レーベル等に所属していなくても、誰でも登録手数料だけで自作曲を配信できるサービス「Tunecore Japan」。
SpotifyやApple Musicなどのサブスク全盛期の現代では、自主制作のインディーズアーティストにとって欠かせないサービスと言えますね。
ボーカロイドを使って曲を作る「ボカロP」にとってももちろん重要なサービスなんですが、Tunecore Japanでボカロ曲を配信するときに、いくつか注意するべき点があります。
事前に知っておかないとやばいことなので、要チェックです。
Tunecore Japanの配信では一部のボカロ名とイラストが使えない
忘れられがちですが、「初音ミク」などのボーカロイドの名前とキャラクターの権利は、それぞれの会社が持っています(初音ミクならクリプトン、GUMIなら株式会社インターネットなど)。
そして、こうしたボカロの名前とキャラクターは「商用利用には許可が必要」です。
Tunecore Japanでの配信はこの商用利用に含まれるようで、勝手に「feat.〇〇」とボカロ名を使ったり、どうみてもボカロキャラクターなイラストを使ったりするとアウトな場合があります。
まず知っておきたいのは、「Tunecore Japanは一部の会社のボカロ名やキャラを使用できるように、権利元と契約を結んでる」ということです(2020年1月6日現在)。
詳しくは公式様の解説を↓
ここにあるように、GUMI、結月ゆかり、IA、音街ウナ、VY1V4などのボカロは、その名前を曲名に含めたり、イラストをジャケットに使用したりできます(もちろん、イラスト自体の著作者の許可があることが前提ですよ)。
しかし、クリプトン社のボカロ(初音ミク、鏡音リン・レン、巡音ルカなど)はこの包括契約に含まれていないので、ボカロ名やキャラクターのイラストを使ってしまうとアウトです。
使えないのはあくまで「ボーカロイドの名前とイラスト」だけ
ここで注意したいのが、「クリプトン社のボカロをボーカルに使った曲は配信できない」というわけではないということ。
あくまで「曲名に 『feat.初音ミク』のようにボカロ名を含めたり、ジャケットにどう見ても初音ミクなイラストを使ったりするのはダメ」ということなので、単にボーカル音源としてボカロを使用するだけなら問題ありません。
「曲名は元々の曲名だけ/ジャケットはボカロと無関係のオリジナルのもの」なら、クリプトン社のボカロを音源として使っていてもTunecore Japanで配信可能です。
初音ミクなどのクリプトン社ボカロの名前を使う方法
「初音ミクや鏡音リンなどのクリプトン社ボカロの名前とキャラクターは絶対に配信で使えないの…?」と思う方もいらっしゃるでしょうが、決してそういうわけではありません。
曲をサブスク配信するためのサービスはTunecore Japan以外にもありますが、その中のひとつ「ROUTER.FM」というサービスが、クリプトン社製ボカロを含むほぼ全てのボカロの名前・キャラクター使用に対応しています↓
ただ、Tunecore Japanの収益還元率が100%なのに対して、ROUTER.FMは還元率が80%と、若干低くなっています。
一方で、Tunecore Japanでは配信手数料が毎年かかるのに対して、ROUTER.FMでは最初の登録料以降はずっと無料、という利点もあります(2020年1月6日現在)。
ボカロの名前やイラストを使用できる点と手数料の安さを取るか、還元率を取るか……などの違いがあるので、要検討です。
まとめ
ここまでの話をまとめると、
- 音源としてボカロを使うのは問題なし
- Tunecore Japanではクリプトン社のボカロの名前やイラストは使えない
- ROUTER.FMならほぼ全てのボカロの名前やイラストを使えるが、収益の還元率が少し低め
ということですね。
Tunecore Japanは日本の配信最大手なぶん安心感があるし、細かいサービスも多くて便利な一方で、ROUTER.FMにも魅力が多いのも事実。
どちらを選ぶかは、詳しいサービス内容や条件を比較して検討してみてください。
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