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「ウォーキング・アウト」感想・評価 見どころが少なすぎる(ネタバレあり)

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人気ドラマ「ホワイトカラー」のメイン・キャストであるマット・ボマー主演、さらに「インディペンデンス・デイ」の大統領役で知られる名優ビル・プルマン共演と、ゲオ先行レンタル作としてはかなりの豪華キャストな「ウォーキング・アウト」。

どんなもんかな?と思って観てみたら「悪くはないけど地味すぎて見どころが少ないなぁ…」という感じでした。詳しくレビューしていきます。

 

「ウォーキング・アウト」あらすじ

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2017年 アメリカ

監督:アレックス・スミス、アンドリュー・スミス

キャスト:マット・ボマー、ジョシュ・ウィギンズ、ビル・プルマン

 

14歳のデヴィッドが山岳部に住む父親キャルのもとを訪ねる。キャルの指導のもとで狩りに挑むデヴィッドは最初は気乗りしなかったものの、少しずつ父と打ち解けて言葉を交わしていくのだった。

ところが、デヴィッドがクマに襲われそうになり、それを防ごうとしたキャルが銃の暴発で重傷を負うというアクシデントが発生。しだいに雪が深くなっていくなか、デヴィッドは「生き残るために父をかついで険しい山を下る」という試練に臨む。

 

「ウォーキング・アウト」感想

描きたいテーマは分かるけど展開が冗長すぎる

描きたいテーマは分かります。「都会暮らしの現代っ子が、昔ながらの生き方の父親と語り合って、自然の猛威を乗り越えることで絆を深める」というお話をやりたかったんしょう。

そのテーマは分かるんですが、いかんせん展開が冗長すぎる気がしました。特に前半。わりとだらっとした親子の会話でなんと尺の半分45分を使い切ってしまいます。

親子の会話はわりとありがちな内容で、狩りの練習シーンや獲物を追っていく旅路もかなり地味。ひとつの映画として描写するほどのものとは思えませんでした。

それでも「役者の重厚な演技で言葉のひとつひとつが染みる」とか「映像のこだわりが凄くてひとつひとつのカットがセンス抜群」みたいな見どころがあれば楽しめるんでしょうが、この映画に関してはそういう演出面がそこまで優れてるとは思えないので「ただ単に冗長な前置き」にしか感じられません。

 

あと、これは事前に知っておくべき要注意事項ですが、ビル・プルマンの出番はめちゃめちゃ少ないです。

父親キャルの父(デヴィッドにとっては祖父)というポジションですが、劇中では既に死んでいてキャルの回想シーンで登場するのみ。彼の出演作ということで期待して観ると肩透かしをくらうかもしれません。

とはいえ、さすがにビル・プルマンが画面に大写しになったときは彼の表情ひとつでぐっと雰囲気が引き締まりますね。こういうところを見ると「大俳優ってすげえな…」と思えました。

 

映像美と後半の緊迫感はけっこうよかった

そんな感じで特に前半のストーリーに関してはかなり微妙な出来ですが、キャルが銃の暴発で負傷してからの後半は、一気に緊迫感が高まって悪くなかったです。ちゃんとサバイバル映画として一定の魅力がありました。

まず、ガチの雪山で撮影してるので、映像美は序盤からかなりのものでした。そこに「キャルが負傷して頼れるのは14歳のデヴィッドのみ」という極限状態が加わることで、風景の美しさよりも自然の過酷さの方が露わになっていくのは観ていてなかなかハラハラさせられます。

 

とはいえ、それだけで「この映画を観る価値がある」と言えるほど面白くなっているかというと微妙なところです。やっぱり展開の冗長さは感じてしまうし、カメラワークが単調になりがちなのも気になりました。

 

まとめ:キャストが好きなら楽しめるかも

決して駄作というほどではないし、「父と子の絆の物語」としても悪くないと思いますが、自信をもって人に勧められる映画かというとちょっとためらってしまいますね。

主演のマット・ボマーは実績のある実力派なだけあっていい演技をしてるし、男前だから大自然のロケーションの中にも映えます。彼のイケメンっぷりを拝みつつ、ときどきビル・プルマンの渋い魅力を感じる映画だと思えばまあまあ楽しめるんじゃないでしょうか。

 

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