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映画「スターシップ・トゥルーパーズ」シリーズをふり返る【評価・感想】

スターシップ・トゥルーパーズ  (吹替版)

SFアクション映画界では色んな意味で伝説として知られ、映画マニアの間で今もカルト的人気を誇る「スターシップ・トゥルーパーズ」

映画史に残る名作(迷作)の1作目は有名ですが、実はその後も5作目まで続く長寿シリーズだったりします。

そんな「スターシップ・トゥルーパーズ」シリーズをふり返りながら、見どころやツッコミどころをあらためて見ていきましょう。

原点にして頂点:スターシップ・トゥルーパーズ(1997)

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全ての始まりはこの1作目「スターシップ・トゥルーパーズ」。1997年製作と、もう20年以上も前の作品なんですね。

巨大な昆虫エイリアン「アラクニド・バグズ」と宇宙に進出した人類の戦いを描くSF戦争大作で、CGを駆使して描かれるリアルなバグの描写、それと真っ向からぶつかる歩兵たちの激しい戦闘シーン、そして血みどろの人体破壊描写が話題になりました。

 

一方でストーリーは「軍国主義バンザイな社会をバカらしく描くことで逆に軍国主義を痛烈批判する」というシニカルなもので、映画全体がフェイク・プロパガンダ映像っぽくなってるのが特徴。あんまりにもあんまりな世界観が賛否両論を呼びました。

 

原作はロバート・A・ハインラインの名作SF小説「宇宙の戦士」ですが、原作最大の特徴でもあるパワードスーツ(ガンダムのネタ元にもなったと言われるロボット装甲服)が予算と映像技術の関係で登場しなかったりと、けっこう別物な部分も。

 

監督が「ロボコップ」や「トータル・リコール」で知られる鬼才ポール・バーホーベンなのも注目ポイントです。言われてみればバーホーベンらしいゲテモノ感が満載ですね。

 

予算激減でB級ホラーに:スターシップ・トゥルーパーズ2(2004)

スターシップ・トゥルーパーズ2 (字幕版)

1作目はハリウッド大作として1億ドルもの製作費がかけられましたが、残念ながら大爆死の大赤字に。そのせいでこの2作目「スターシップ・トゥルーパーズ2」は、予算が700万ドル(およそ15分の1)まで削られてしまいました

 

が、「バグから逃れて荒野の基地に立てこもった小隊が、基地内に入り込んだ寄生バグに襲われる」という閉鎖空間パニックにすることで、映像的なクオリティをキープ。雰囲気をガラッと変えたSFホラー映画として質を保ってます。

スケール的には一気にB級くさくなっていますが、「B級ホラー」であることを前提にすれば十分面白いです。

 

ただ、前作の「入隊だ!出撃だ!みんなで〇のう!」みたいなおバカテンションがなくなったのは少しさびしいですね。

 

シリーズで最もバカな一作:スターシップ・トゥルーパーズ3(2008)

スターシップ・トゥルーパーズ3 (字幕版)

「製作費が前作の3倍!」と宣伝されたけど、実質1作目の5分の1しかない3作目「スターシップ・トゥルーパーズ3」。

それなのに1作目なみのスケール感を出そうとしたせいで背景セットのハリボテ臭がすごいし、バグのCGは90年代に作られた1作目よりもクオリティが低いし、シリーズでいちばん出来の悪い作品と言えます。

 

が、本作が他のシリーズ作品に唯一勝っているのが「偽プロパガンダ映画としてのおバカさ」。軍国主義、全体主義、自由主義、キリスト教、全てを巻き込んでバカにし尽くす圧倒的な狂い方です。

まず冒頭から総司令官(チビでハゲで小太りのおっさん)が全世界のアイドルみたいな人気を集めていて、自身のリリースした大ヒット曲「今日は死に日和」を熱唱する(わざわざフルで歌唱シーンが流れる)というふざけっぷり。

その後も頭が電波な登場人物ばかりが登場し、クライマックスでは神への祈りを捧げるヒロイン2人が半透明で大写しになりながらその背景でパワードスーツ「マローダー」が巨大エイリアンを掃討するという悪ノリが展開されます。

そう、本作ではついに原作小説「宇宙の戦士」のキーアイテムであるパワードスーツが登場しますが、「これなら出さない方がマシだったでしょwww」と言いたくなる出来の悪さ。ダンボールとアルミホイルで作ったかのような不格好ロボットがもっさり飛ぶ様は目も当てられません。

 

あと個人的に嬉しいのが、1作目の主演だったキャスパー・ヴァン・ディーンが再び主人公として登場していること。「スターシップ・トゥルーパーズ」以外では鼻くそみたいなB級テレビ映画にしか出演してないマイナー俳優なので、こうして日本まで入ってくる作品で彼を観れること自体が貴重なんですよね。1作目からほとんど年取ってなくて笑えます。

 

CGアニメ化は成功?:スターシップ・トゥルーパーズ インベイジョン(2012)

スターシップ・トゥルーパーズ インベイジョン (吹替版)

4作目の映画作品として公開された「スターシップ・トゥルーパーズ インベイジョン」は、なんとフルCGアニメ映画です。

登場人物も背景も皆CGなのでまるでゲームムービーを観ているみたいで賛否両論を呼んだんですが、個人的には大好きな作品ですね。CGムービーとしてふつうに出来がいいです。

何より実写では予算的に不可能だった「スマートなパワードスーツ」が実現してるのが見どころ。歩兵が全員パワードスーツ着用で戦う姿は男の子の中2心をくすぐられます。もともとCGで描かれてきたバグとの相性もいいし、「凄まじい数のバグと装甲歩兵の部隊が大激突」が熱いです。

 

また、登場人物もアニメ調で現実感がないので、より世界観がぶっ飛んでも違和感がないのも見どころ。もはやただの宇宙SFアクションアニメですが、「艦隊同士のバトル」「マローダーの空中戦」「改造バグを味方につけて敵バグの群れにぶつける」といったやりたい放題の演出が純粋にアクション映画として派手で楽しいです。

1作目のメインキャラだったリコ、カルメン、カールも出てくるし(アニメ映像だけど)、思い切った方向転換をしつつもちゃんと「スターシップ・トゥルーパーズ」の遺伝子を継いでるのが嬉しいですね。

 

スケールアップなのに規模縮小:スターシップ・トゥルーパーズ レッドプラネット(2017)

スターシップ・トゥルーパーズ レッドプラネット(字幕版)

こちらも引き続きCGアニメ映画の5作目「スターシップ・トゥルーパーズ レッドプラネット」。戦闘とは無縁で平和だったはずの火星にバグの大群が襲来し、戦闘経験のない落ちこぼれ部隊が果敢に戦う……というお話です。

「火星」というでかい舞台を展開しておきながら、内容は実質10人程度の小隊が戦うだけでスケール的にはシリーズ最小規模。登場人物たちのテンションがやたら高いのだけは合格点ですが、それ以外は正直物足りません。

ただ、CGアニメとしての映像的には前作よりさらに質は良くなってるし、「地平線まで見渡すかぎりバグの群れ」みたいな派手なシーンもあるので、一応それなりに面白くはあります。

製作も「シリーズ20周年を記念して」というものだし、ここまでシリーズを通して観てきたファンへのお祝いサービス映画として気楽に観るのがちょうどいいかな。

 

まとめ

こうして並べてみても、やっぱり1作目「スターシップ・トゥルーパーズ」は別格ですね。手堅い作りの2作目やネタに振り切った3作目、路線変更の4・5作目もそれぞれ見どころはありますが、このシリーズの真骨頂はいつまでも原点の1作目にあるでしょう。

シリーズ25周年の2022年にもまた新しい作品が出てきてくれるのかな?小規模なCGアニメ映画でいいから、ぜひまたこの世界観を観たいですね。

 

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