今や「B級ホラー」というレッテルを覆し、映画界の一大人気ジャンルとなったゾンビ映画。
昔ながらのホラーテイストの作品はもちろん、ホラーアクション寄りの作品、コメディテイストの作品など、色んなゾンビ映画が作られるようになりました。
今回はその中から、一風変わった設定の作品を紹介していきます。斬新で意外な切り口のゾンビ映画が観たい方におすすめです。
- あの名作にゾンビを添えて:高慢と偏見とゾンビ
- ゾンビで燃える恋の炎:ゾンビの中心で、愛を叫ぶ
- ゾンビを克服した社会のお話:ゾンビ・リミット
- 世界初のゾンビミュージカル:アナと世界の終わり
- ゾンビ×青春ラブロマンス?:ウォーム・ボディーズ
- シュワちゃん×ゾンビ=親子愛?:マギー
- ゾンビより怖いのは孤独:リビングデッド・サバイバー
- ゾンビ×閉鎖空間の極限状態:デス・フロア
- 「一家に一匹ゾンビ」の時代:ゾンビーノ
- 「ゾンビが主人公」の超珍作:コリン LOVE OF THE DEAD
- まとめ
あの名作にゾンビを添えて:高慢と偏見とゾンビ
まずはこちら。名作「高慢と偏見」にゾンビ要素を足した、あまりにもそのまんまなタイトルが印象的な歴史ラブロマンスゾンビアクション映画です。
大筋は「高慢と偏見」に沿いつつ、舞台が「ゾンビがいるのが当たり前な近世ヨーロッパ」になっているのが特徴。対ゾンビ格闘術を習得することが貴族のお嬢様のたしなみになっていたりと、ぶっ飛んだ世界観が展開されます。
しっかりとお金のかかった大作なので、ゾンビ映画としても恋愛映画としてもなかなかのハイクオリティな仕上がり。アクション要素も満載で楽しめます。
シュールでド派手で華やかで、ゾンビ映画のわりにはグロ度も控えめなので、ゾンビ初心者にもおすすめ。
ゾンビで燃える恋の炎:ゾンビの中心で、愛を叫ぶ
こちらもどこかで聞いたことのある語感のタイトルですね。
「ゾンビがあふれた世界で自宅に閉じこもって生き延びている倦怠期の夫婦が、命の危機を前にふたたび愛を燃え上がらせる」という内容の作品です。
ゾンビ自体はほとんど出てきませんが、夫婦の人間模様が強烈でぐいぐい話に惹きこまれて、さらに「ゾンビから逃げこんできた見知らぬ夫婦」というイレギュラーも発生して不穏になったりとストーリーも強烈。
「ゾンビが存在する世界でのドロドロのヒューマンサスペンスドラマ」として楽しめる怪作です。
ゾンビを克服した社会のお話:ゾンビ・リミット
こちらも「ゾンビ映画でありながらゾンビがほとんど出てこない」系の異色作です。
ゾンビ化をワクチンで抑えることができるようになり、感染しながらもワクチンを定期的に打ちながら普通の暮らしを送る「リターンド」と呼ばれる人々がいる世界のお話で、枯渇寸前のワクチンを巡って巻き起こるサスペンスが描かれます。
ワクチンがなくなればゾンビ化を免れないリターンドたち、そしてその家族や恋人たちのドラマがくり広げられて、これがかなり面白いです。
さらに、「リターンドは危険な存在だ」と主張する過激派や「差別を恐れて自分がリターンドであることを隠す人」など社会派な要素も加わっていて、独特の世界観を楽しめます。
隠れた珍作ゾンビ映画です。
世界初のゾンビミュージカル:アナと世界の終わり
おそらく世界初、「ゾンビと学園ミュージカルの融合」を果たしたホラーコメディ映画です。
B級ゾンビ映画のテイストとミュージカル要素がうまくマッチしていて、ほどよいチープさで笑える一方で音楽もかなりハイクオリティ。サウンドトラックが欲しくなります。
また、高校卒業を間近に控えた登場人物たちが織りなすドラマも見どころで、恋や友情、将来の夢、親とのぶつかり合いなど、グッとくる感動を味わえます。
ポップに観られる良作ゾンビ映画として、カップルで観るのもおすすめです。
ゾンビ×青春ラブロマンス?:ウォーム・ボディーズ
こちらもラブコメ要素のあるゾンビ映画。若手筆頭の実力派俳優ニコラス・ホルトと、こちらもハリウッドの人気若手女優として人気を集めるテリーサ・パーマーが主演です。
「人間の意識を残したゾンビの青年Rが、人間の少女ジュリーに恋をする」ことから驚きのストーリーが展開されて、ゾンビ映画らしいスリルを味わいつつも甘酸っぱい恋模様にキュンとさせられます。
意外としっかりしたゴア描写やパニック描写もあったりして、終末アクション映画としてのスケール感も楽しめる秀作です。
シュワちゃん×ゾンビ=親子愛?:マギー
「アーノルド・シュワルツェネッガー主演、ゾンビに噛まれて感染してしまった愛娘が日に日に変貌していくなか、娘を自宅で庇いながら葛藤する父親を描くヒューマンドラマ」というものすごい珍作です。
批評的には散々な評価でしたが、シュワちゃんが複雑で重厚な役に挑戦しているのを観れたり、娘役のアビゲイル・ブレスリンがさすがの演技力を見せていたりと、意外と見どころも豊富。
(良くも悪くも)他に例のない唯一無二のゾンビ映画として一見の価値ありです。
ゾンビより怖いのは孤独:リビングデッド・サバイバー
アパートの自室にこもっていたことで、偶然ゾンビパニックを生き延びた男を描くサバイバルホラー映画。
ストーリーのテーマとして「ひたすら独りぼっちで退屈な毎日を過ごす男の苦悩」をメインに描いているのが見どころで、ゾンビ映画でありながら「独りで極限状態に置かれると人はどうなるのか」という社会実験を見ているような気分にもなります。
アパートのエレベーターに挟まった老人ゾンビを暇つぶしの話し相手にしたり、外にいた猫を危険を冒してまで招き入れようとしたり、やけになって大音量でゾンビを集めたりと、究極の孤独に侵された人間ならではの奇怪な行動が見どころ。
「現実でゾンビパニックから生き延びたらこんな地味な辛さが待ってるんだろうな…」と感じさせてくれる作品です。
ゾンビ×閉鎖空間の極限状態:デス・フロア
こちらも「ゾンビ×閉鎖空間」というシチュエーションの映画。さらに閉鎖っぷりが極まって、「ゾンビパニック発生時にエレベーターに乗っていて閉じ込められた男」を描く怪作です。
さすがにシチュエーションが限定されすぎて中だるみする部分もありますが、それでも「通りかかった同僚に助けを求める」「鎮圧に来た警察の特殊部隊員に助けを求める」など、基本的に「誰かが来るのを待つ」スタイルで色々と巻き起こってなかなか楽しめます。
ある意味で「究極の限界ゾンビサバイバル」として見どころのある作品です。
「一家に一匹ゾンビ」の時代:ゾンビーノ
こちらは「ゾンビを克服した社会」系の作品。
狂暴性を抑える首輪によってゾンビを飼い慣らせるようになり、ペットやお手伝いとして「一家で一匹ゾンビを飼う」のが主流になった世界を描く近未来ゾンビコメディ映画です。
主人公の少年ティミーと彼の家に来たゾンビのファイドの友情がストーリーの中心で、醜いおっさんゾンビのはずのファイドが、だんだん可愛く見えてくるのが不思議な見どころ。
派手なパニック描写もしっかりとあって、本格派ゾンビ映画としても意外に楽しめます。
「ゾンビが主人公」の超珍作:コリン LOVE OF THE DEAD
「ゾンビ化してしまった主人公が、生前のわずかな記憶に引きずられてさまよう様を描く」という異色作。
ユニークな設定はもちろん、「製作費およそ5000円」という史上空前の超低予算インディーズ映画として注目を集めた作品です。
さすがに映像面ではチープさが漂いますが、ボランティア出演者が多く集まったことでお話のスケールはなかなか。かすかな記憶につられて恋人のいるアパートへと歩いていく主人公コリンはどこか哀愁が漂っていて、「ゾンビ一人ひとりに人間としての人生があったんだよなあ…」と思わせてくれます。
そんなコリンも群れでの人間襲撃に出くわすとふらっと参加しに行ったりしてて、「ゾンビ目線で世界を歩くとどんな感じか」を味わえる面白い映画です。
まとめ
以上、変なゾンビ映画ばっかりまとめて紹介しました。
ふつうのゾンビ映画を観尽くしてしまった人でも、ユニークな設定で新鮮さを感じられる珍作ばかりです。驚きの角度から描かれるゾンビの世界を体感してみてください。
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