SF映画に登場する多種多様なエイリアンたち。一言で「エイリアン」といっても、E.T.みたいなやつから「インデペンデンス・デイ」みたいなやつ、ロボットっぽいやつ、狂暴なモンスター気質のやつなど、色んなタイプがいますよね。
そんな中で今回注目したいのが「人間に寄生したり、人間の皮を被ったりして、人間に化けるエイリアン」です。
見た目は人間なのに、中身は実はエイリアン……そんなSF映画をまとめてみました。
- 遊星からの物体X
- 遊星からの物体X ファーストコンタクト
- インベージョン
- SF/ボディ・スナッチャー
- ヒドゥン
- スリザー
- スナッチャーズ・フィーバー 喰われた町
- スピーシーズ 種の起源
- アンダー・ザ・スキン 種の捕食
- (番外編)メン・イン・ブラック
- まとめ
遊星からの物体X
「人間に化ける系の寄生エイリアン」が登場する映画としては、金字塔とも言える作品。SFホラー映画としてカルト的人気を博し、後世のホラー映画界にも大きな影響を与えた重要な名作です。
ストーリーは「逃げ場のない南極基地を舞台に、細胞レベルで人間に擬態してしまうエイリアンが基地の隊員たちを襲う」というもの。
「誰が人間で誰がエイリアンか分からない……」というサスペンス的な恐怖はもちろん、エイリアンの生態を突き止めようとする隊員たちの奮闘、グチャグチャドロドロのエイリアンの造形など、パニックホラー的な見どころも豊富です。
遊星からの物体X ファーストコンタクト
リメイク作ではなく、「遊星からの物体X」の前日譚を描く正式続編です。1作目の少し前、別の南極基地を舞台に、例のエイリアンがどこから現れたのかを描きます。
2010年代に入ってからの作品ということで、VFXなどの映像面の技術は前作から格段に進歩。CGによってより動きのあるエイリアン描写が可能になったことで、パニックアクションの要素が強くなりました。
前作さながらのグチャグチャエイリアンが、絶叫を上げながら迫ってくるシーンはかなり心臓に悪いです。1作目の遺伝子をしっかり受け継ぎつつ、また違った味わいのある良作としておすすめ。
インベージョン
ジャック・フィニイによる名作SF小説「盗まれた街」を、ニコール・キッドマン主演で映像化したSFホラー映画。
宇宙から飛来したエイリアンに寄生され、見た目はそのままに中身が人間でなくなってしまった存在たちによって、人間社会が乗っ取られていく様を描きます。
「ふつうに喋るし食事もとってる。でもあれは明らかに私の夫(妻)じゃない……」という日常に潜む違和感の描写が絶妙に怖くて、気づいたら街の人の大半がエイリアンに乗っ取られてる世界観もゾッとさせられます。
ストーリー展開や演出に多少の雑さはありますが、そこそこ製作費もかかっててそれなりに見ごたえのある、軽めの良作です。
売れる前のダニエル・クレイグが出てるのも見どころ。
SF/ボディ・スナッチャー
こちらも「盗まれた街」の映画化作品。この小説はやたらと原作として人気が高くて、これまでに4度も映画化されてます。
この「SF/ボディ・スナッチャー」は1978年公開の作品で、ドナルド・サザーランドや若かりし頃のジェフ・ゴールドブラムが出演してます。当時のホラー映画らしいグチャグチャ感が味わい深さを感じさせて、ストーリーでしっかりと魅せる良作です。
ちなみに、監督は「レイダース/失われたアーク《聖櫃》」の原案や「存在の耐えられない軽さ」の監督を務めたフィリップ・カウフマンです。
ヒドゥン
異星人が乗り移って狂暴化した殺人犯を捕らえるために、ベテランのロス市警刑事と、正義の異星人が乗り移ったFBI捜査官がタッグを組むという異色のSFアクション映画。エイリアンSFホラー×バディもの刑事アクションという珍しいジャンルの融合で、主人公2人のエイリアン追跡劇が描かれます。
ナメクジみたいなエイリアンが人間の体内にウネウネと入っていったりして、モンスターパニック的な見どころもばっちりです。
1980年代のエンタメ映画の傑作のひとつとして評価が高く、当時は「日曜洋画劇場」や「木曜洋画劇場」の常連作品として日本でも人気を集めたそうです。
スリザー
2006年公開の作品ですが、グチャグチャでゴアゴアなエイリアン描写が80年代感を感じさせるSFホラー映画。田舎町を舞台に、ヒルみたいな寄生エイリアンが人間に取りつき、ゾンビ化させていくパニックが描かれます。
全体的にコメディ色が強くて軽いノリで、死者もたくさん出るしエグい殺戮シーンもあるけど気楽に観れます。ただ、エグいを通り越してもはや汚いシーンが多いので要注意です。
キャストもかなりB級寄りですが、「ウォーキング・デッド」のメルル役や「 ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」のヨンドゥ役でおなじみマイケル・ルーカーが出演してたりします。
スナッチャーズ・フィーバー 喰われた町
映画学校の学生チームがとある町に取材に訪れるも、町の人々の様子がおかしいことに気づく。人々は一見すると普通の人間だが、中身は得体の知れない化け物になっていて……というお話。
「エイリアン」と明言されるわけではありませんが、異形の存在に人間社会が乗っ取られるホラー映画としてここで紹介させてもらいます。
スケール的にはかなり小ぢんまりしたB級映画で、ぶっちゃけストーリーは出来の悪い部分もけっこうあります。
が、それを差し引いても「人間のようで人間でない何か」の恐怖描写はかなり秀逸で、目鼻口のバランスがおかしい異様な顔でいきなり「ドンッ!」と目の前まで迫ってくるシーンはゾクッとします。
ショッキングなドッキリ系パニックホラーとしては一見の価値ありです。
スピーシーズ 種の起源
人間とエイリアンのDNAの結合によって生まれた生命体「シル」が自分の種を増やすために暴走する様と、シルを止めようと奔走する研究チームの戦いを描く異色のSFホラー。
前半は「ミステリアスな女性エイリアンが男たちに迫る」という艶やかでドキドキなシーンが続きますが、一転して後半ではおぞましい正体を現したシルと研究チームの死闘が展開されます。
1990年代の名作ホラー映画のひとつとしてカルト的人気を博し、続編や便乗タイトルのパチモン映画が多数作られて「スピーシーズ」ブランドとも言える人気を確立しました。
キャストもベン・キングズレーにマイケル・マドセン、フォレスト・ウィテカー、ナターシャ・ヘンストリッジと、今見たらなかなか豪華です。
アンダー・ザ・スキン 種の捕食
これも「美女の姿のエイリアンが男を捕食する」系の映画。ですが「スピーシーズ」と違って、こちらはスカーレット・ヨハンソン演じる主人公が物理的に喰います。
かなりアート色の強い作風で、抽象的な演出やシチュエーションが多め。幻想的な映像美がダイレクトに感情を揺さぶる不穏さを感じさせてくれて、得体の知れない気味悪さを覚える一方で、スカヨハの美貌に息を飲むシーンもあります。
単純に「怖い」とも「面白い」とも言いづらいですが、不思議な魅力のある作品です。
(番外編)メン・イン・ブラック
忘れがちですが、これも「エイリアンが人間に化けて社会に紛れ込んでる」系の映画ですよね。
メインとなるのはエイリアンを取り締まるMIBたちの活躍ですが、ユニークなエイリアンたちが多種多様な方法で人間になりすましてる様も見どころのひとつです。
気軽に笑いながら「実はエイリアンは日常の中にいるのかも…?」と想像力を刺激される傑作でしょう。
まとめ
こうしてみると、「エイリアンが人間に化ける」系の映画も多種多様ですね。体を丸ごとコピーして成りすます作品もあれば、意識だけ乗っ取る作品もあります。
ぜひこれらの作品を手に取って、「社会や日常風景を未知のエイリアンに乗っ取られる恐怖」を疑似体験してみてください。
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