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クレヨンしんちゃん映画に見る「パニック映画」の世界

映画 クレヨンしんちゃん オラの引越し物語~サボテン大襲撃~ [DVD]

「劇場版クレヨンしんちゃん」といえば、ファミリー向けのエンタメ作品から意外な感動を呼ぶ名作まで、アニメ映画界の中でも定番の人気シリーズです。

そんなクレヨンしんちゃん映画ですが、実は「パニック映画」としても優秀な作品が多いという特徴があります。

というわけで、色んなクレヨンしんちゃん映画の中に見える「パニック映画」要素をまとめてみました。

王道モンスターパニック:オラの引越し物語 サボテン大襲撃

クレヨンしんちゃん映画の中でもおそらく一番パニック要素が多いのが、2015年公開の「オラの引越し物語 サボテン大襲撃」です。

はじまりは「ひろしの海外転勤が決まり、野原一家そろってメキシコの田舎町に引っ越す」というクレしん映画の中でも異質のもの。引っ越し先で人を丸飲みする肉食サボテンの大群が現れて、町から脱出するために奮闘する……という展開が続きます。

「田舎町で人食いモンスターと戦う」ということで、まさにモンスターパニック映画の超王道ストーリーです。もちろんクレしん映画なので最後にはハッピーエンドになりますが、サボテンの大群がウネウネと人を飲み込んでいくのはけっこう嫌な感じがします。

逃げ惑う人々の大パニックや銃での応戦、ヘリの墜落など派手目なアクション要素も強くて、この手のB級パニック映画が好きな人なら、クレヨンしんちゃんのファンじゃなくても楽しめるんじゃないでしょうか

「クレヨンしんちゃん オラの引越し物語 サボテン大襲撃」感想 何気に超正統派モンスターパニック - 怠惰ウォンテッド

 

超本格SFホラーパニック:伝説を呼ぶ 踊れ!アミーゴ!

「サボテン大襲撃」と並んでパニック要素が強いのが、2006年公開の「伝説を呼ぶ 踊れ!アミーゴ!」

しんのすけたちが暮らすかすかべの住民たちが、見た目も言動も人間そっくりだけど人間じゃない「クローン人間」に入れ替わって街が乗っ取られていく……というSFホラーテイストのお話です。

一見ふつうの日常だけど、至るところに違和感がいくつもある……という描写がかなり恐くて、なかには「これ子ども泣くんじゃないの?」というトラウマレベルのシーンもあります。風間くんのママが生の七面鳥肉を舌で巻き取って丸飲みしたりします

後半に行くほどパニック要素が薄くなって失速してしまいますが、中盤までのパニック映画っぷりはかなり完成度が高いです。

あらすじを見ただけでSFファンなら気づく人もいるかもしれませんが、ストーリーの原案になったのはハリウッドで映画化もされてる名作SF小説「盗まれた街」です。ある意味ではアニメ邦画版「ボディ・スナッチャー/恐怖の街」と言えるかもしれません。

 

ジャングルでサバイバルパニック:嵐を呼ぶジャングル

2000年公開の劇場版8作目。クレヨンしんちゃん映画のタイトルが「〇〇を呼ぶ〇〇」というかたちに定着したきっかけの作品でもあります。

幼稚園の仲良しメンバーとその家族で豪華客船ツアーに参加するも、とある島の付近でサルの大群が船内に侵入して大人たちを拉致。大人たちを取り返すためにしんのすけたちが島のジャングルに降り立つ……というお話です。

「未開のジャングルを子どもたちだけで突き進む」ということで、前半~中盤にかけてかなり本格的なサバイバルパニックが展開されます。もちろんコメディ色全開ですが、野生のワニの大群に囲まれたりとなかなかのサバイバルっぷりです。

 

文明崩壊パニック:嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲

クレヨンしんちゃん映画の中でも「泣ける名作」として知られる「嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲」

よく知られているのは野原一家の絆が描かれる後半のストーリーですが、「洗脳された大人たちが家族や日常を捨てて遊びの世界に逃げ込んでしまう」ことによるパニック描写も見どころです。

子どもたちだけが取り残された街では次第に電気やガスが止まっていき、年長者が小さい子を追い払って食料品を独占しようとする……という展開は、文明崩壊パニックさながらです。

クレしん映画だからこそ笑いの要素が強めですが、自分がこの子どもたちの立場だったらと考えるとけっこうシャレにならない怖さでしょう。

 

「シン・ゴジラ」さながらの怪獣パニック:爆発!温泉わくわく大決戦

日本の近年のパニック映画といえば「シン・ゴジラ」が話題になりましたが、その劇中の「巨大怪獣VS自衛隊のリアル戦闘」を先取りしていたのが1999年公開の「爆発!温泉わくわく大決戦」です。

後半では悪の秘密組織が作り出した巨大ロボットの暴走が描かれますが、戦車と戦闘ヘリの波状攻撃が行われたり、よく見たら戦車隊の指揮車両として通信車があったり、「未知の脅威が現れたときの自衛隊の応戦」をかなりリアルに描いてます。

さらに、テレビが次々に緊急放送に切り替わり、避難指示が発令されてかすかべの人々が自衛隊主導で避難を強いられたり、災害時のような生々しいシーンもあります。

クレしん映画らしからぬシリアスで現実的な描写は、今観ると「シン・ゴジラ」の先がけのようです

 

まとめ

どうでしょうか。思った以上に「パニック映画」として楽しめるクレヨンしんちゃん映画の一面が垣間見えましたね。

今思えば、僕がこんなにパニック映画やホラー映画が好きになったのも、クレヨンしんちゃん映画を毎年欠かさず観ていたことが要因のひとつにあるのかもしれません。

この中でも特に最初に紹介した2作は、クレヨンしんちゃん関係なしに純粋に「パニック映画」として楽しめるクオリティなので、子ども向けアニメと侮らず観てみると意外に楽しめるかもしれませんよ。