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「マンイーター」感想・評価 ワニパニック映画の隠れた傑作(ネタバレあり)

マンイーター (アンレイテッド・バージョン) (字幕版)

サメ映画はおふざけB級のイメージがすっかり定着してしまいましたが、ワニ映画はまだもう少し真面目なイメージがありますよね。

そんなワニパニック映画の中でもあまり知られていない隠れた傑作が、2007年のオーストラリア映画「マンイーター」です。意外な豪華キャストも見どころなこの作品を、詳しくレビューします。

 

「マンイーター」あらすじ

 

2007年 オーストラリア

監督:グレッグ・マクリーン

キャスト:ラダ・ミッチェル、マイケル・ヴァルタン、サム・ワーシントン

 

オーストラリアのカカドゥ国立公園。女性ガイドのケイトや旅行ライターのピート、観光客たちを乗せていたクルーズ船が、河の中から何かに突き上げられた衝撃で故障し、河の中ほどの小島に座礁してしまう。

さらに、河の中には船を故障させた巨大なワニが潜んでおり、人々を一人また一人と襲っていく。

満潮によって島の水没が迫る中、ケイトたちはなんとかワニから逃れる方法を考えるが……

 

「マンイーター」感想

「ワニってめちゃめちゃ恐いじゃん…」ってなる

「観光地の大河の中の小島に取り残されてしまったクルーズ船の乗客たちが、巨大ワニに襲われる」という超オーソドックスな内容のこの映画。これ以上ないほどベタで正統派なモンスターパニックです。

で、そんなモンスターパニックとしてのお約束を、きちんとハイクオリティに描いてるのがこの映画の勝因。奇をてらわず堅実な内容ながら、しっかり恐がらせてくれます。

 

この手の映画のお約束として前半では直接のワニ描写は少ないものの、それがちゃんと「ワニがどこにいるか分からない緊張感」として活きてるのがいいですね。水の音がしたかと思ってふり返ると、さっきまでそこにいたはずの人がいない……というシーンはなかなかゾッとさせてくれます。

そこから後半での怒涛の襲撃シーンは、前半の緊張感がある分さらに圧巻です。それまではほとんど姿の見えなかったワニがいきなり飛び出してきて人ひとりを一瞬でかみ殺していく様は寿命が縮みます。

 

クライマックスでのワニとの一騎打ちは、アニマルパニック映画史に残る名シーンと言えるんじゃないでしょうか。ろくな武器もなくトラックほどもあるワニと対峙する恐さは凄まじいものがあります。

ちゃんと「野生動物としてのワニの恐さ」を体感させてくれるのがリアルでナイスです。

 

サム・ワーシントンは微妙な役どころ

アニマルパニック映画ということでスケール感は小さめな「マンイーター」ですが、実は意外と豪華キャストが出演してるのも見どころなんですよね。

まず、主人公ピート役はドラマ「エイリアス」の準主役として知られる俳優マイケル・ヴァルタン。さらに、彼と並んで主演ポジションのケイトを「サイレントヒル」「エンド・オブ・ホワイトハウス」と話題作常連のラダ・ミッチェルが演じています。

 

そして、「アバター」「タイタンの戦い」で知られるサム・ワーシントンも出演……なんですが、中盤でわりとあっさり退場する地元のチンピラ役という、なんとも言えないポジションです。

当時はまだまだマイナー若手俳優だったので仕方ないんですが、サム・ワーシントン目当てで観た人はがっかりですよね。日本では「アバター」で有名になった後に流通した作品なので、まるで彼が主演かのごとく真ん中に据えられたDVDジャケットになってるのがせこいです。

【アバターの】サム・ワーシントンってあんまり売れなかったね【主演俳優】 - 怠惰ウォンテッド

 

ちなみに、ラダ・ミッチェルとサム・ワーシントンは映画の製作国であるオーストラリア出身。母国の映画ということもあってのメインキャスト抜擢だったんでしょうか。

 

まとめ:野生動物としての「ワニ」の恐さを味わえます

襲撃シーンの緊迫感もワニのCGクオリティもかなりハイレベルで、「ワニが襲ってくる系パニック映画」としては、間違いなく最高クラスの仕上がり。

「U.M.A レイク・プラシッド」や「クロール -狂暴領域-」と並んで、ワニ映画界のトップ層に位置する名作だと思います。

B級映画ではありますが、「B級の中では超A級」なのは間違いないでしょう。

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