ

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2010年 アメリカ

監督:ブレック・アイズナー

キャスト:ティモシー・オリファント、ラダ・ミッチェル、ジョー・アンダーソン

 

アイオワ州のおだやかな田舎町に勤める保安官のデヴィッドは、住民の男がショットガンを持ち出して屋外に現れ、自分に銃口を向けてきたためやむを得ず射殺するという事態に見舞われる。

さらに、次々と町で異常事態が発生し、デヴィッドは対応に追われていくが、原因を探るうちに、住民たちを狂わせる「何か」が町の飲み水に含まれていると考える。

謎の感染パニックは町全体に広がり、さらに軍が介入してきて……

 

「クレイジーズ」感想

「日常の崩壊」からの「地獄のサバイバル」

「ウイルスによって日常が崩壊していく前半」と「感染が広まった町での地獄のサバイバル」という2つのポイントをおもしろく描くことに徹した作品です。エンタメホラーパニック映画として潔い作りがいいですね。

 

ドラマ性は最低限に排しつつも「主人公の保安官とその妻」に焦点を当てて各キャラを際立たせて、登場人物に感情移入させてもくれます。個人的には、保安官助手のラッセルの「皮肉をこぼしながらも結局はいい奴」なキャラが好きでした。

デヴィッド役の主演ティモシー・オリファントは「ダイ・ハード4.0」で敵ボスだった俳優さんですね。今回のリーダー感のある保安官役も板についてます。

その妻ジュディを演じたラダ・ミッチェルもハリウッドで話題作に常連の実力派なイメージ。この人はこういう「現実的な生活感のある奥さん」がすごく似合いますね。

 

前半の「日常崩壊」シーンはパニック映画ファンならたまらない展開でしょう。その描写も「銃を振り回す男」「自宅を放火する男」「森で発見される謎の死体」などバリエーション豊かで、映像的にもハラハラ感をかきたててくれます。

一転して後半ではゾンビ映画的なホラーアクション展開に突入して、こちらはこちらでめちゃめちゃ面白い。感染者たちが「理性を残しつつ狂暴化」というスタイルなので、一人ひとり個性をもって攻撃してくれるのがまたワクワクさせられます。

「解剖器具で襲ってくる検死官」「人間狩りを楽しむ狩猟マニア」など、みんなゲームの敵キャラかな?というくらい存在感があるのがナイスでした。

 

「全方位に敵」という絶望的シチュエーション

この手のパニック映画で政府や軍が「感染封じ込め」に走るのはよくある展開ですが、この「クレイジーズ」の政府や軍はその中でも相当に容赦のないタイプでしょう。

デヴィッドたち住民側からすればもはや完全に「敵」と言っていいレベルで、兵士の集団や、しまいには戦闘ヘリまでもが敵対してくるシチュエーションはすさまじい絶望感。「これ次どうすんだよ…」な展開の連続で、デヴィッドたちの踏んだり蹴ったりっぷりがかわいそうです。

ここまで冷酷に軍隊が敵に回るのは「28週後…」なんかを彷彿とさせました。

 

まとめ:ウイルスパニック×アクションを存分に楽しめます

「ドーン・オブ・ザ・デッド」のようなゾンビ映画テイストもあり、「アウトブレイク」や「コンテイジョン」のような感染パニック映画のテイストもありで、過激なアクション描写も盛りだくさん。

この「ウイルスパニック×アクション」を描くことを徹底的に貫く作りは、こういう映画が好きな人にはたまらないですね。

「面白いホラーパニックアクション映画」以上でも以下でもない作品ですが、僕らみたいな映画ファンにはこういうベタで良質な娯楽作が常に必要なのでありがたい限りです。

クレイジーズ (字幕版)

クレイジーズ (字幕版)