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「ハッピー・デス・デイ」感想 ひとつだけ不満を言わせてくれ(ネタバレ全開)

ハッピー・デス・デイ (吹替版)

ソリッドホラー×タイムループ×ビッチ女子という全く新しい組み合わせで新境地を切り開き、2019年のホラー映画界を代表するヒット作のひとつとなった「ハッピー・デス・デイ」。

ライト層でも楽しめつつ適度な刺激のあるホラー描写と、むしろこっちのほうで年齢制限を受けそうなお下劣ギャグ描写が合わさって、エンタメムービーとして完全無欠の面白さを見せてくれました。

ですが、個人的にたったひとつだけ、しかし重大なポイントで、不満がありました。レビューと併せて詳しく書いていきます。

※ラストの展開と結末に触れるネタバレをします

 

「ハッピー・デス・デイ」あらすじ

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2017年 アメリカ

監督: クリストファー・B・ランドン

キャスト:ジェシカ・ローテ、イズラエル・ブルザード、レイチェル・マシューズ、ルビー・モディーン

 

9月18日。この日が誕生日の女子大生ツリーは、酔った勢いで泊まった男子寮の一室で起きるという不愉快な目覚めを迎える。

周囲に不機嫌に当たり散らし、教授と不倫を重ねるなどやりたい放題のツリー。ところが、夜になって大学生たちのパーティーに参加しようと夜道を歩いていたとき、ベビーマスクを付けた謎の人物に刺されてしまうのだった。

次にツリーが意識を取り戻すと、9月18日の朝に時間が戻っていた。ここからツリーは「マスク姿の殺人鬼に刺されては目覚める」というループをくり返すことになり……

 

「ハッピー・デス・デイ」感想

「びっくりホラー」と「おバカコメディ」の絶妙なミックス

先にひとつだけ不満点があると書きましたが、この映画がめちゃめちゃ面白い超良作であることは間違いないです。

全体的にはコメディ色の強い作品ですが、「殺人鬼ホラー」としての見どころもしっかり出してきてるのがポイント。ベビーマスクが包丁を振りかざして迫ってくるシーンはけっこう本格的に怖いし、いわゆる「でかい音とタイミングで驚かせる」という王道のアメリカンホラー演出の使い方が絶妙でいい刺激になります。

さすがは「ゲット・アウト」や「スプリット」、「死霊高校」、「ザ・ギフト」など良作ホラーを連発し続けるブラムハウスが製作しただけありますね。

 

そして、もちろんコメディとしての切れ味も抜群。

主演ジェシカ・ローテの顔芸と評してもいい表情の変化がコミカルで、本人的には命懸けの戦い描写や心理描写もシュールで笑えます。「ホラーとコメディは紙一重」と言いますが、その境界線を反復横跳びのように行ったり来たりしていて怖いし面白いです

どうせまた死んで生き返るからと開き直って、ライフ一つ無駄にして全裸で学校内を巡り歩くヤケクソ回は爆笑必至でしょう。

 

主人公ツリーが魅力的すぎる

ホラーやパニック、アクションなど、人間描写以外の見どころが大きい作品ほど、実は「魅力的なキャラクター」が重要な要素だと思います。

活き活きとした素敵な登場人物が人間らしく動いて喋ってくれるからこそ、アクションも恐怖もスリルも輝きます。

その点でも、この「ハッピー・デス・デイ」は完璧でしょう。何よりも主人公ツリーが魅力的。これに尽きます。

最初の時点での彼女は、冗談みたいに憎たらしいスーパービッ〇です。性格が悪すぎてその存在自体がギャグのような女子大生で、パーティーで知り合ったばかりの男子から既婚者の教授、同級生の彼氏まで好き勝手に食い散らかしてはヘイトを買っています。

刺されたときに「こいつが犯人かな?」と思い当たる節がすぐに4~5人ほど浮上するヒロインなんてこの世のどこにいるでしょうか。間違いなく彼女だけでしょう。

 

それだけに、ループを経て犯人の手がかりだけでなく「自分が本当に大切なもの」を見つけていくツリーの成長ぶりが鮮やかです。

ポジティブに突き抜けた笑顔で周囲に笑いかけ、これまでの過ちや悔いを清算していく終盤のループの清々しさといったらもうね。まさかホラーコメディ映画で本気でウルっとくるとは思いませんでした。

 

たったひとつの不満点

そんなふうに終盤の感動と高揚感がすごかっただけに、「ツリーが過ちを正して人生を切り開く完璧なループ」を不意の死でなかったことにしてしまったのが悲しすぎました。

ホラー映画的に「実は真犯人は別にいた!」としたかったのは分かりますが、ぶっちゃけ誰もが感づいてたであろう真犯人を暴くために、ツリーの明るくたくましい行動の数々を消し飛ばすなんてあんまりじゃないでしょうか。

疎遠になってたお父さんとの感動の和解、実はゲイであることを隠していた同級生の背中を押す励まし、教授に告げた別れ、そして優しく親切なカーターとの恋。

どう考えてもあのループこそが最も完璧で救いのあるストーリーだったのに、なぜそれを潰してまで微妙などんでん返しを盛りこんじゃったんでしょうか。

ルームメイトが真犯人だった、というくだりを入れたかったのは理解できますが、どうにかそのエピソードまで前のループに入れてくれたらよかったのに、と思ってしまいました(火を吹き消そうとロウソクを見たときに感づく…とか)。

 

まとめ:2019年ホラー界を代表する一作なのは間違いない

最後の最後でモヤッとした部分の残るストーリーでしたが、それでもそこからちゃんとハッピーエンドと言える結末まで持っていってはくれたし、何より途中のホラー&コメディ演出が面白すぎるほど面白かったので、超良作であることは確かです。

すでに続編「ハッピー・デス・デイ 2U」も公開されてるし、そちらとセットで考えて、こっちはあくまで「前編」として観る方がいいのかもしれませんね。

2019年公開のホラー映画を代表する作品のひとつとして、個性もインパクトも十分でした。

ハッピー・デス・デイ (字幕版)
 

 

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