スティーヴン・スピルバーグ監督による名作「ジョーズ」を皮切りに、サメの脅威を描くサメパニック映画はいつの時代も人気を集めてきました。
そんな中、2000年代後半くらいから、変なシチュエーションで変なサメを描くおふざけB級サメ映画のブームが到来。ショボいCG、ひどい演技、ふざけたストーリーの低予算作品が大量生産され、ネタ映画としてマニアの間で人気を集めてきました。
そんな笑えるB級サメ映画のおすすめ作品を一挙紹介します。なるべく「まだマシな作品→ひどすぎて観てられないク〇映画」という流れになるように並べました。
- B級サメ映画の王様:「シャークネード」シリーズ
- 頭が増えれば強さも倍増?:「ダブルヘッド・ジョーズ」シリーズ
- まさかのハリウッドB級サメ映画:MEG ザ・モンスター
- スーパーでサメに襲われる:パニック・マーケット3D
- サメとタコが合体:シャークトパス
- サメ&タコVS狼&鯨:シャークトパスVS狼鯨
- 未来はサメが支配していた:PLANET OF THE SHARKS 鮫の惑星
- でかいサメとでかいタコの戦い:メガ・シャーク VS ジャイアントオクトパス
- でかいサメと巨神兵の戦い:メガ・シャーク VS グレート・タイタン
- 超でかいサメと最新ロボ(笑)の戦い:シャーク・アタック!!
- 突然変異サメが大暴走:シン・ジョーズ
- サメと女囚人が森で対決:シャーク・プリズン 鮫地獄女囚大脱獄
- 砂浜を泳ぐサメ:ビーチ・シャーク
- 雪の中を泳ぐサメ:アイス・ジョーズ
- 神出鬼没の幽霊サメ:ゴースト・シャーク
- 咬まれたらゾンビになるサメ:ゾンビシャーク 感染鮫
- エイリアンの力でサメがロボ化:ロボシャークVS.ネイビーシールズ
- 古代のサメが復活:ジュラシック・シャーク
- 映像も内容もひどすぎる最底辺B級サメ映画:デビルシャーク
- ひどすぎて逆に愛せるB級サメ映画:ハウス・シャーク
- まとめ
B級サメ映画の王様:「シャークネード」シリーズ
おバカB級サメ映画界において頂点に君臨する超大作シリーズ。竜巻に巻き上げられたサメが大都市に降りそそぎ、人々がそれに立ち向かう……というお話なんですが、なんと全6作という長寿シリーズとなっています。
作品が進むにつれて「ホワイトハウスやスペースシャトルをサメが襲撃」「炎や核物質を巻き込んだスーパーシャークネードの出現」「サメと一緒に大気圏突入」「シャークネードのパワーで時空を超えてタイムスリップ」「主人公の奥さんがサイボーグ兵器になる」など、とても正気とは思えない進化を遂げていくのが見どころ。
もはやまともな部分の方が少ないほどで、完全にネタに振り切っています。
「ふざけ倒したB級サメ映画」の代表的作品として、このジャンルへの入門にはぴったりのシリーズです。
頭が増えれば強さも倍増?:「ダブルヘッド・ジョーズ」シリーズ
こちらもB級サメ映画界の中では代表的な作品。タイトルとジャケットからもすぐ分かるように、頭が2つあるサメが襲ってきます。
ストーリーも適当で俳優の演技も大根で映像もチープというB級パニック映画のお手本みたいな作品で、やられ役のおバカ水着ギャルたちが毎回ちゃんと2人セットずつ出てくるのが笑えます。
ですが、これでも低予算サメ映画界の中ではかなりまともな方。CGも雑とはいえ一応は観れなくもないレベルです。
こちらも「トリプルヘッド・ジョーズ」「ファイブヘッド・ジョーズ」「シックスヘッド・ジョーズ」と頭が増えながら続編が続いてます。とはいえストーリー的なつながりはないので、どれから観ても大丈夫です。
まさかのハリウッドB級サメ映画:MEG ザ・モンスター
これは他の作品とはちょっと事情が違っていて、ハリウッド資本でジェイソン・ステイサム主演という、かなりお金のかかったサメ映画です。
が、内容はB級サメ映画まっしぐら。深海から現れた古代の超巨大サメが暴れまわり、海洋研究所のチームがそれに立ち向かうという超王道モンスターパニックストーリーが展開されます。
ハリウッド大作ということもあって、映像的にはすさまじく豪華。潜水艇や大型探査船とクジラみたいにでかいサメがぶつかり合い、それが本物と見間違うほどリアルなCGで描かれます。
ツッコミどころは満載だしノリ的にも軽いんですが、「ちゃんと作られた、ちゃんと映画としてクオリティの高いB級サメ映画」が観たいときにおすすめ。
スーパーでサメに襲われる:パニック・マーケット3D
津波によって水没した港町で、海水とともにスーパーマーケットに流れ込んできたホオジロザメが店員や客に襲いかかるというパニック映画。
「スーパーの中にサメ」というシチュエーションだけ聞くとおバカ映画ですが、その過程は一応理にかなってますね。現実でもこういう珍事件があったらしいですし。
こちらもB級サメ映画の中ではかなりまともな出来で、サメはちょっとCGっぽいところがあるものの、襲撃シーンやサバイバルシーンはパニックムービーとしてそれなりにハラハラできます。
「閉所×サメ」という状況を最大限に活かした斬新な襲撃描写が多くて、シリアスすぎないノリもナイスです。
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サメとタコが合体:シャークトパス
これもまた分かりやすいタイトルですね。シャークとオクトパスが合体したモンスターが出てきます。
頭がサメ、下半身がタコということで、8本の足をウネウネさせながら地上までノシノシ上がってくるのが見どころ。陸上でも動ける分ふつうのサメより脅威なはずですが、ヒレをぴょこぴょこ動かしながら迫ってくるのはちょっとかわいいです。
パニック映画としてはストーリー運びもちゃんとしてるし、一方でおバカ映画としてもちゃんとツッコミながら楽しめる良作です。
サメ&タコVS狼&鯨:シャークトパスVS狼鯨
シャークトパスまさかの続編。今度は敵としてオオカミとクジラが合体した狼鯨(そのまんま)が登場し、「ゴジラVSキングギドラ」ばりの戦いを見せてくれます。
狼鯨のデザインはけっこういい感じだし、ストーリーのテンポもいいし、こういうネタ映画として覚悟して観ればしっかり面白いです。
一応サメ映画のはずなのにストーリーの舞台はほとんど地上ですが、これはこういうものだと思ってヘラヘラしながら楽しみましょう。
未来はサメが支配していた:PLANET OF THE SHARKS 鮫の惑星
某サル映画の名作を明らかにパクったタイトル。陸地のほとんどが水没して人々が海上都市で暮らすようになった近未来を舞台に、サメの猛攻の中でのサバイバルが描かれます。
海上都市といっても水上家屋を木の橋でつないだ浮き島みたいな町で、タイトルはともかく世界観はもろ「ウォーターワールド」みたいな感じ。ワイルドな海賊みたいなおじさんおばさんが登場したりして、大の大人がこんなバカバカしいキャラを真面目に演じてる様は爆笑必至です。
クソバカB級映画も、ここまでハイテンションに振り切れるなら逆に拍手したくなります。
でかいサメとでかいタコの戦い:メガ・シャーク VS ジャイアントオクトパス
今でこそB級サメ映画の代名詞は「シャークネード」ですが、それ以前は「メガ・シャーク」シリーズがこのジャンルの頂点にありました。
超巨大サメと他のモンスターが戦うシリーズで、本作ではタイトル通り超巨大タコと大激突。
サメが橋をぶっ壊したり戦艦を撃沈したりするめちゃくちゃな描写や、登場人物がもれなく全員頭のネジが弾けきっているストーリーは、こういうネタ映画好きな人にはたまらないはずです。
でかいサメと巨神兵の戦い:メガ・シャーク VS グレート・タイタン
これもメガ・シャークシリーズのひとつ。ジャケットを見て分かるように、「進撃の〇人」っぽい巨神兵が出てきてサメと激突します。
あいかわらずCGの出来はプレイステーション2くらいのガタガタボコボコっぷりですが、「それがどうした!」と言わんばかりに堂々とサメと巨人がぶつかる大雑把っぷりもあって逆に豪快で楽しいです。
超でかいサメと最新ロボ(笑)の戦い:シャーク・アタック!!
めっちゃでかいサメが出てきて、それと軍の秘密兵器(戦車に足が生えたみたいなポンコツ)が大激突するお話。これ以上ないくらいベタでストレートなB級サメ映画です。
サメは見た目は普通ながら戦闘機すら撃墜するぶっ飛んだ強さだし、秘密兵器は涙が出るほどかっこ悪いし、ストーリーには絶対にいらねえだろっていうくらい明らかに過剰なほどの水着おねーちゃんが出てくるし、ひたすら安くて賑やかです。
でもそれが意外と悪くないんだよなあ。
突然変異サメが大暴走:シン・ジョーズ
核実験によって突然変異を起こしたアツアツのサメが人々を襲うお話。日本の某怪獣映画を意識しまくった邦題がひどいですね。
アツアツ核サメは見た目も斬新で触れたものを炎上させたりして、他のB級サメ映画と比べて映像的なインパクトもばっちりです。CGのクオリティは相変わらずですが。
サメと女囚人が森で対決:シャーク・プリズン 鮫地獄女囚大脱獄
刑務所を脱獄して森に逃げ込んだ女囚人たちを、地面の中を進めるサメが襲う、という情報量がオーバーヒートしたおバカ映画。
「女囚人はセクシー+サメは怖い=怖くてセクシーで楽しい!」というものすごく頭の悪い方程式が化学反応を起こして、見るも無残なB級地雷ムービーに仕上がってます。
ひどい映画なのは間違いないんですが、この手の底辺サメ映画にしてはCGが意外なほどちゃんとしてるのが見どころ。登場人物のキャラも立っていてけっこう楽しいです。
砂浜を泳ぐサメ:ビーチ・シャーク
砂浜の中を動けるサメがビーチを訪れた人々を襲います。「トレマーズ」みたいですね。
やたらと個性豊かな登場人物、「サメの危険性を無視して海開き敢行」という定番の展開、雑なCGだけどボリュームは豊富な襲撃シーン、どれも(地雷B級映画としては)及第点。サメのヒレがビーチをウニョウニョ進むのがシュールで笑えます。
雪の中を泳ぐサメ:アイス・ジョーズ
砂浜の次は雪原。雪の中をサメが進んで襲ってきます。
「呪いによって召喚された悪霊が人々を襲う」という設定なので厳密にはサメじゃないんですが、襲撃シーンや悪霊の見た目は100%サメ映画なので安心してください(?)。
雪山が舞台なのに無理やり水着ギャルが登場したりするあたり、B級サメ映画としてのお約束を何が何でも回収しようという監督の気概が感じられます。
ちなみに本作の監督、伝説のパチもんB級映画「トランスモーファー・リターンズ」を撮った人なんだとか。
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神出鬼没の幽霊サメ:ゴースト・シャーク
ゴーストになったシャークが襲ってきます。
この幽霊サメのルールが「水があるところならどこでも出現できる」という感じなので、シャワールームだろうが台所だろうが庭のプールだろうがいきなり出てきて人をパックンチョ。見た目的にはバカバカしくて笑えますが、襲われる側からしたらたまったもんじゃありませんね。
数あるB級サメ映画の中でも特に変則的な一作としておすすめです。
咬まれたらゾンビになるサメ:ゾンビシャーク 感染鮫
ゾンビサメと、そのゾンビサメに咬まれてゾンビ化した人間の恐怖を描くパニック映画。「ゾンビとサメ」という、ありそうでなかった斬新な組み合わせですね。
ただし、ナイスなのはこの組み合わせアイデアだけで、内容はもちろんチープな超B級。ちゃちなサメと雑なゾンビメイクで、一周まわって「やっぱりね」と安心感があります。
この手の映画としては珍しく、ストーリーに暗い展開が多いのが特徴。どうせなら馬鹿馬鹿しく明るい作風にしてほしい。
エイリアンの力でサメがロボ化:ロボシャークVS.ネイビーシールズ
謎のUFOの力でロボ化したサメと、それに立ち向かう軍隊を描いたアクションコメディ映画。もう色々とぶっ飛びすぎてて、何から突っ込めばいいか分かりません。
全身がメカになってガトリング銃やミサイルを撃つサメ、Twitterに進出してフォローしたりDM送ってくるサメ、それに立ち向かうビル・ゲ〇ツっぽいIT実業家。
冒頭のUFOが無駄にCGに力が入ってたりツッコミどころが山盛りで、まともな頭では理解するのも難しいでしょう。
が、だからこそネタ映画としては最高の出来です。ストーリーが破綻してるからこそ爆笑必至。
古代のサメが復活:ジュラシック・シャーク
数あるクソB級サメ映画の中でも「この作品が最底辺」と言われる殿堂入り地雷映画のひとつ。
ひどすぎるCG、ひどすぎる演技、ひどすぎる画質。完全無欠のクソっぷりで、ここまで紹介したサメ映画たちがすべてハリウッド大作に思えてきます。
ストーリーのテンポ感も最悪で、なんと79分の尺のうち13分がエンドロールです。
いくらなんでも観客を舐めているとしか思えないクオリティで単純にネタ映画としてもあんまり面白くないので、「この世で最も程度の低い地雷映画を一度味わってみたい」という方にしかおすすめできません。
映像も内容もひどすぎる最底辺B級サメ映画:デビルシャーク
サイコキラー修道女によって呼び出された悪魔サメを描く映画。もはや映画と呼んでいいのかも怪しい代物です。
先に紹介した伝説級のクソ映画「ジュラシック・シャーク」の映像を流用した「ロスト・ジョーズ」という映画があるんですが、その映像をさらに流用したのがこの「デビルシャーク」という。
どこがひどいとか言うまでもないほど全てがひどくて、70分が7時間に感じられる苦痛の塊です。あなたの人生で最も意味のない70分になること間違いなし。
ひどすぎて逆に愛せるB級サメ映画:ハウス・シャーク
ここまで紹介した中でおそらく最もひどく、一方で最も面白くもあるB級サメ映画。
タイトル通り家の中にサメが現れるんですが、マジで登場人物みんな意味不明だしサメのビジュアルは色々凄いしで、全てがやばすぎて「あれ?逆に自分の方が異常なのか?」と錯覚してしまうような衝撃体験ができます。
どう見ても段ボールと紙粘土でできたサメがノシノシ屋内を歩き、ドン・キホーテで買ってきたかのようなおもちゃの腕がちぎれ飛び、「本棚のふりをしてサメをやり過ごす」とか、「アル中の血液(アルコールを含んでるらしい)に火をつけてサメを爆破」とか、正気とは思えないシーンが描かれます。
水中シーンをやりたいけど予算が足りないから「画面に青いエフェクトをかけて、役者がゆ~っくり動いて泳ぐふりをする(どう見ても足をついて歩いてる)」という場面は、B級映画史に残る名シーンでしょう。
まとめ
特に後半の作品はあらすじを見るだけで眩暈がするような映画ばかりですね。どうでしょう、これがおバカB級サメ映画の世界です。
前半に紹介した作品も映画としてはかなりぶっ飛んでるはずですが、まだ「一応映画だと認識して観れる」だけでもすばらしく思えてきますね。
ライトにサクッと楽しめるネタ映画が観たいときは最初の方の作品を、地獄のような体験をしてみたいときは最後らへんの作品を観てみてください。ただし自己責任で。
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