ハリウッド映画界でも異色の監督として名高いM・ナイト・シャマラン。
クセのある世界観とひねりの効いたストーリー、強烈なキャラクター、独特の演出スタイルと、とにかく個性的な作風が特徴の監督です。
その作品の評価は大絶賛から賛否両論、大批判まで幅広く、色んな意味で常に話題を集めてきました。
そんなM・ナイト・シャマランが監督したり、プロデューサーとして関わった作品を、今回は独断でランキング形式にして紹介します。
- 10位:アフター・アース
- 9位:デビル
- 8位:ヴィレッジ
- 7位:ヴィジット
- 6位:ウェイワード・パインズ 出口のない街(ドラマ)
- 5位:ハプニング
- 4位:アンブレイカブル
- 3位:シックス・センス
- 2位:サイン
- 1位:スプリット/ミスター・ガラス
- まとめ
10位:アフター・アース
凶暴な生物が巣食う星となった地球に宇宙船ごと墜落した親子がサバイバルするお話。ウィル・スミスの出番は控えめに、息子のジェイデン・スミスが主役を張っています。
シャマラン監督作の中でも特にパッとしない扱いの作品ですが、個人的には嫌いじゃありません。
確かにウィル・スミスが「息子を前面に押し出したアクション大作で親子共演したい!」と親バカを発揮した感はあるし、製作費の規模に見合った良作かと言われると微妙ですが、こういうSFアドベンチャーとしてはそう悪くない作品じゃないでしょうか。
抽象的にメッセージを伝えるストーリーもどことなくシャマランっぽいし、変わり種の珍味としてはありです。
9位:デビル
M・ナイト・シャマランが原案を手がけ、彼のスタジオであるザ・ナイト・クロニクルズが製作を務めたホラー映画。エレベーターが停止して中に閉じ込められた男女5人が、一人また一人と不審死を遂げていく謎と恐怖を描きます。
エレベーター内の人々の疑心暗鬼はもちろん、彼らを救おうとする警備員や警察の奮闘も見どころ。クライムサスペンスっぽさもあって、ワンシチュエーションながら飽きずに楽しめます。
オチは色んな意味でアメリカっぽい感じですが、個人的にはこれはこれでありですね。
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8位:ヴィレッジ
森に囲まれた村で自給自足の生活を送る人々。森の中には「怪物」がいると言われていたが、森に入ってはいけないという掟が破られたことから恐ろしい出来事が起こっていき……というミステリーホラー映画。
じわじわとメンタルを削ってくる不穏な世界観、重厚な謎が明けた末にあるどんでん返し。これぞM・ナイト・シャマラン映画だ!という感じの作品です。じめっとした暗い雰囲気の映画が好きならおすすめ。
7位:ヴィジット
2010年代に不調が続いていたシャマラン監督が、久々に高評価を獲得した作品。
ある姉弟が冬休みに祖父母の家に泊まりに行き、初めて会う祖父母のもとで楽しい休暇を過ごすも、しだいに祖父母が異様な言動を見せてきて……というサスペンススリラーです。
手持ちカメラの映像で進行するPOV方式の作品で、前半の楽しげなホームビデオ感から一転。祖父母の異常性が露わになるにつれて、生々しい臨場感のある恐怖映画へと変わっていきます。
ぞわっとする嫌悪感や不快感、「マジか…」となる衝撃の終盤と、シャマラン節をしっかり楽しめる良作です。
6位:ウェイワード・パインズ 出口のない街(ドラマ)
シャマラン監督の関わった映画作品が少なくてトップ10を作るのが難しいので、ドラマも挟ませてください……
この「ウェイワード・パインズ 出口のない街」はM・ナイト・シャマランが製作総指揮を手がけたことで話題を呼んだドラマで、あるFBI捜査官が目覚めると見知らぬ田舎町にいた……というミステリーサスペンス仕立てのお話です。
コンパクトながらストーリーと人間ドラマでじっくり見せる作品に仕上がっていて、正統派ミステリードラマとしておすすめ。
5位:ハプニング
マーク・ウォールバーグとズーイー・デシャネル主演で、「人々がいきなり自殺していく」という謎の現象が広まるアメリカを描くパニック映画。批評家の評判は低めですが、個人的にはかなりの良作だと思います。
「自殺連鎖の原因が何なのか、どうやったら防げるのか何も分からない」というのがとにかく怖くて、「実際に異常なパニックが起こったらわけも分からず死んでしまうんだよ」という現実を見せつけられてるみたいです。ショッキングな死亡シーンも多め。
この抽象的で不鮮明な不気味さがM・ナイト・シャマランの持ち味のひとつなのに、批評家は分かってねえな。
4位:アンブレイカブル
ブルース・ウィリスとサミュエル・L・ジャクソンが共演したSFサスペンス映画。
なぜか病気もせず怪我も負わないという超人的な肉体を持つ男デヴィッドが、難病によって脆弱な体に苦しむイライジャと知り合ったことをきっかけに、自身の強靭な肉体を駆使して事故や事件を防ぐヒーローになっていきます。
いわばM・ナイト・シャマラン流のヒーロー映画ですが、そこはやっぱり彼らしいダークな雰囲気が流れています。この異色さがシャマランの魅力ですね。
3位:シックス・センス
言わずと知れたサスペンス映画の超名作。M・ナイト・シャマラン監督といえばこれを思い浮かべる人も多いんじゃないでしょうか。
霊が見えることに悩む少年コールを助けるために、精神科医マルコムが彼に協力していくストーリーが描かれます。
ホラーテイストの中にも哀愁や感動のある重厚なストーリー、ハーレイ・ジョエル・オスメントとブルース・ウィリスの名演、そして衝撃のラスト。全てが高水準でまとまってます。
「衝撃のラストといえばこの映画」と有名になりすぎたせいで、今ではそのラストの内容があまりにも知られ過ぎている、という難点もありますが……
2位:サイン
こちらもM・ナイト・シャマランの代表作として名高い作品。主演はメル・ギブソンで、「ジョーカー」で圧倒的評価を受けたホアキン・フェニックスも出演してます。
「ミステリーサークルの出現→エイリアンの目撃→地球侵略」と日常がじわじわ侵食されていく様をじっくり描いたSFホラーで、人類の危機をあえて田舎町に住む一家の視点からミニマルに描く作風が特徴です。
シャマランの持ち味が全開に発揮されたストーリーはとにかく不気味で、ゆっくりと恐怖がこみ上げてきます。SFでありながらスピリチュアルなメッセージ性も込められていて、「家族」の愛を描くヒューマンドラマとしても秀逸。見どころだらけの傑作です。
1位:スプリット/ミスター・ガラス
「アンブレイカブル」とつながる世界観を持つことで話題になった、いわば「M・ナイト・シャマラン・ユニバース」とでも呼ぶべき作品たち。
23もの人格を持つ多重人格者ケビンを中心に、驚異的なストーリーが展開されるクライムサスペンス映画です。
最大の見どころは何といってもケビン役ジェームズ・マカヴォイの怪演。全く違う口調・仕草・表情へとコロコロ変貌していく様は、本当にいくつもの人格を持っているとしか思えないレベルです。
現時点でのM・ナイト・シャマランにとって、最大規模の世界観の作品として必見。
まとめ
というわけで、M・ナイト・シャマラン監督のおすすめ作品をランク付けしていきました。
強烈な個性と独特の世界観が魅力のM・ナイト・シャマラン作品。かなりクセが強いので好みが分かれるとは思いますが、不穏でダークで謎に満ちた世界は、ハマる人はとことん好きだと思います。
ハリウッドの王道とはまた違った、異色のテイストの映画としておすすめです。
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