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ほのぼの系ニート漫画「働かないふたり」が面白い【おすすめ】

働かないふたり 1巻 (バンチコミックス)

今や誰もが知る社会問題となっている「ニート」。最近では漫画やアニメのテーマとしても人気の題材ですよね。

そんなニート作品の中でも、屈指のゆるさを誇るのが、ニートの兄妹の日常を描いたコメディ漫画「働かないふたり」です。

ニートからの脱出や成長をテーマにしたニート漫画も多い中、本作は「ニートであることを(あんまり)問題視しない」「現状に焦らない」「特に前進しない」という徹底した"ニート許容主義"を貫くという珍しい内容。

究極のほのぼの系ニート漫画であるこの作品の魅力をご紹介します。

 

ニートの兄妹と家族・友人たちを描く日常コメディ漫画

「働かないふたり」の主人公は、ニートの青年・石井守(まもる)と、その妹で同じくニートの春子です。

守はおそらく22歳~24歳くらい、春子は20歳くらい。守は働いた経験もコミュニケーション能力もあるのにあえて働いていないという「能動的ニート」で、一方の春子は人見知りが激しすぎて外で働けないタイプの典型的なニートです。

この2人を中心に、口うるさいけど結局は優しい母、穏やかに2人を受け入れている父、ときどき遊びに来る友人やご近所さんを巻き込んだ日常が描かれます。

基本的には登場人物たちがまったり過ごしてるだけなんですが、ニートだからこその自由を活かして変な遊びをはじめたり、周囲の人たちと触れ合って癒したり助けたりと、「忙しい社会から切り離された立場だからこそできる生き方」が展開されていくのが最大の見どころ。

色んな世界を見て自らニートを選んだ守の達観した言葉や、おっとりしてるようで時に真理をぐさっと突く春子の名言も注目ポイントのひとつです。

 

安心して読めるまったり系ストーリー

働かないふたり 12巻: バンチコミックス

働かないふたり 12巻: バンチコミックス

  • 作者:吉田覚
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2017/10/07
  • メディア: Kindle版
 

基本的に、守と春子が「ニートでいいのだろうか…」「働こう!」という道に進む要素は一切ない漫画ですが、この徹底したニート許容主義を貫きながらも、ストレスフリーで安心して読めるのも「働かないふたり」の魅力です。

 

その最大の理由として、「守と春子のキャラに嫌味がない」という点があります。

まず、守はその気になれば働けるし働いた経験もあるニートだから、「両親から養ってもらってる」ということをわきまえて行動してます。外に出てもお金を使わない遊びしかしないし。

春子はそもそも「小学生がそのまま大きくなった」ような子なので、無邪気に両親に甘えて懐いてて可愛い。こちらも嫌味なし。

2人とも全くひねくれてなくて、「親に養ってもらってるくせに図々しいニート野郎」みたいな悪印象がゼロ。できるだけ身の程にあった生き方・遊び方しかしてないから微笑ましく読めます。

 

あと、守はその気になれば社会でもやっていけるし、春子は春子で個性豊かな友人がけっこう大勢いるから、2人ともいざとなったら何とかなりそうだな~と思えます。

「追いつめられてる感」がないのもゆるく読めるポイントでしょう。

 

そして重要なのが「両親が守と春子のニートを許容してる」こと。お母さんは口うるさく言いつつも結局は2人がニートであることを受け入れてるし、お父さんは最初からずっと穏やかで優しいです。

両親ともに「守はいざとなったら大丈夫」と思っていて、「春子はこんなだからしょうがない」と諦めて可愛がってるのが伝わってきます。

最終的にはなんだかんだで「子どもたち2人がいつも家にいる生活」を両親も楽しんでいて、普通とは違うかたちだけど仲良く平和な家庭が築かれてるのが見ていて癒されます。

 

兄妹と友人たちの織りなす交流が暖かくて素敵

働かないふたり 10 (BUNCH COMICS)

働かないふたり 10 (BUNCH COMICS)

  • 作者:吉田 覚
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2017/02/09
  • メディア: コミック
 

特に5巻以降くらいからなんですが、兄妹2人の行動範囲が広がって登場人物が増えていくにつれて、グッとくる感動のストーリーも増えてきます。

どれも孤独な老人やシングルマザー、大柄なのが悩みの女の子、同性愛者の男の子など「社会から孤立しがちな人」にスポットが当たってるのが特徴で、社会のしがらみにとらわれない守と春子だからこその視点や言葉が彼らをスッと救っていくのが素敵なんですよ。

こういうニート漫画を手に取る人の中には「社会での生きづらさを感じてる」という人も多いと思いますが、そういう読み手の心も楽にしてくれるストーリーが盛りだくさんです。

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まとめ:人生に疲れたら読んでみて

ゆるくてのんびりしたコメディ漫画としても楽しめるのはもちろん、「忙しい社会の中にずっといたら忘れてしまう考え方や視点」を見せてくれるのも「働かないふたり」の大きな魅力です。

守と春子のマイペースな生き方は、「お金や肩書、世間体ばかりが全てじゃない」という当たり前のことを思い出させてくれます。

人生に疲れたとき、「今のままでいいんだろうか」と悩んだときに読んだら、癒されたり生き方を変える踏ん切りがついたりするかもしれません。けっこう本気で言ってます。

働かないふたり コミック 1-17巻セット

働かないふたり コミック 1-17巻セット

  • 作者: 
  • 発売日: 2019/08/09
  • メディア: コミック
 

 

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