「パラサイト 半地下の家族」のアカデミー賞受賞で世界的に注目度が高まっている韓国映画シーンですが、ヒューマンドラマ以外のジャンルでも、韓国映画にはハリウッド顔負けの傑作・大作がいくつもあります。
そんな韓国映画の中から、今回は「パニック映画」にジャンルを絞っておすすめ作品をまとめてみました
- 超壮絶ゾンビパニック大作『新感染 ファイナル・エクスプレス』
- "メガ津波"が釜山を飲み込む『TSUNAMI -ツナミ-』
- 燃え盛るビルからの決死のサバイバル『ザ・タワー 超高層ビル大火災』
- 毒ガスに包まれた街からの脱出『EXIT イグジット』
- 新種ウイルスの感染爆発から生き延びる『FLU 運命の36時間』
- ポン・ジュノ監督の代表作のひとつ『グエムル-漢江の怪物-』
- 原発の爆発事故と社会の混乱をシリアスに描く『パンドラ』
- 逃げ場のない海上でモンスターパニック『第7鉱区』
- まとめ:パニック映画ファンなら必見の良作ぞろい
超壮絶ゾンビパニック大作『新感染 ファイナル・エクスプレス』
韓国のパニック映画の注目度を大きく高めたスマッシュヒット作。人をゾンビ化させるウイルスが急速に広まっていく韓国で、安全地帯である釜山を目指す列車の乗客たちのサバイバルが描かれます。
メインになるのは列車内の戦いですが、途中停車した駅でゾンビの大群が押し寄せてきたりして、かなり大規模なパニックシーンも盛りだくさん。ドアをなぎ倒しながら津波のような勢いでゾンビが迫ってくるのはかなり怖いです。
ゾンビ映画やモンスターパニック映画が好きなら、人生で一度は観ないともったいない大傑作です。
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"メガ津波"が釜山を飲み込む『TSUNAMI -ツナミ-』
タイトル通り、津波をテーマにしたディザスターパニック大作。
高さ数十mもの「メガ津波」の危険が迫る韓国の釜山で、科学者や行政の役人、さらには市民や観光客、レスキュー隊員たちのパニックとサバイバルが描かれます。
前半は登場人物たちの韓流ラブコメドラマみたいな人間模様を1時間ほど見せられますが、後半からの怒涛の津波シーンはひたすら凄まじいです。
直接の津波被害はもちろん、流されてきた巨大タンカーが橋をぶち壊したり、ショートした電線が浸水して周囲の人たちを感電死させたりと、二次被害の凄惨な描写もインパクトがあります。
「デイ・アフター・トゥモロー」や「2012」のようなハリウッドのディザスター映画を彷彿とさせるパニック大作としておすすめ。
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燃え盛るビルからの決死のサバイバル『ザ・タワー 超高層ビル大火災』
超高層ビルで大火災が発生して、取り残された人々が脱出しようとしたり消防士たちが生存者を救出しようとしたりする……という王道の火災パニック映画です。
この手のパニック映画の王道パターンをしっかり守った手堅い内容で、手に汗握る脱出劇やこっちまで汗をかきそうな火災描写がハイクオリティなCGで描かれて迫力は十分です。
「正義感あふれる主人公」「身勝手な富裕層や責任者」など登場人物たちのキャラクターもベタですが、だからこそ安心して観れて、最後は「こうなるんだろうな」と分かっていてもやっぱり感動します。
「タワーリング・インフェルノ」や「スカイスクレイパー」、「名探偵コナン 天国へのカウントダウン」のような高層ビル系のパニック映画が好きなら一見の価値ありです。
毒ガスに包まれた街からの脱出『EXIT イグジット』
こちらも高層ビルがテーマのパニック映画。
「街中に毒ガスが張りめぐらされて地上は危険地帯に。さらにガスはしだいに上へ上へと迫ってくる……」という絶望的な状況で、山岳サークル経験のある男女がビルからビルへと渡って生還しようと奮闘します。
かなり斬新なシチュエーションですが、「命綱もない中で高層ビルの上を渡り歩く」というサバイバルはかなりハラハラできます。
さらに、コメディ色の強いやりとりや登場人物の濃いキャラクターなど、ストーリー面でもめちゃめちゃ面白い。笑いありスリルありのエンタメパニック映画として、手放しで絶賛できる一作です。
新種ウイルスの感染爆発から生き延びる『FLU 運命の36時間』
驚異的な致死率と感染力のウイルスが韓国内で発生してしまい、パンデミックが広がっていくウイルスパニック映画。
ウイルスの猛威はもちろん、社会の混乱、暴動、政府による強権的な鎮圧、さらには在韓米軍やCIAの介入など、とにかくストーリーのスケールがでかいです。「ウイルスより人間の方が怖くない?」と思わされるような描写も多くあります。
特にクライマックスの混沌っぷりは、思わず目を覆いたくなるような凄惨さ。この世の地獄みたいなカオスなパンデミックから、「ウイルスによる社会の崩壊」の怖さを生々しく感じさせられます。
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ポン・ジュノ監督の代表作のひとつ『グエムル-漢江の怪物-』
「パラサイト 半地下の家族」の監督でもあるポン・ジュノの代表作のひとつ。突然変異によって生まれた化け物が、韓国の漢江流域の街をパニックに陥れます。
強烈なビジュアルの化け物が暴れまわるパニックシーンだけでなく、化け物に娘をさらわれた一家の悲愴な人間ドラマも注目ポイント。その背景では国民の格差や権力の横暴など韓国社会の闇もたっぷり描かれていて、社会問題などのテーマをストーリーに深く反映させるジュノ監督の作風がしっかり発揮されてます。
モンスターパニックでありながら、独特の演出センスと社会的メッセージ性も兼ね備えた異色の怪作としておすすめです。
原発の爆発事故と社会の混乱をシリアスに描く『パンドラ』
原発の爆発事故を描いたパニックヒューマンドラマ。
周辺住民の大混乱の中での避難や現場の人々の決死の戦い、そして対応が後手後手に回り続ける政府の頼りなさ……など、明らかに東日本大震災での原発事故をイメージしたであろうストーリーが広がります。
とにかく悲愴感があふれるシーンの連続で、故郷も日常生活も、場合によっては命も奪われていく登場人物たちがひたすら可哀想。凄まじいクライマックスは号泣必至です。
「原発事故の恐ろしさ」を描くという意味ではものすごく重要な一作でしょう。あくまでもフィクションのエンタメパニック映画ですが、日本人としては無心では観られません。
逃げ場のない海上でモンスターパニック『第7鉱区』
海上の石油採掘場に未知のモンスターが出現して、作業員たちが逃げ場のない中で死闘をくり広げるモンスターパニック映画。
グチャドロなモンスターが人間を次々に襲っていく様は、「ザ・グリード」や「遊星からの物体X」のような閉鎖空間パニック映画の名作を思い出させます。クールビューティーな主人公の魅力も合わさって、ストレートに楽しめる良作です。
ストーリー的にもシチュエーション的にもややB級色の強い作品ですが、こういう正統派モンスターパニック映画がしっかりお金かけて作られることって珍しいんですよね。そういう意味でもパニック映画ファンとしては嬉しい一作です。
まとめ:パニック映画ファンなら必見の良作ぞろい
壮大なスケールのディザスターパニックからスリリングなモンスターパニックまで、韓国産パニック映画は粒ぞろいの良作が並んでます。
邦画ではこういうパニック映画が作られること自体が少ないし、内容も正直う~ん……なものが多いので、同じアジア内で良作パニック映画をどんどん作って公開してくれるのは嬉しいかぎりですね。
特にここで厳選紹介した8作は、ハリウッドのパニック大作やB級パニック映画が好きなら必見です。
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