コメディ映画の見どころといえばもちろん「笑い」ですが、笑いにはほのぼのしたものから過激なものまで、さまざまな種類があります。
そこで今回は、ブラックジョークや過激な描写が魅力の、ちょっと大人向けのコメディ映画をまとめて紹介します。シュールで不謹慎で、エグいのについ笑ってしまうブラックコメディの世界を体感しましょう。
- テッド
- モンスター上司
- タッカーとデイル 史上最悪にツイてないヤツら
- なんちゃって家族
- ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い
- ハッピー・デス・デイ
- スノー・ロワイヤル
- ホット・ファズ -俺たちスーパーポリスメン!-
- ショーン・オブ・ザ・デッド
- イングロリアス・バスターズ
- バーン・アフター・リーディング
- キック・アス
- キャビン
- アイアン・スカイ
- ハウエルズ家のちょっとおかしなお葬式
- 人生スイッチ
- 帰ってきたヒトラー
- ディクテーター 身元不明でニューヨーク
- ロブスター
- 最終絶叫計画
- まとめ
テッド
大人向け過激コメディ映画の代表格といえばこれ。見た目はかわいいテディベア、中身は中年おっさんのテッドが巻き起こすトラブルは、どれもお下劣でインモラルで超最低です。
ですが、とにかく面白んだなこれが。下ネタとか不謹慎ネタとか、教育に悪いものは面白いとよく分かります。これを楽しめるのは大人の特権でしょう。
モンスター上司
ブラックで過激なアメリカンコメディのお手本のような作品。「パワハラやセクハラで自分の人生を悩ませる上司たちを暗殺してしまおう」というクレイジーなストーリーが展開されます。
大人なら多くの人が共感できる「社会人あるある」を何十倍にも大げさ化して過激にしたような内容で、主人公3人とモンスター上司たちの強烈なキャラも合わさって爆笑必至です。
「欲求不満の女性上司がキュートな男性部下に強引なアピールセクハラ」という描写は、アメリカならではな気もします。
タッカーとデイル 史上最悪にツイてないヤツら
湖畔のキャンプ地を舞台に、いかにもヤバそうな男2人組(でも実は普通の釣り人)を一方的に「あいつらは殺人鬼に違いない!」と敵視した大学生グループが、勝手に襲撃をかけては自爆で死んでいくというおバカコメディ映画。
よそ見して自分から木の枝に突き刺さったり、転んで粉砕機に頭から突っ込んだり、誤射で自分の頭をふっ飛ばしたりと大学生たちの間抜けっぷりが凄まじくて、「カルト大学生の集団自殺だ!」と恐れおののく主人公2人に共感してしまいます。
めちゃめちゃにエグい描写が満載なんですが、そのシーンまでの過程がバカバカしすぎて笑ってしまうこと間違いなしです。
「タッカーとデイル 史上最悪にツイてない奴ら」感想 偏見って恐い(ネタバレなし) - 怠惰ウォンテッド
なんちゃって家族
いけない粉をメキシコからこっそり運ぶお仕事をすることになった男が、国境の審査を乗り切るために「家族旅行のふり」をするというコメディ映画。
題材からまずヤバすぎだし、最初はただの「ちぐはぐなメンバーでの旅行」だったのにだんだんマフィアに追われる命がけの逃避行になっていくストーリーはド派手で見ごたえがあります。
寄せ集めの「なんちゃって家族」だった4人が、しだいに不思議な絆で結ばれていく展開はヒューマンドラマとしても意外とグッときました。
ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い
ぶっ飛びブラック過激コメディの王様とも言えるおバカ超大作。
親友の結婚前夜にお祝いパーティーをして泥酔し、翌朝目が覚めたら親友がいない。しかもホテルの部屋には謎の赤ちゃんやトラがいる…というところから始まるドタバタ劇で、酔って記憶を失ってる間に何が起こったのかを解き明かしていくストーリーが展開されます。
あらゆる点で完膚なきまでにおバカな映画で、くだらないし汚いし登場人物みんなアホだし、でもそれが最高に面白いんですよね。
この1作目が世界的ヒットを記録したことで、3作目まで続く人気シリーズになりました。
ハッピー・デス・デイ
ビッチな女子大生が学生寮のパーティーで泥酔した翌日、「謎のマスクを被ったサイコキラーに殺されて、そのたびに朝起きたときに時間が巻き戻る」というタイムループに巻き込まれるホラーコメディ映画。
主人公のキャラが強烈で、「恨まれてる相手が多すぎて容疑者を絞り切れない」とか「どうせループするからヤケクソになって1回全裸で出歩いてみる」とか、ホラー映画なのに爆笑ポイントが盛りだくさんです。
それでいて殺人鬼サスペンスとしても本格的な仕上がりで、さらに「自分勝手だった主人公がしだいに正義や思いやりに目覚めていく」という成長ストーリーは感動すら覚えます。
「ハッピー・デス・デイ」感想 ひとつだけ不満を言わせてくれ(ネタバレ全開) - 怠惰ウォンテッド
スノー・ロワイヤル
マフィアに息子を殺された男が、復讐のためにマフィア組織を壊滅させようと奮闘するクライムアクション映画。
このあらすじだけなら普通の映画なんですが、「主人公がマフィアの下っ端を暗殺→それを敵対組織の攻撃と勘違いしたマフィアが報復→何もしてないのに報復された敵対組織も反撃→三つ巴の大戦争に」というクレイジーな展開が起こります。
誤解が誤解を生んで泥沼化していく様はしゃれにならないのについ笑えてしまって、登場人物みんな真剣なのにすごく間抜けに見えてしまうから不思議です。
「スノー・ロワイヤル」感想 マジギレしてる人は面白い(ネタバレあり) - 怠惰ウォンテッド
ホット・ファズ -俺たちスーパーポリスメン!-
「アントマン」の脚本や「ベイビードライバー」の監督を手がけたエドガー・ライトによるコメディ映画。
ロンドンから田舎町に左遷された警官が、一見平和な町に隠された怪事件に気づき、能天気すぎる地元警官たちと協力して捜査に臨むアクションコメディです。
イギリス映画ということもあって、アメリカンな作品とはまた違ったシニカルで強烈な笑いどころが満載。不意にとんでもなくグロいシーンもあったりして、笑いと恐怖の境界線を行ったり来たりする異色作となっています。
クライマックスの大銃撃戦など、刑事アクションとしての見どころも豊富です。
ショーン・オブ・ザ・デッド
こちらもエドガー・ライト監督作で、主演コンビまで一緒です。
イギリスで巻き起こるゾンビパニックの中でちょっと間抜けな登場人物たちが奮闘するホラーコメディで、「ゾンビのマネをして群れの中を突破」「ゾンビと記念撮影」など、ゾンビ映画ならではの爆笑シーンが詰まっています。
ここ最近のゾンビコメディ映画ブームの火付け役になった名作として知られていて、「ゾンビランド」シリーズなどが好きな人に観てほしい一作です。
イングロリアス・バスターズ
クエンティン・タランティーノ監督、ブラッド・ピット主演で、ヒトラー暗殺に臨むアメリカ特殊部隊とユダヤ人女性を描いた戦争コメディ映画。
テーマは真面目なのに内容はあらゆる点でぶっ飛んでいて、登場人物はもれなくキレてるかふざけてるかその両方か。史実を完全無視した超展開も合わさって、超ブラックで過激な笑いを見せてくれます。
じわじわとおかしさがこみ上げる会話劇や喜劇的な演出など、タランティーノ節全開の大傑作です。
バーン・アフター・リーディング
ジョン・マルコヴィッチやジョージ・クルーニー、ブラッド・ピットと豪華キャストが集結したサスペンスコメディ映画。シュールな世界観で知られるコーエン兄弟の監督作です。
元CIAの男の暴露原稿を巡って騒動が起こり、しだいにシャレにならない大事件に発展していくという内容で、コーエン兄弟らしいブラックでシニカルな空気が充満しています。
イケメンスターのブラピが超おバカマッチョマンを演じていたり、「そいつ死ぬのかよ!?」というキャラがあっさり死亡したり、異色さと驚きに満ちた珍作です。
キック・アス
アメコミヒーローに憧れたオタク高校生が、プロ級の戦闘力を誇る謎の少女とともに悪に立ち向かっていく過激アクションコメディ映画。
ヒーロー側はあくまでコスプレした一般人、対する敵はガチのマフィアということで、かなり血みどろで容赦のない戦いがくり広げられます。が、セリフは下ネタだらけだしノリも軽いので、全体的にはコメディテイストです。
アクションもお下劣コメディも両方楽しみたいときにおすすめ。
キャビン
「湖畔のロッジに遊びに来た大学生グループが、謎の怪物に襲われる」というベタなホラー映画。ですが、「その様子を謎の組織が監視し、展開が盛り上がるように操作していく」という異色の要素が含まれてます。
大学生たちはめっちゃ真剣にサバイバルしてるのに、モニターしてる組織はかなりおふざけっぽくて笑えます。
さらに、終盤ではますます斜め上の方向にストーリーが突き進んでいって、あまりの絵面にビビること間違いなしです。
アイアン・スカイ
「ナチスが実は月面に基地を作って生き延びていて、地球に襲撃をかけてくる」という酷すぎるストーリーのおバカ映画。クラウドファンディングで製作費を集めたことでも話題になりました。
内容もストーリーに引けを取らないおバカっぷりで、実在の政治家をモロにパクったキャラクターや色んな人権団体から文句が来そうなエピソードなど、過激なツッコミどころが盛りだくさん。
続編「アイアン・スカイ 第三帝国の逆襲」ではローマ法王やオサマ・ビン・ラディン、スティーブ・ジョブズなどさらに色んな人物をパクった超展開が広がるので、そちらもおすすめです。
「アイアン・スカイ 第三帝国の逆襲」感想 全世界に喧嘩を売るスタイル(ネタバレなし) - 怠惰ウォンテッド
ハウエルズ家のちょっとおかしなお葬式
ごく普通の老人のお葬式が自宅で執り行われるはずが、予想外のトラブルが重なって大騒動が巻き起こるブラックコメディ映画。
こちらも「ホット・ファズ」などと同じくイギリス映画で、シュールで黒い笑いが観られます。
うっかり興奮剤を飲んでハイになってしまった参列者とか、故人の壮絶な秘め事を持ってきた男とか、本人たちは笑いごとじゃないのに観てるこっちは爆笑必至です。
人生スイッチ
人生を大きく左右するような心のスイッチを押しちゃった人たちをオムニバス形式で描くヒューマンコメディ映画。
全体的に「キレて爆発しちゃった人たち」のお話が多めで、「真面目にブチ切れてる人は傍から見てて面白い」というのがよく分かります。
誰もが想像する「ここでキレて暴れたらどうなるかな…」を実践してみせる作品です。
帰ってきたヒトラー
「ヒトラーが現代によみがえった」という、どう考えてもアウトなストーリーを描くドイツ産コメディ映画。インパクトがありすぎて日本でも大きな話題になりましたね。
恐怖の独裁者であるはずのヒトラーがただの面白おじさんタレントと化す展開はブラックで笑えるんですが、そうして人気を集めつつ権力の座を掴んでいく彼の本性が露わになったとき、ゾッとさせられます。
風刺映画としてちゃんと見ごたえのある良作です。
ディクテーター 身元不明でニューヨーク
とある国の独裁者がニューヨークのど真ん中で身分を証明できなくなり、ホームレス同然になってしまうというB級コメディ映画。独裁者だった彼が、街の人々と触れ合うことでどう変化していくかが見どころです。
が、かなりお下劣でゲスい描写が多め(多くの人が不快感を覚えるレベル)なので、そういうインモラルなコメディを許容できる人だけが観ましょう。
ロブスター
「未婚のままだと動物に変えられてしまう世界」を描く超異色コメディ映画。
とにかく不条理でシュールで奇妙で、「自分は何を観てるんだろう」という気持ちにさせられてヘラヘラしてしまいます。
インディペンデント映画賞やカンヌ国際映画祭でも高評価を集めたり、挑戦的な新感覚コメディとして見ごたえ抜群です。
最終絶叫計画
2000年前後の名作ホラー映画をオマージュしまくったパロディコメディ映画。
「スクリーム」とか「ラストサマー」とか「13日の金曜日」とか「シックス・センス」とか、その辺の映画が好きな人なら吹き出してしまう爆笑シーンが山盛りです。
「最〇絶叫計画」シリーズとして数年ごとのヒット作のパロディ映画が続いているので、ハリウッド映画好きならおすすめ。
まとめ
以上、ブラックで過激なコメディ映画の良作を一挙紹介しました。
どれも大人向けのネタばっかりだし、人によっては「なんて不謹慎な!」と思ってしまうかもしれませんが、シニカルでシュールでイケナイ笑いを体感したいときはおすすめです。
安心して観られるコメディはこちらを参考に↓