プロの特殊部隊ってすごい実力があるそうで、同じ武器を持っていても素人相手なら10倍の人数差でも余裕で勝てると聞いたことがあります。
とはいえ、そんな特殊部隊も味方がわずか4人で、敵は訓練を受けたテロリスト200人ともなれば、いくらなんでも絶望的な状況に陥るのは仕方のないことでしょう。
そんな実話を描いた「ローン・サバイバー」を詳しくレビューしていきます。
「ローン・サバイバー」あらすじ
2014年 アメリカ
監督:ピーター・バーグ
キャスト:マーク・ウォールバーグ、テイラー・キッチュ、ベン・フォスター、エミール・ハーシュ、エリック・バナ
2005年のアフガニスタン。山岳地帯の奥深くに、タリバン要人の暗殺任務の偵察として、4人のネイビー・シールズ隊員が潜入する。
ところが、不測の事態が発生して4人の存在がタリバンに知られることに。200人ものタリバン兵士が迫りくる中、シールズ隊員たちは圧倒的な戦力差での戦いを強いられることになる。
「ローン・サバイバー」感想
数十分もの怒涛の撤退戦は圧巻
この映画の最大の見どころといえば、ネイビーシールズの偵察隊が敵に見つかってからの撤退戦でしょう。
中盤から後半にかけて、数十分にも及ぶ怒涛の戦いは圧巻です。観ていて息苦しくなるくらいの緊迫感が続きます。倒しても倒してもタリバンが迫ってきて、敵の弾は掠るしロケット弾や岩の破片が飛ぶし崖から落ちるしでボロボロになっていくシールズ隊員たちの痛ましさといったらありません。
「もう止めてあげて…」「まだ続くのかよこれ…」とうんざりするほどの銃撃戦で、休みなしで命のやり取りをする凄まじさが伝わってきます。一般人なら10分もせずに集中力が完全に切れてしまいそうな緊張状態を、敵が攻めてくる限り休憩もなく続けないといけない最前線の兵士の厳しさがよく分かります。
「実話」という重み
観ていてかわいそうになるほど過酷なこの戦いが、ほぼ完全な実話というからさらにショッキングです。
メインとなる偵察隊4人の戦いもそうですが、彼らを救出に向かった隊の仲間たちの犠牲も悲しかったですね。
戦闘ヘリが他任務で出払っていたせいで防御力の低い輸送ヘリのみで現場に急行して、あっけなく敵のロケット弾に撃墜されるシーンはかなり悲惨でした。機内にロケット弾が飛び込んできて、内側から爆炎が膨れ上がって機体がちぎれ落ちるように墜落していくのは絵的にもショッキングです。
アクション映画ではヘリコプターは「やられ役」として簡単に落とされがちですが、それが現実的な描写になるとこんなに残酷なのか…と呆気にとられます。
映画のエンドクレジットではこの作戦で犠牲になったシールズ隊員たちの生前の写真や映像が出てきますが、こんなの泣かないわけないやん(´;ω;`)。みんな家族や恋人がいて生活があったのに…とどんよりさせられます。
特に、まだ20代前半でシールズ所属になったばかりの青年のあどけない笑顔は観ていて辛さが極まりますね。
キャストがみんな渋くて素敵
圧倒的な戦闘シーンや「実話」というバックグラウンドもですが、それをしっかり支える渋いキャストもよかった。
主演のマーク・ウォールバーグはもはや説明不要のスターですが、彼とチームを組むテイラー・キッチュ、ベン・フォスター、エミール・ハーシュの中堅実力派3人がかなりかっこよかったです。
特にベン・フォスター。彼は「戦う寡黙な男」を演じたら本当に似合いすぎて本職の人にしか見えませんね。ボロボロになりながらも愚痴ひとつこぼさず黙々と戦って、最後もまるで野生の狼のような目を敵に向けながらの散り様で、本作で一番記憶に残りました。
まとめ:リアルな現代戦を観られる良作
21世紀以降の現代戦を描いた戦争映画の中でも、緊張感やリアリティは随一だと思います。
圧倒的なスピード感や迫力で、ノンストップで戦場のど真ん中の視点を見せつけられるのは凄まじいインパクトでした。
現代戦争映画の中でもかなりの良作と言えます。
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