アクション映画において「銃撃戦」は重要な見せ場のひとつですが、数え切れないほどのアクション映画があるハリウッドにおいても「ウォンテッド」は屈指のぶっ飛びおバカ映画でしょう。
ストーリーは二の次で、「銃撃」の見せ方をとことん極めたこの作品。まさに「観る劇薬」とでも言うべき怪作です。詳しくレビューしていきます。
「ウォンテッド」あらすじ
2008年 アメリカ
監督:ティムール・ベクマンベトフ
キャスト:ジェームズ・マカヴォイ、アンジェリーナ・ジョリー、モーガン・フリーマン、テレンス・スタンプ、コモン、トーマス・クレッチマン
理不尽な上司や不真面目な同僚に囲まれる生活に疲れ果てていたサラリーマンのウェスリーは、ある日フォックスと名乗る女殺し屋と出会い、自分が凄腕ヒットマンの遺伝子を受け継いでいると知らされる。
フォックスに導かれ、世界を裏で守る組織フラタニティに所属することになったウェスリー。過酷な訓練を乗り越えて、次第に殺し屋として頭角を現していくが……
「ウォンテッド」感想
銃弾がカーブしたっていいじゃない、映画だもの
ハリウッドのエンタメアクション映画と言えば、あり得ないシーンを盛り込んでぶっ飛んだ世界観を見せるのも魅力のひとつ。その中でもこの「ウォンテッド」は、公開から10年以上が経った今でもカルト的人気を誇る怪作ですね。
内容はいい意味でリアリティ皆無。ハエの羽だけ狙撃したり手首のスナップを効かせて銃弾をカーブさせたり、銃弾で銃弾を打ち落としたり。やりたい放題過ぎて、はっきり言ってバカです。
が、それこそが最大の見どころ。「リアルなんてク〇くらえ、派手でかっこよければいい」と言わんばかりの突き抜けっぷりで、娯楽としてのアクション映画を追求するパワフルさが潔いです。エンタメ映画はこうでなきゃね。
映画なんだから何したっていい。銃弾がカーブしたっていい、面白ければいい、というスタンスが最高。この振り切りっぷりがあるからこそ、今でも映画マニアの間で語り草になる名作(迷作?)になってるんでしょう。
今観たらかなりの豪華キャスト
公開当初はまだまだ「期待の若手」くらいだった主演ジェームズ・マカヴォイですが、今となっては「X-MEN」シリーズや「スプリット」などで知られるベテラン実力派になりましたね。
もう一人の主演はアンジェリーナ・ジョリーだし、モーガン・フリーマンも出演してたりして意外と超豪華キャスト。テレンス・スタンプ、コモン、トーマス・クレッチマンと脇を固める俳優も実力派ぞろいで、今もハリウッドで活躍する顔ぶれが並んでます。
さらに、ウェスリーの会社の同僚役でクリス・プラットが出演してるのは意外と知られてません。今でこそ「ジュラシック・ワールド」や「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」でスター俳優になりましたが、当時はまだまだ無名も無名。ウェスリーにキーボードでぶん殴られて歯が飛ぶというとんでもない役どころで、今とのギャップが凄いですね。
ここまで悪者なモーガン・フリーマンも珍しい
あとこの映画、「モーガン・フリーマンが徹底的に悪役」というかなり珍しい映画です。
名作から駄作まで出演作がめちゃめちゃ多いことで知られる彼ですが、基本的には善人キャラ。それが本作では「実は裏で世界を操る利己的な極悪ボス」という完膚なきまでに悪いキャラクターで、モーガン・フリーマンの演技としてはレアな一面が見られます。
しまいには「主人公から数十kmものありえない長距離狙撃で頭をぶち抜かれる」というとんでもない最期を迎える悪っぷり。びっくり顔のモーガン・フリーマンの眉間から銃弾が突き抜けてくるシーンなんて、間違いなくこの映画でしか観られません。
まとめ:考えるな、感じろ
これはまともに頭を使って考えながら観る映画じゃありませんね。完全に「己の血と戦闘本能で感じるアクション映画」です。
こんな映画ばっかりだと世の中が大変なことになりますが、たまにはこんな映画を観るのもいいですね。アドレナリンとドーパミンを発してテンションを上げたいときには最適です。
あとこの映画、主人公の吹替がDAIGOなんですが、あまりにもそのまんまDAIGOで笑えます。吹替で観るのが色んな意味でおすすめです。
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