「音を出したら死ぬ」で話題になったホラーパニック映画「クワイエット・プレイス」。息の詰まる緊張感で大ヒットしたこの作品ですが、やっぱり印象的だったのは「音に反応して襲ってくる怪物」でしょう。
そして、この「クワイエット・プレイス」と近い時期にNetflixでも、同じく「音に反応して怪物が襲ってくる」という映画「ザ・サイレンス 闇のハンター」が公開されてちょっと話題になりました。
そこで、この2作品の怪物にスポットを当てて、それぞれの特徴や強さを考察していきます。
それぞれの怪物の特徴
クワイエット・プレイス
まずは、それぞれの怪物の特徴・特性を見ていきましょう。
「クワイエット・プレイス」の怪物は、長い四肢、かぎ爪と鎌を併せたような手先、そして目がなく耳が異様に発達した頭が特徴です。
頭がうろこのようにゴパアッと開くビジュアルが印象的ですね(僕は勝手にまつぼっくり頭と呼んでます)。
体長は2m以上はあるでしょうか。猛スピードで地上を走って迫ってくる様はかなりの存在感です。いきなり目の前にこんなのが出てきたら失神間違いなしですね。
劇中では宇宙から飛来したことが明かされていて、詳しい数は不明ですが、そんなに一か所にウジャウジャ沸くほどではないみたいです。
ザ・サイレンス 闇のハンター
続いて「ザ・サイレンス 闇のハンター」の怪物です。劇中では「ヴェスプ」という通称がついていました。
ビジュアルや生態は「クワイエット・プレイス」の怪物とは全く違っていて、空を飛ぶスタイルで体長数十cm程度と、大きめのコウモリくらいです。「目がない」という点はまつぼっくり頭と同じ。
こちらは宇宙ではなく「それまで閉ざされていた地底の洞窟」の中に大量に生息していたという設定で、正確な数は不明ですがアメリカの大都市をことごとく飲み込むほどの大群がいたようです。
この「群れで襲ってくる」という点が一番の恐怖ポイントでしょう。
【レビュー】「ザ・サイレンス 闇のハンター」は「クワイエット・プレイス」への対抗馬なのか - 怠惰ウォンテッド
どっちの怪物が強い/怖い?
戦って勝てるか
いよいよそれぞれの怪物を比較・検証していきます。まずは「戦って勝てるのか?」という点。
結論から言うと、どちらの怪物も単体で見れば「一人でも勝てる」と言えるでしょう。
まず、「クワイエット・プレイス」の怪物は見た目こそでかくて凶悪ですが、耐久力的にはショットガンの一撃で死ぬ程度と、生き物として常識の範囲内です。
音で相手に気づかれる前に銃を向けることができれば、女性や子どもでも倒せるでしょう。
さらに、「ザ・サイレンス 闇のハンター」の怪物はもっと脆弱です。大きさはコウモリ程度で、劇中では拳銃や弓矢でも仕留められていました。大人なら素手で殴ったり絞めあげるだけでも1匹2匹はなんとかなるでしょう。
ですが、こいつらの最大の恐怖ポイントは「音を立てたら周囲から集まってくる」という点にあります。
「クワイエット・プレイス」の怪物は1匹ならまだ倒せるでしょうが、その音に気づいて何匹も(下手したら何十匹も)あの猛スピードで迫って来たら、ひとたまりもありません。
劇中ではっきりとは明かされませんが、こいつらの聴覚は人の大声だけでも数百m、下手したら数kmは拾えそうでした。銃声なんて立てたら一体どうなるか……
よほど開けた場所で、武器弾薬をたっぷり用意した大集団で挑むのでもなければ絶望的でしょう。
「ザ・サイレンス 闇のハンター」の怪物はさらに質の悪いことに、「空から大群で迫って」きます。
1匹2匹ならなんとかなるでしょうが、逆に言えば数匹も集まれば四方からボロボロに食いちぎられてしまうということ。それが空を埋め尽くす群れで来たら……惨い最期を遂げること間違いなしですね。
群れに気づかれたら、個人レベル/一般市民レベルではどうしようもなさそうです。
逃げられるか
まともに戦っては厳しいと想像できたところで、今度は「逃げられるか」を考えてみましょう。
これについては、まだかなり希望がありそうです。
まず、「クワイエット・プレイス」の怪物の対処法は劇中にもたくさんのヒントがありました。
劇中では主人公イヴリンの出産に備えて防音対策を施した地下室が作られていましたが、その中では話し声程度なら問題なさそうでした。普通の防音処理の範囲内でも十分効果があると分かります。
さらに、「轟音をたてる滝のそばなら、大声を上げても大丈夫」という描写もありましたね。「ならそこに住めよ!」と世界中の観客からツッコミが入ったんだとか。
そういった感じで、防音対策した地下や、元から音がたっている場所のそばにいれば安全そうでした。
ですが、日本のように一般家庭に地下室が少なかったり、市街地で自然の音が少なかったりすると対応も難しそうです。
「ザ・サイレンス 闇のハンター」の怪物の対処はもっと簡単でしょう。1匹1匹の力はたかが知れてるので、頑丈な建物に籠ってしまえば当面は心配なさそうです。
窓やドアさえふさいでしまえば、木造の建物でもすぐ破られるようなことはなさそうです。さすがに何百匹も何千匹も突進してきたらやばいでしょうが、劇中のように数十匹程度の群れならやり過ごせるんじゃないでしょうか。
移動や物資調達など、「外で無防備な状態のときが一番危険」というのはどちらも共通してると思いますが、幸いこいつらは「音のするほうに一直線に向かう」というシンプルな思考回路なので、そちらも対応可。
「遠くに石やビンを投げて注意を逸らす」など、いくらでも逃げる手段はありそうです。
予想される攻略法
ここまで特徴や特性が明らかだと、「怪物との生存競争に人類が打ち勝つ」という点でも攻略法が見えてきそうですね。
音さえ立てればそちらに突進していくんだから、なにもわざわざ真正面からガチンコで戦う必要もなさそうです。
「音の鳴る時限爆弾を作る」とか、もっと単純に「スピーカーで一か所に怪物を集めてそこにミサイルをぶち込む」とかでも相当倒せるでしょう。
「ザ・サイレンス 闇のハンター」なんて、「主人公のパパが粉砕機を作動させて、音につられた怪物たちが自分からダイブしてミンチになっていく」というとんでもない描写がありました。あれなら大量の粉砕機を並べるだけで自動的に数を削れそうです。
ぶっちゃけ言ってしまうと、「単体の生き物として見ると確かに怖いけど、人類社会が崩壊させられるほどの脅威には思えない」ですよね。
あれがいきなり現れたら最初は相当な被害が出るだろうけど、人間側の軍隊まで全滅するとは思えません。
結論:どっちも怖いけど頑張れば勝てそう
結論ですが、「確かにどっちの怪物もめちゃめちゃ怖いけど、人類全体が頑張れば勝てそう」という感じでしょう。
個人レベルでみても、真正面から勝つことは難しくても、戦いを避けて生き残ることはおそらく十分可能です。
彼らはホラーパニック映画の怪物の中では、対処しやすくて易しい部類に入るんじゃないでしょうか。もしこんな奴らが現れたら、こうした考察を参考にサバイバルしましょう(ないだろうけど)。
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