サスペンスやミステリー、ホラーの定番プロットのひとつ「結末のどんでん返し」。
ストーリー展開のショッキングさはもちろん、そのどんでん返しを迎えるまでの演出や伏線も含めて見どころですよね。
そんなどんでん返しが印象的な映画のおすすめ作品をまとめました。
- 閉鎖された島で巻き起こる失踪事件『シャッターアイランド』
- ショッキングサスペンスの傑作『ソウ』
- 巧みな誘導と伏線に騙される『鑑定士と顔のない依頼人』
- 壮絶なドラマの結末にあ然とする傑作『プリデスティネーション』
- 全てがPC画面上で展開される異色サスペンス『search/サーチ』
- 奇妙なストーリーからの圧巻のどんでん返し『アンノウン』
- かつてない手口の強盗サスペンス『インサイド・マン』
- 一流マジシャン×強盗サスペンス『グランド・イリュージョン』
- キング・オブ・どんでん返し鬱映画『ミスト』
- 真相が分かると背筋が凍る『エスター』
- 予想の斜め上に突き抜ける異色ホラー『キャビン』
- どんでん返しの名手による上質サスペンス『ヴィジット』
- "妻の失踪"から始まる衝撃のストーリー『ゴーン・ガール』
- 誰も予想できない意外な真相『ゲット・アウト』
- 全てが会話のみで展開される北欧発サスペンス『THE GUILTY/ギルティ』
- まとめ
閉鎖された島で巻き起こる失踪事件『シャッターアイランド』
マーティン・スコセッシ監督×レオナルド・ディカプリオという超実力派タッグによるミステリーサスペンス。
精神疾患のある囚人たちを収容する孤島で失踪事件が起き、解決のために派遣された連邦捜査官の主人公が不可解な事件の闇に取り込まれていきます。
まず「孤島の監獄」という舞台が不穏さ全開で、さらに圧倒的にシリアスな演出とディカプリオの怪演が加わることで、画面から凄まじい圧が漂います。息苦しい島で次から次に謎が出てきて、重厚なミステリー小説を読んでるような気分になります。
全ての謎がつながるラストの結末は、脚本と演出と演技の妙が合わさって圧巻です。骨太で正統派なサスペンス映画の傑作としておすすめ。
ショッキングサスペンスの傑作『ソウ』
2000年代を代表するショッキングスリラー映画シリーズの1作目。
シリーズ後半ではグロテスクなトラップによるデスゲームがメインの見どころになっていきましたが、この1作目は伏線を散りばめた秀逸な脚本で魅せる上質などんでん返しサスペンスです。
ワンシチュエーションをメインにしたコンパクトな低予算映画ですが、観客の思考の隙をついたトリックはかなり衝撃的。アイデアひとつで低予算でも傑作が作れると見せつけてくれます。
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巧みな誘導と伏線に騙される『鑑定士と顔のない依頼人』
美術品鑑定士の男が、決して姿を見せない奇妙な女性から「両親の遺産を鑑定してほしい」と依頼されたことで不思議な出来事に巻き込まれていく……というサスペンスヒューマンドラマ。
映画全体が美術品のような気品を漂わせていて、観てるこちらもオシャレロマンチックな世界観に魅了されていきます。そうやってストーリーの虜になったところでやって来るどんでん返しには、「その手があったか……」とため息が出るほど完膚なきまでに驚かされます。
この巧みな誘導と伏線に引っかかったことまで含めて素晴らしい・美しいと思えてしまうような傑作です。
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壮絶なドラマの結末にあ然とする傑作『プリデスティネーション』
イーサン・ホーク主演で、時間を超えて事件を巻き起こす爆弾魔を追う時空捜査官の戦いを描いたSFサスペンス映画。
ストーリーの軸にあるのは「捜査官VS爆弾魔」ですが、作中で描かれる主人公のバックグラウンドがとにかく凄まじいです。このヒューマンドラマ描写の方がメインと言ってもいいでしょう。
あまりにも壮絶な結末を観たときは、本気で絶句してしまいました。どんでん返し系のサスペンス映画が好きなら一生に一度は観るべきです。
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全てがPC画面上で展開される異色サスペンス『search/サーチ』
失踪してしまった娘を探し出すために、娘のSNSやメールの履歴をもとに独自に捜査を進める父親を描いたサスペンス映画。全編が彼の見るPCの画面上だけで進行するという、挑戦的な異色作です。
限定的すぎるシチュエーションながら、それを逆手にとってヒントを散りばめ、最後に全てを繋げてみせるストーリーがあまりにも鮮やか。真相が明らかになったときは鳥肌総立ちです。
結末を知ったら、もう一度最初から画面の隅々まで観たくなること間違いなし。
奇妙なストーリーからの圧巻のどんでん返し『アンノウン』
リーアム・ニーソン主演で、「渡航先での交通事故による昏睡から目覚めたら、妻も同僚も誰もが「あなたのことなんて知らない」と言ってくる」という奇妙な状況に陥った男を描くアクションサスペンス映画。
あまりにも不可解な状況とスリリングなストーリー展開が続いた先に見える真相は「そっちがフェイクか!」と驚くこと間違いなしです。最初の時点でトリックの仕込みが始まっていて、自分がまんまと騙されていたんだと気づかされます。
この作品に限らず、リーアム・ニーソンと監督ジャウム・コレット=セラのタッグは外れなしでおすすめです。
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かつてない手口の強盗サスペンス『インサイド・マン』
大銀行に白昼堂々押し入った強盗グループが、そのまま銀行内に立てこもって人質たちに奇妙な行動を要求。警察やFBIが取り囲む中で、前代未聞の強盗劇をくり広げていきます。
最初は強盗グループの言動が意味不明に思えますが、その理由が繋がっていく怒涛の後半はあ然とさせられます。「そんな手もあるのか……」と驚かされる、従来の強盗サスペンスとはまったく違う新鮮な傑作です。
デンゼル・ワシントンにクライヴ・オーウェン、ジョディ・フォスターといった超実力派ハリウッド俳優が出演してるのも見どころ。
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一流マジシャン×強盗サスペンス『グランド・イリュージョン』
一流の手品師グループが、難攻不落の大銀行から大金を盗み出そうとするクライムサスペンス映画。
マジシャンたちによる強盗劇ということで、ただトリックが秀逸だけでなく、その流れがショーのような華やかさを見せるのもポイント。行動の善悪はひとまず置いといて、鮮やかで大胆でかっこよくて惚れ惚れします。
4人のマジシャンたちの華々しいキャラクターも見どころで、彼らを追う捜査官役のマーク・ラファロや、彼らを取り巻く人物を演じるモーガン・フリーマン、マイケル・ケインらの存在感もさすがです。
キング・オブ・どんでん返し鬱映画『ミスト』
スティーヴン・キング原作のホラーパニック映画。謎の霧に包まれた田舎町で、スーパーに逃げ込んで立てこもった人々が霧の中に潜むモンスターに襲われます。
「衝撃のバッドエンド映画」として映画ファンの間では超有名な作品で、モンスターパニック映画としての面白さはもちろん、極限状態の中で集団パニックによって地獄絵図と化していくスーパー内の人間模様がショッキングです。モンスターよりむしろ人間の暴走の方がメインと言ってもいいでしょう。
あまりにも衝撃的な結末は、トラウマ必至です。
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真相が分かると背筋が凍る『エスター』
ある家族に養子として引き取られた少女エスターが、可愛らしい表情を変貌させてしだいに狂気を見せていく……というサスペンススリラー映画。
エスターの狂気に秘められた真相が分かるシーンでは、それまでの全てのシーンが思い出されて背筋が凍ります。斜め上の事実の発覚に「そっちかよ……」と言葉を失うこと間違いなしです。
衝撃のどんでん返しストーリーはもちろん、当時まだ10歳そこそこでエスターの狂気を演じきったイザベル・ファーマンが凄まじいです。
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予想の斜め上に突き抜ける異色ホラー『キャビン』
「5人の大学生の男女が山奥のキャビンへ遊びに行き、そこで異形のモンスターに襲われる」という王道のパニック展開を、なぜか無数の隠しカメラで監視しながら故意に演出していく謎の組織を描いた異色のSFホラー映画。
このヘンテコなストーリーが驚きのポイントかと思いきや、後半ではそんな予想を余裕で上回る衝撃の展開に。ホラー映画ではありますが、異常なテンションとぶっ飛んだパニック描写で笑いすら巻き起こるブラックユーモアも見どころです。
どんでん返しの名手による上質サスペンス『ヴィジット』
今まで会ったことのなかった祖父母の家に休暇で遊びに行った姉弟が、祖父母の異常な言動の数々によってしだいに恐怖のどん底に落ちていく……というホラー映画。
監督は「シックス・センス」などで知られるM・ナイト・シャマランで、どんでん返しストーリーの名手としてハリウッドでは有名な巨匠です。
本作でもその作風がしっかり表れていて、じわじわと観客を締めつける恐怖演出からのショッキングなクライマックスが秀逸。「手持ちカメラによるホームビデオ」という設定のPOV演出も生々しさを加速させます。
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"妻の失踪"から始まる衝撃のストーリー『ゴーン・ガール』
サスペンスの巨匠デヴィッド・フィンチャーが監督した王道のクライムサスペンス映画。突然失踪した妻を探す男が、好奇の目を向けるメディアや社会に晒されていく……というシリアスな作品です。
センセーショナルなメディア報道などの社会問題にもフォーカスを当てつつ、単純そうな失踪事件の裏に隠された夫婦の真実がじわじわと明かされていくストーリー展開も衝撃的。
じめじめした居心地の悪い空気の中で訪れる結末は、ある意味でショッキングです。
誰も予想できない意外な真相『ゲット・アウト』
黒人の青年が白人の恋人の実家にお呼ばれして遊びに行くと、そこには「白人の両親と親戚一同、そして黒人の家政婦や庭師たち」という何とも居心地の悪い光景が。さらに、彼らの言動がどこかおかしくて……というサスペンススリラー映画です。
後半のストーリーは、このシチュエーションから多くの人が予想するであろう展開を100%ひっくり返してきます。サスペンスとしてハラハラさせられるのはもちろん、「こういう可能性もあったのか……」と真相に全く気づけなかった自分にもショックを受けます。
全てが会話のみで展開される北欧発サスペンス『THE GUILTY/ギルティ』
北欧のデンマーク発のクライムサスペンス映画。
警察にかかってきた1本の通報から始まる事件が、通信室のオペレーターの視点のみで描かれます。つまり、ストーリー全てが通信室のみで展開される究極の会話劇サスペンスです。
場面は一切変わらないのに、電話の声とその背景の音だけで凄まじい緊張感と臨場感が広がります。じわじわと不穏さを増していく事件展開に引き込まれること間違いなしです。
主人公以外の登場人物はほぼ声だけなのに、事件が深刻化する前半とどんでん返しが巻き起こる後半では印象ががらりと変わっていくのが印象的。
まとめ
以上、圧巻のどんでん返しに衝撃を受けるサスペンス映画やホラー映画をまとめました。
全く予想のつかないストーリーに翻弄されるもよし、真相が明かされる前に結末を予想しようと奮闘するもよし。秀逸でショッキングな脚本と演出を楽しみましょう。