あまりにもバカバカしいタイトルと「動物ゾンビ大暴れ」というアホアホな内容で、B級パニック映画ファンに衝撃をもたらした超迷作「ZOOMBIE ズーンビ」。
そのまさかの続編としてリリースされたこの「ZOOMBIE ズーンビ ネクスト・レベル」ですが、前作から何も変わってなさすぎて安心感すら覚える相変わらずのおバカパニック映画でした。
しょーーもないB級パニックであることは間違いないんですが、変にハイテンションな描写の数々でどこか憎めない珍作です。詳しくレビューします。
「ZOOMBIE ズーンビ ネクスト・レベル」あらすじ
2019年 アメリカ
監督:グレン・ミラー
キャスト:エリカ・スターデファント、ジョナサン・バックリー、ジャリッド・マッセ、テラ・ストロング、ジャマーカス・メイソン
動物園に送られる前の動物たちが暮らす保護施設。そこへ、動物の誘拐を目的とした密猟グループが侵入する。
特製の麻酔薬を使って動物を捕獲しようつする彼らだったが、その麻酔薬の予想外の作用によって、動物たちはゾンビのように狂暴化して暴れ出すのだった。
密猟グループと保護施設の獣医、そして保護施設を管理するレンジャー隊員たちは、やむを得ず協力して事態を乗り切ろうとするが……
「ZOOMBIE ズーンビ ネクスト・レベル」感想
テンポと勢いのよさだけは超一級
まず大前提として、本作がクソB級映画であることは間違いないです。おそらくゲ〇やツ〇ヤではそれなりに前面に押し出されて展開されるんでしょうが、B級映画マニア以外の方が観たら本気で怒りたくなる低クオリティの作品です。
が、その前提を踏まえて「クソ映画をゲラゲラ笑いながら観る」ためにこれを借りる、という方なら、まず問題なく楽しめるでしょう。
まずこの映画、テンポと勢いのよさが異常です。開始3分でゾンビミーアキャットに襲われて1人目の死者が出ます。
なにせ尺が84分しかない映画なので、その後もとにかくスピーディー。ただでさえそんなに多くない登場人物を湯水のように消費しながらゾンビアニマルパニックが広がっていきます。
ゾンビ動物たちのバリエーションも豊富で、襲撃パターンの豊富さなら前「ZOOMBIE ズーンビ」を上回るでしょう。ゾンビヤマアラシ、ゾンビツチブタ、ゾンビカバ、ゾンビゾウ、ゾンビサイ、ゾンビワニ……まさに死の動物園です(どれもCGは超しょぼいけど)。
「そんなわけあるかい」と言いたくなるツッコミどころも満載で、マジで1分に1回では足りないくらいボケのラッシュを見せてくれます。
低予算を隠そうと変にモンスターを出し惜しみしてかっこつけようとする映画も多い中で、こんなチープでCG丸出しの動物たちを恥ずかしげもなく大暴れさせてくれる本作は、クソB級映画の鏡と呼ぶべき潔さでしょう。
いいB級映画はいいキャラクターから
個人的に、こういうB級映画でテンポや勢いのよさと同じくらい重要なのが「登場人物のキャラクター」だと思ってます。
映像のクオリティが低くても、ストーリーに勢いがあって登場人物が面白ければパニック映画としてはちゃんと楽しめます。
その点でも「ZOOMBIE ズーンビ ネクスト・レベル」は良作です。個性を出そうとして奇行一歩手前のセリフや行動をくり出すアホキャラのオンパレードです。
微妙に太ってる主人公のレンジャー隊員とか、微妙に美人な獣医とか、主人公よりよっぽど男前な密猟者リーダーとか、この手の映画でおなじみの面白おデブキャラもいます。
登場人物みんなどこか抜けてて、でも人間味があるから死亡時にはちゃんと「あーあ…」と悲しませてくれます。観ていて飽きません。
まとめ:「しょーもない」を楽しめるB級映画ファンならおすすめ
間違っても「クオリティの高い映画」とは言えませんが、元気いっぱいのゾンビアニマルと頭ぱっぱらぱーな登場人物たちの織りなす異様にテンションの高いサバイバルバトルによって、退屈だけはさせない「良いB級映画」でした。
100人中100人が「しょーもない」と評する作品でしょうが、このB級映画としての「しょーもない」魅力を楽しめる人なら満足できるでしょう。
おバカな映画にツッコミを入れて笑いながら楽しみたい人におすすめです。
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