海洋パニック映画の超名作「ポセイドン・アドベンチャー」を現代的にリメイクした2006年の映画「ポセイドン」。
ストーリー的にはかなり薄味なので原作と比較されて酷評されましたが、個人的にはパニックアクション映画として見ごたえ十分の良作だったと思います。
見どころを詳しくレビューしていきます。
「ポセイドン(2006)」あらすじ
2006年 アメリカ
監督:ウォルフガング・ペーターゼン
キャスト:ジョシュ・ルーカス、カート・ラッセル、ジャシンダ・バレット、エミー・ロッサム、マイク・ヴォーゲル
豪華客船「ポセイドン号」の中では、航行中に新年を迎えるということもあって大晦日のパーティーが行われていた。
ところが、そこに巨大な波が直撃し、ポセイドン号は真っ逆さまに転覆。大混乱が起きて多数の死傷者が出る。
いつ船が完全に沈没するか分からない状況の中、乗客のディランをはじめとする生存者たちは船外へ脱出するためのサバイバルをくり広げていく。
「ポセイドン(2006)」感想
破壊描写とサバイバル描写の迫力は素晴らしい
原作が偉大過ぎてこのリメイク版はいまいちな評価でしたが、個人的にはパニックアクション映画として文句なしのクオリティだと思います。
特に見どころなのは破壊描写。冒頭のポセイドン号転覆シーンは現代的なCG演出もあって、圧巻と言っていいレベルの大迫力でした。
吹き抜けのロビーを真っ逆さまに落下する女性とか、調理場の爆炎に飲み込まれる乗員たちとか、ディスコルームの漏電で感電死する乗客とか、トラウマになりそうなシーンも多め。パーティーホールが上下反転してテーブルや人間がぐちゃぐちゃになる描写は「どうやって撮ってんだ…」と驚かされます。
そこから続くサバイバル描写もかなり濃くて、しかも一つひとつがやたらと心臓に悪い。大げさじゃなく一時も気が休まる暇がありません。観ているこちらも呼吸が乱れっぱなし。
海洋パニック映画でお決まりの「浸水した通路を素潜りで進む」というシーンもあったりして、やっぱりこういう場面では息を止めながら観てしまいますね。
個人的にはその前にある「通気ダクトの出口が開かず水が迫ってくる」シーンの方が嫌でした。「通路の途中で体がつっかえる」なんて描写まであって、閉所恐怖症にとっては想像を絶する恐さです。
「タイタニックー人間ドラマ」って感じ
テーマ的には「ポセイドン・アドベンチャーのリメイク」ということですが、観た感じでは「『タイタニック』から人間ドラマを抜いた版」とでも言う方がイメージが合ってる気がします。
製作年的にも「タイタニック」の方が近いし、船が沈没する海洋パニック映画としての描写も似てます。
ただ、「ポセイドン」の方は映画開始から15分もせずパニックが始まるというハイスピードで、尺も90分強と短め。「ストーリーはいいから破壊描写を観ろ!」という作り手の声が聞こえてきそう。
「タイタニック」から人間ドラマ要素を全部抜いたらちょうど90分くらいになりそうだし、やっぱり「パニック要素だけのタイタニック」と説明する方がイメージしやすいでしょう。
まとめ:お手軽パニック映画として観れば文句なし
あの名作「ポセイドン・アドベンチャー」と比べられてしまうから評判が悪くなっているのであって、単品のパニックアクション映画として観れば迫力は文句なしです。
尺が90分しかないも逆にメリットになっていて、手軽に刺激が欲しいときにパッと観れるエンタメ作品としてぴったりじゃないでしょうか。
こちらの記事もおすすめ↓