日本では「悪魔」と聞いてもあんまりピンとこない人が多いと思いますが、北米やヨーロッパなどのキリスト教圏では、悪魔は笑いごとじゃなく本気で恐れられてる存在です。
今も正式に「エクソシスト」という職業があったり、悪魔祓いが行われていたり、逆に悪魔の契約や召喚などを扱った情報があったりと、キリスト教の世界では悪魔はシリアスな恐怖の対象になってきました。
だからこそ、ホラー映画の題材として悪魔が登場することも多いです。今回はそんな「悪魔がテーマのホラー映画」のおすすめ作品をまとめました。
- 対悪魔ホラーアクションの傑作『コンスタンティン』
- 低予算ホラー映画ブームの火付け役『インシディアス』
- サム・ライミ節が全開のハイテンション悪魔ホラー『スペル』
- 衝撃のカルトホラーを現代的にリメイク『死霊のはらわた(2013)』
- 名優による悪魔憑きの描写が秀逸『ザ・ライト -エクソシストの真実-』
- 医学で悪魔に立ち向かう異色ホラー『ドクター・エクソシスト』
- 取材カメラが収めた悪魔の姿『ラスト・エクソシズム』
- ハイスピードオカルトゾンビホラー『REC/レック』
- 密室で巻き起こる不気味な怪事件『デビル』
- 悪魔映画の永遠の名作『エクソシスト』
- まとめ
対悪魔ホラーアクションの傑作『コンスタンティン』
まずは気楽に観られる有名な悪魔映画を紹介。キアヌ・リーブス主演の「コンスタンティン」は、人ではない存在が見える特殊能力を使って悪魔と戦う男を描いたホラーアクション映画です。
原作がアメコミということもあってエンタメ要素が強く、ダイナミックで派手なアクションがくり広げられます。十字架型ショットガンや純金製の火炎放射器など、厨二心をくすぐるファンタジックなびっくり兵器も見どころです。
キアヌ・リーヴスの若々しい姿はもちろん、ティルダ・スウィントンやレイチェル・ワイズ、無名時代のシャイア・ラブーフなど脇を固めるキャストにも注目。
低予算ホラー映画ブームの火付け役『インシディアス』
「死霊館」シリーズと並んで、2010年代ハリウッドの低予算ホラー映画ブームの火付け役になった作品のひとつ。
ある家族が新しい家に引っ越してきた直後から息子に異常が起こり、さらに家族全体が怪現象に襲われていく……という王道のオカルトホラーです。
不意打ちの大音量やびっくり演出を多用したベタなホラー映画ですが、だからこそ「ド直球のアメリカンホラーが観たい!」というときにはぴったりです。この怪現象の原因になってるのが悪魔で、悪魔祓いなどもテーマになってます。
グロすぎたりキモすぎたりせず、それでいてちゃんと怖いホラー映画が観たいならこれで決まりです。
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サム・ライミ節が全開のハイテンション悪魔ホラー『スペル』
こちらもライトに観られるベタなホラー映画としておすすめ。
自宅を差し押さえられた老女の「どうかお慈悲を~」という頼みを却下した銀行職員の女性が、老女の逆恨みで悪魔の呪いをかけられて怪現象に襲われます。上司の指示通りに客に対応しただけで死の呪いを食らうという可哀想すぎる役回りです。
でかい音でバーン!と脅かしてくる演出がメインで、ホラー映画としては怖くはないです。むしろ「これギャグでやってる…?」と思うほど大げさすぎるショック描写がシュールで笑いそうになります。「ホラーとコメディは紙一重」を地で行くスタイルですね。
純粋なホラー映画というよりも、ブラックユーモア満載のホラーコメディとして観るのが正解です。
監督のサム・ライミは初代「スパイダーマン」3部作を手がけたことで有名ですが、実はもともと悪趣味系ホラー映画界の出身。本作ではその本領がしっかり発揮されてます。
衝撃のカルトホラーを現代的にリメイク『死霊のはらわた(2013)』
こちらもサム・ライミ関連作。彼の出世作でもある1980年代の名作ホラー「死霊のはらわた」を、現代的にリメイクした作品です。サム・ライミも製作として参加してます。
依存症の治療のために友人たちと山奥のロッジに来た少女が悪魔に憑りつかれ、友人たちを惨殺していく……というとんでもない内容で、ひたすらエグい人体破壊シーンがくり広げられます。日本では余裕のR18+指定です。その描写もCGをほぼ使わず、特殊メイクにこだわってるので余計に生々しくえげつなく映ります。
なぜか主人公の日本語吹き替えが水樹奈々さんなのも注目ポイント。
名優による悪魔憑きの描写が秀逸『ザ・ライト -エクソシストの真実-』
「羊たちの沈黙」などで知られる名優アンソニー・ホプキンス主演で、伝説的なエクソシストと、「悪魔なんていない」という考えから悪魔祓いの真実を暴こうとする青年を描くホラー映画。
ものすごく凝った設定や独自のストーリーがあるわけではありませんが、シンプルに「悪魔祓いがテーマのホラー映画」としてよくできてます。特にアンソニー・ホプキンス演じるベテランエクソシストが悪魔に憑りつかれるシーンは、さすが名優だけあって圧巻の演技です。
医学で悪魔に立ち向かう異色ホラー『ドクター・エクソシスト』
「ダークナイト」のトゥーフェイス役などで知られるアーロン・エッカート主演で、独特の手法で悪魔に立ち向かう男を描いたホラーサスペンス映画。
主人公は車椅子に乗ったドクターで、「悪魔は人間を夢の世界に閉じ込めて、その隙に人間に憑りついてる」というユニークな設定をもとに、宗教的な悪魔祓いではなく「憑りつかれた人間を夢の世界から生還させる」という方法で悪魔に挑みます。
批評的にはパッとしなかった作品ですが、異色の世界観を持ちながら、ドロッとした悪魔ホラーらしさも垣間見せる珍作として一見の価値ありです。
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取材カメラが収めた悪魔の姿『ラスト・エクソシズム』
悪魔の存在を信じず、ショービジネスとして悪魔祓いを続けているエクソシストと、彼に密着取材するクルーたちが、本物の悪魔と遭遇してしまう様を描いたホラー映画。
手持ちカメラによるPOV方式で「本物の取材映像」という設定のフェイクドキュメンタリー作品です。
臨場感あふれるPOV手法と悪魔憑きのショック描写の組み合わせはなかなかの怖さで、少女の体がメリメリとあり得ない動きを見せながら暴走するシーンはインパクト十分。POVホラーが好きならおすすめです。
ハイスピードオカルトゾンビホラー『REC/レック』
こちらも手持ちカメラによるPOV方式のホラー映画。あらゆる出口が閉鎖されたアパート内で、血を媒介に「何か」に感染して狂暴化した人間たちに襲われるお話です。
内容的にはゾンビ映画に近いんですが、「暗くて見通しの悪い建物内で、いきなりゾンビが全力疾走で目の前に迫ってくる」という演出が死ぬほど怖いです。武器も明かりもなく、ガチでゾンビパンデミックの真っただ中に放り込まれたような臨場感を味わえます。
一応は悪魔がテーマの映画ですが、オカルト要素が本格的に出てくるのは「2」以降です(4作目まであります)。
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密室で巻き起こる不気味な怪事件『デビル』
M・ナイト・シャマランが製作を手がけた密室ホラー映画。5人の男女がエレベーターに閉じ込められ、されに停電で室内が暗くなるごとに一人また一人と変死を遂げていく……というお話です。
前半はワンシチュエーションスリラー風ですが、徐々に不気味な伏線が挟まれていって、後半はオカルトじみてきます。世間の評価は低めですが、「密室オカルトパニック」というレアな作品として個人的にはおすすめです。
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悪魔映画の永遠の名作『エクソシスト』
悪魔がテーマのホラー映画として、これは欠かせない作品でしょう。
悪魔祓いを描いた1973年公開の作品で、神父と悪魔の壮絶な戦いぶりはもちろん、憑りつかれた少女のショッキングな言動の演出も話題を呼びました。さらに、本作の公開と前後して製作に関わった人物が相次いで死亡した……という都市伝説もあり、色々といわくつきのカルト映画になってます。
悪魔ホラーの金字塔として、一度観てほしい名作です。
まとめ
以上、軽いノリと派手な映像で見せるエンタメ寄りの作品から、本気でゾッとさせられる極悪作品まで、「悪魔」をテーマにしたおすすめホラー映画をまとめました。
幽霊や殺人鬼、モンスターなどとは違った、欧米社会やキリスト教と密接に結びついた世界観で恐怖を感じさせるこれらの作品。ぜひ手に取ってみてください。
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