ゾンビ映画の歴史に残る名作「死霊のえじき」。そのリメイク作として2008年に製作されたこの「デイ・オブ・ザ・デッド」は、本家とは似ても似つかないB級ゾンビパニックな内容で微妙な評価になりました。
が、個人的には大好きなんですよね。B級映画らしく力が抜けてて、それでいて映像的にショボすぎたりはせず、ある程度の見ごたえはあるこの感じ。ほどよいクオリティで、頭を空っぽにしてボーっと観るのに丁度いいです。
「なんとなく派手なゾンビ映画が観たい」というときの賑やかしにぴったりな本作をあらためてレビューします。
「デイ・オブ・ザ・デッド」あらすじ
2008年 アメリカ
監督:スティーヴ・マイナー
キャスト:ミーナ・スヴァーリ、マイケル・ウェルチ、スターク・サンズ、ニック・キャノン、ヴィング・レイムス
アメリカ・コロラド州の田舎町で奇妙な感染症が発生し、町は州軍によって封鎖される。ところが、感染者たちが突如としてゾンビ化し、町は大パニックに陥る。
この町の出身で州軍の一員として派遣されていたサラ=クロス伍長は、部下や町に住む弟たちとともに生き延びるため奔走していくが……
「デイ・オブ・ザ・デッド」感想
気合の入りすぎてない賑やかさが楽しい
この映画のゾンビパニックシーンは、とにかく「やりたい放題やってんな」という印象ですね。
ゾンビが集団で全力疾走してきて、勢いのあまり壁や天井を駆ける奴がいたり、建物の2階3階から窓をぶち破って落ちてくる奴がいたり。今や「走るゾンビ」は当たり前の存在になりましたが、その中でもこの映画のゾンビたちは頭ひとつ飛び抜けて元気です。
それに対する人間たちの抵抗も派手で、マシンガンをぶっ放したり車で跳ね飛ばしたり、最後にはお決まりの大爆発オチをかましたり。賑やかで飽きさせません。
ですが、そんな中でも微妙にB級っぽいゆるさが残ってるのも好きです。いい意味で雑さが残ってて、「午後のロードショー」っぽい気楽さがあります。
ゾンビたちの高速疾走シーンがあからさまに「早送りしました」感があったり、ただのノコギリでゾンビたちの首がスパッと飛んだり、たかがガソリンの引火でゾンビたちが一瞬で灰になったり。「んなわけあるかいww」というツッコミどころでも楽しませてくれるのは、B級映画ファンとしては嬉しいですね。
こういう「観るのに気力体力がいらなくて、壮大すぎず、かといってショボすぎもせず、スピーディーで退屈させない」という映画は意外と少ないのでありがたいです。
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「田舎町で大パニック」系の映画としては100点満点
お気楽ゾンビ映画としても秀作な「デイ・オブ・ザ・デッド」ですが、B級パニック映画の定番プロットである「田舎町で変なモンスターが現れて大パニック」系の作品としても楽しいです。
「スパイダー・パニック」とか「スリザー」とか、その辺の映画が好きな人にとっては「こういうのでいいんだよ!」と讃えたくなる丁度良さじゃないでしょうか。
「こいつが生き残ってこいつは死ぬんだろうな」という予想が全て当たるベタなキャラづけの登場人物たち、テンポのよさと尺の短さ(85分で終わります)、ほどほどに派手なアクション・パニックシーン、そして強引な爆発オチ。
田舎町パニック映画の王道を1mmも外さない超ストレートな構成だからこそ、安心して楽しめます。この手の映画としては100点満点と言ってもいいでしょう。
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まとめ:派手なゾンビ映画が好きなら暇つぶしに最適だよね
「バイオハザード」「28週後…」「ドーン・オブ・ザ・デッド」「ワールド・ウォーZ」のような有名作に肩を並べるほどでもないけど、C級以下の底辺ゾンビ映画よりは遥かにちゃんとしてる。そんな絶妙なクオリティだからこそ、暇つぶしにサラっと観るのに最適です。
「なんか適当にいい感じに派手なゾンビ映画観たいな~」というときの、スナック感覚の一作としてぴったりですね。
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