「ティム・バートン×ジョニー・デップ」といえば、映画界で最も有名なタッグのひとつでしょう。
そんな彼らのタッグ映画のひとつ「ダーク・シャドウ」は、濃すぎず軽すぎず、ホラーテイストとコメディテイストがバランスよく混ざり合っていて、気軽に観られるポップな作品です。
世界観、ストーリー、キャストなど詳しくレビューしていきます。
「ダーク・シャドウ」あらすじ
2012年 アメリカ
監督:ティム・バートン
キャスト:ジョニー・デップ、エヴァ・グリーン、ベラ・ヒースコート、ミシェル・ファイファー、クロエ・グレース・モレッツ、ヘレナ・ボナム=カーター
18世紀アメリカ。コリンズポートという港町の豪商コリンズ家の長男バーナバスは、使用人アンジェリークに遊びで手を出したことから恨みを買い、黒魔術でヴァンパイアにされて封印されてしまう。
それからおよそ200年後。幸運にも復活を果たしたバーナバスは、自身の子孫たちがすっかり没落している現状を目の当たりにする。
問題だらけの子孫たちを守り、コリンズ家を再興させるべく奮闘していくバーナバスだったが、その前に魔女として生き延びていたアンジェリークが現れて……
「ダーク・シャドウ」感想
ほどよい「ティム・バートンっぽさ」
「恐怖と笑いは紙一重」の真理をうまく突いて、ホラーとコメディを混ぜ合わせた独特の世界観を作り上げてきたティム・バートン。
その作品は独創的な映像美とシュールなストーリーで魅力的ですが、独特ゆえにクセもかなり強いので、苦手な人にとってはときどききついんですよね。
その点で、この「ダーク・シャドウ」は色々とちょうどいいです。暗すぎないオカルトファンタジー描写、分かりやすく笑えるコメディ描写、どちらもほどよい濃さに仕上がってます。
シンプルながらウルっとくる家族ドラマ(一族ドラマ?)もあったりして、ストーリーの面もポップで見やすいです。
そして、本作の世界観の軸となるジョニー・デップのキャラの決まり具合もナイス。この人はほんとに「自分が道化だと思ってない道化役」が上手ですね。本人は至って真面目なのに、2世紀分のジェネレーションギャップでテレビにも車にもマクドナルドにも驚きっぱなしな様子がかなり笑えます。
バーナバスがけっこう容赦なく人間の血を吸い尽くしたり、敵対する奴に容赦なかったりする場面もあるんですが、映画全体のポップさとバーナバスのシュールなキャラでほどよく緩和されてるからその点も安心して観られました。
女性陣が個性豊かでみんな魅力的
「ダーク・シャドウ」の大きな見どころが、「女性陣がみんな魅力的」という点でしょう。
まず、本作でヒロインとなるベラ・ヒースコート。1人2役で物語のキーとなる役柄を演じてますが、薄幸そうで儚い雰囲気なのに、ここぞという場面では意志が強いのがいいですね。本作一キュートなのは間違いありません。
そして、バーナバスの宿敵アンジェリークを演じたエヴァ・グリーンは「悪女」感がすごくよかった。危険な笑顔が魅力的ですね。この後「ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち」や「ダンボ」にも出演してるし、彼女のどこか非現実的な魅力はティム・バートンの世界観と相性がいいみたい。
あと、クロエ・グレース・モレッツちゃんが超キュートでした。この頃は子供っぽさもなくなって、ちょいグレた思春期な感じが微笑ましいです。この頃の彼女が一番好きかも。
他にも、1980年代からハリウッドで活躍するミシェル・ファイファー、当時ティム・バートンのリアルの恋人でもあった常連キャストのヘレナ・ボナム=カーターなど、実力派ぞろいです。
おかげでジョニー・デップ以外の男性キャストの影が大変薄くなっていますが、そんなこと全く気にならないくらい個性豊かな女性キャストたちが魅力的でした。
まとめ:美しい女性キャストのための映画
ティム・バートン作品は「ダークファンタジーな世界観を味わうぞお~!」と気合を入れて観るべき作品も多いですが、この「ダーク・シャドウ」は気軽にサクッと観られる良作です。
その分「ティム・バートン節が薄い」とも言えますし、突っ込みどころを挙げようとすればたくさんありますが、手軽になんとなく観るファンタジックホラーコメディとしてはちょうどいいのではないでしょうか。
何より、女性陣が魅力的。みんな個性的でかわいい。それに尽きます。