名作FPSゲームを実写化した2005年のSF映画「DOOM ドゥーム」。当時はまだ「ザ・ロック」名義で活動していたドウェイン・ジョンソンが主演を務めた、知る人ぞ知る名作(迷作?)です。
そんな映画がまさかの続編製作。その名も「DOOM/ドゥーム:アナイアレーション」です。今や大スターになったドウェイン・ジョンソンはさすがに出てませんが、前作が好きな人なら楽しめる、期待以上でも以下でもないクオリティでした。
詳しくレビューしていきます。
「DOOM/ドゥーム:アナイアレーション」あらすじ
2019年 アメリカ
監督:トニー・ジグリオ
キャスト:エイミー・マンソン、ドミニク・マフハム、ルーク・アレン=ゲール、ジェイムズ・ウェバー=ブラウン
火星の衛星フォボスにある研究所で、人体の転移実験の最中に異常事態が発生。特殊部隊が内部に入ると、そこには狂暴化した所員や異形の怪物がいた。
隊員たちは逃げ場のない研究所内で、生き残るために戦いをくり広げるが……
「DOOM/ドゥーム:アナイアレーション」感想
アクションのクオリティに全力を振った作り
有名作品の名前を借りた続編は一気にクオリティが下がることが多いですが、本作「DOOM/ドゥーム:アナイアレーション」はその点は大丈夫でした。
ちゃんとドウェイン・ジョンソン主演の前作と並べても極端には見劣りしないくらいのクオリティにはなってます。
映像全体は「いかにも映画のセットだよ~」というハリボテ感が拭えませんが、メインとなる戦闘シーンのがんばり方でそのマイナスポイントを補ってる感じ。
銃撃戦と格闘戦を組み合わせたアクションはやたらと気合が入っていて、パルクールまで取り入れられてたりして、他の部分が50点くらいだとするとアクションだけ急に80点くらいの出来です。
キャストたちもアクションに入ると「さっきまでの大根演技は何だったの!?」というくらい動きのキレが良くなって、主人公はもちろん脇役まで急に大立ち回りを演じはじめます。いきなりの豹変にちょっと笑っちゃいました。
さらに、敵として登場する怪物(エイリアン)のクオリティもなかなか。CGと特撮スーツをうまく組み合わせていて、これがかなりかっこいいです。
終盤で怪物の大群が登場したり、ボスキャラらしき奴がヌルヌル動くハイクオリティCGで現れたりするシーンは正直びっくりするくらい良い出来でした。
僕は原作ゲームの知識ゼロで観ましたが、原作を知ってる人はきっともっと盛り上がれるんでしょうか。
↑怪物はこんな感じ
総合的なクオリティは「A級映画には絶対になれないけど、B級映画の中ではかなり上位のクオリティ」という感じでしょうか。
前作「DOOM ドゥーム」とか、「ジェイソンX」とか、「スターシップ・トゥルーパーズ」とかそこらへんが好きな人なら楽しめるはずです。そこそこは。
ちなみに、ストーリー的には前作とほぼ繋がりがないし「特殊部隊が怪物と戦う」だけの内容なので、前作を観てない人でもふつうに楽しめます。
ただ、全体的なテイストはちゃんと前作に寄せてあるので、前作を知ってるとより面白いんじゃないでしょうか。超でっかいプラズマガンが出てきたときには「ドウェイン・ジョンソンこんなの持ってたな~」と懐かしくなりました。
色んなSF映画へのパクリオマージュがたっぷり
前作のテイストを再現しようとしつつ、他の色んなSF映画へのオマージュがあふれてるのも印象的でした。ちょっとした会話や細かいシーンに「俺らちゃんとSF映画知ってるぜ?オマージュだぜ?」感が出ててちょっとくどいくらい。
その中でも「エイリアン2」のパクリリスペクトはかなり露骨でしたね。冒頭の食事シーンにはじまり、「そんな旧式ショットガン使うのかよ」的なやり取りとか、そもそもの「宇宙海兵隊が衛星の基地に派遣される」という設定とか。
あと、ゾンビ要素(狂暴化した所員が暴走して襲ってくる)もあるので、映画「バイオハザード」1作目あたりの雰囲気もすごく感じましたね。
ぶっちゃけ言ったらどこかで観たようなシーンの連続なんですが、それも「これ〇〇の真似やんけ!」と個人的には楽しめました。
まとめ:B級アクション映画ファンならおすすめ
そんなに特筆すべき点もないし、長く記憶に残るほど出来がいいわけでもありませんでしたが、最初から「これはB級アクション映画だ」と分かっていれば十分に楽しめます。
むしろ「B級なのにこんなに切れ味のいいアクションを見せてくれてすごい!ありがとう!」という感謝の気持ちで観れました。
B級映画ファンとしての節度を守って、過度な期待をせずに手に取ってください。そしたらきっと「良いB級映画」として楽しませてくれるでしょう。
あと、あくまで僕のは「原作の知識なしでひとつの映画として観た感想」なので、ゲームのファンにとっては全く違うふうに映るのかもしれません。
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