ゲオ先行レンタル作品って「見た目だけ取り繕って内容ペラペラの駄作」か「映像は安っぽいけど内容で勝負する良作」かの2択なイメージです。
そんな中で、この「デッド・カーニバル」は後者の良作といえる部類だったと思います。詳しくレビューしていきます。
「デッド・カーニバル」あらすじ
2017年 アメリカ
監督:エヴァン・セシル
キャスト:ショーン・パトリック・フラナリー、リンゼイ・モーガン、アンドリュー・ジェイコブス、カレン・グラッスル
観光地の牧場を訪れたバスツアー客とガイドたち。アトラクションやロデオを楽しんだ彼らが帰ろうとしたところ、カウボーイたちが突如として牙をむき、観光客やロデオ出場者たちに襲いかかってくる。
ツアーガイドの青年サイモンをはじめとした人々は次々に捕らえられ、一人また一人と惨殺されていき……
「デッド・カーニバル」感想
B級ショッキングホラーのお手本のような内容
オープニングから映像の質感やこじんまりとしたスケール感で「低予算なんだな…」というのがありありと分かる作品です。
が、だからこそB級ホラーファンにとっては「これこれ!こういう感じがいいんだよ!」と思えて期待が高まります。
そこからの展開もB級ホラーのお手本のような内容で、特にこれといった説明もなくカウボーイたちが襲いかかってきてデスゲーム開始。「暴走カウボーイから逃げられるか殺されるか」というシンプル極まりない攻防が始まります。
ストーリーなんてものはないも同然ですが、その分ホラーアクションとしての見どころはかなり豊富です。特殊メイクやマネキンっぽさ全開のゴア描写はチープさもありますが、下手なCGよりはよほど生々しくて「痛い」感じがします。
殺られ方もバリエーション豊かで、さらに敵のカウボーイ側もなかな個性的な人が多くて見ごたえありです。特にラスボスとも言える「かぎ爪付き鞭を振り回す黒づくめカウボーイ」はけっこうかっこよかった。
ストーリーは極限までシンプルにして無駄な人間ドラマも一切排して、「殺人カウボーイ集団VSツアー客」というサバイバルのみに一点特化した潔い作りだからこそ、しっかり楽しめる良作になっています。あくまで「B級映画として」という前提でですが。
後半の反撃シーンが意外と熱い
低予算でアクション描写にかけるお金も限られてるのか、前半のカウボーイ集団による人間狩りシーンは「とどめを刺すシーンは直接映さない」という展開が多めでした。
スプラッターホラーとしてはややあっさり気味だな…と正直物足りなさを感じてましたが、後半では一転して怒涛のゴアゴア展開に。しかも「生存者たちがカウボーイ集団に反撃する」という展開なのでかなり痛快です。鬼畜カウボーイたちがエグい最期を遂げていくのをまざまざと映してくれます。
特にツアー客の生き残りのおばあちゃんがよかったですね。櫛の隠しナイフで敵の首を串刺しにしたり、ガイドの女の子と一緒に大型ノコギリで敵のお腹をギコギコしたりと大活躍でかっこよかったです。
主人公のガイド青年が、馬用ステロイドで狂暴化したガチムチマッチョ男に苦戦するシーンは笑えましたね。切っても刺してもなかなか倒れてくれなくて「そろそろ死んでくれないか」と疲れ気味にぼやくのはちょっと共感しました。
まとめ:B級ホラーファンならまあまあ楽しめる良作
間違っても誰もが楽しめるようなキャッチーな映画じゃありませんが、頭を空っぽにしてショッキングな描写を楽しむB級ホラー映画としてはちょうどいい出来です。
こういう頭の悪いホラー映画が好きなら、まあまあ楽しめるでしょう。
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