安里アサト氏の大ヒットライトノベルを原作に、制作をA-1 Pictures、CG制作を白組、音楽を澤野弘之氏が手がけて映像化したアニメ『86 エイティシックス』。
2021年春アニメの中でも特に話題を集める作品のひとつになった本作ですが、その第1クールは、原作1巻をじっくり描いたことでも原作ファンから注目されました。
そんな『86 エイティシックス』ですが、原作は現在までに11巻が刊行されています。アニメ化された部分以降のストーリーが気になる方向けに、ざっくりと全巻の展開のネタバレをまとめました。
- 『エイティシックス』原作1巻のあらすじ結末ネタバレ
- 『エイティシックス』原作2巻のあらすじ結末ネタバレ
- 『エイティシックス』原作3巻のあらすじ結末ネタバレ
- 『エイティシックス』原作4巻のあらすじ結末ネタバレ
- 『エイティシックス』原作5巻のあらすじ結末ネタバレ
- 『エイティシックス』原作6巻のあらすじ結末ネタバレ
- 『エイティシックス』原作7巻のあらすじ結末ネタバレ
- 『エイティシックス』原作8巻のあらすじ結末ネタバレ
- 『エイティシックス』原作9巻のあらすじ結末ネタバレ
- 『エイティシックス』原作10巻のあらすじ結末ネタバレ
- 『エイティシックス』原作11巻のあらすじ結末ネタバレ
- 『エイティシックス』原作全11巻のネタバレまとめ
『エイティシックス』原作1巻のあらすじ結末ネタバレ
ギアーデ帝国の開発した無人兵器・レギオンとの戦いが続くサンマグノリア共和国。
銀髪・銀瞳のアルバと呼ばれる民族が多くを占める共和国は、それ以外の民族を「エイティシックス」と呼んで迫害し、彼らを乗せた戦闘兵器・ジャガーノートを「人間ではなくエイティシックスが乗っているから無人機」と定義して使い潰すことで生き延びていた。
そんな中で、アルバでありながら共和国の体制に疑問を持つハンドラーの少女・レーナは、シンたちスピアヘッド戦隊のプロセッサーと出会い、次第に彼らを理解し、救おうと奔走する。
しかし、レーナの努力もむなしく、シンはレギオンと化した兄レイを倒した後、仲間たちと「特別偵察任務」と呼ばれる死への旅路に進んでいった。
一人残されたレーナは、凄腕で無慈悲なハンドラーとして孤独に戦い続けていく。
『エイティシックス』原作2巻のあらすじ結末ネタバレ
特別偵察任務へと向かったシンたちは生きていた。
死の行軍の果てに力尽きようとしていた彼らは、レギオンとしてのバックアップ機能によって意識を別機体に移したレイに救われ、レギオン支配域をついに踏破した。
その先にあったのは、帝国亡き後に誕生した共和制国家・ギアーデ連邦。
連邦軍に保護されたシン、ライデン、クレナ、アンジュ、セオは、その境遇を知られ、不幸な子どもたちとして平和な生活を与えられる。
しかし、シンたちはエイティシックスとしての矜持を貫き、何より共和国で一人戦い続けているであろうレーナとの再会の日まで前に進み続けるために、戦場へと戻る。
ギアーデ連邦の最新多脚兵器「レギンレイヴ」を与えられ、ギアーデ帝国の皇帝一族の遺児である少女フレデリカと出会ったシンたちは、その異様な戦いぶりで連邦軍の敬愛と畏怖を集めていくのだった。
しかしある日、かつてスピアヘッド戦隊から四人もの戦死者を一瞬で生んだレギオン「電磁加速砲型」の急襲を受けて……
『エイティシックス』原作3巻のあらすじ結末ネタバレ
電磁加速砲型レギオンの攻撃は、ギアーデ連邦の前線のみならず、他に生存する国家の前線をも吹き飛ばし、さらにサンマグノリア共和国の防衛線を完全に崩壊させた。
窮地に陥ったギアーデ連邦が下した作戦は、「シンたちレギンレイヴ部隊を特殊輸送機による超低空飛行でレギオン支配域の奥深くに侵入させ、電磁加速砲型を撃破する」という危険極まりないもの。
しかし、シンたちはこの任務に臨み、自らを「槍の穂先(スピアヘッド)」にして敵地に切り込み、壮絶な死闘の末に電磁加速砲型を倒す。
その直後、滅亡したと思われていたサンマグノリア共和国側から、ジャガーノートに守られながら一人の若い女性士官が現れる。
彼女こそが、防衛戦崩壊後も生き残りのエイティシックスや共和国軍人をまとめ上げて共和国を守るために戦い続けていたレーナだった。
かつて別れを告げて旅立った戦場で、シンはレーナとついに邂逅を果たす。しかし、その場では自分がシンエイ・ノウゼンであることを名乗らず別れるのだった。
その後、ギアーデ連邦の援助を受けてなんとか国の自治を回復させた共和国から、レーナが客員士官として連邦に派遣されてくる。そこでシンたち元スピアヘッド戦隊の5人は、ついに自ら名乗ってレーナと再会する。
『エイティシックス』原作4巻のあらすじ結末ネタバレ
ついにパラレイド越しではなく直接顔を合わせ、ともに戦うことになったシンたちとレーナ。
特別部隊「第86独立機動打撃群」の指揮官となったレーナと、その実戦部隊の隊長となったシンは仕事柄関わることも多く、二人の間になんとなく甘い雰囲気が漂い始める。そんな二人を他の仲間たちは何とも言えない表情で見守る。
やがて、技術士官としてシンの幼馴染でもあるアネットが部隊に合流。一同は未だレギオンに占領されている共和国北部の奪還作戦に臨む。
しかしその中で、アネットが「見えない敵」に拉致される。さらに、戦場となったレギオンの基地には、生け捕りにされて不衛生な環境で廃人になった何千もの共和国市民がいた。
彼らの脳を使って、知能が高く自我のない新たなレギオンが大量生産されていたのだ。シンたちはこれを「牧羊犬」と名づけた。
過酷な戦闘を乗り越えてレギオンの拠点を潰し、アネットを救出して脱出を図るシンたち。
その最中、「見えない敵」の正体である光学迷彩をまとった高機動型レギオンと遭遇し、そのレギオンを通して「探しに来なさい」と謎の存在から呼びかけられるのだった。
戦いを終え、地獄絵図のような戦場やエイティシックスに関する身勝手な報道を見たはずなのに全く心を動かさないシンたちを見たレーナは、シンたちがこの世界に「何も期待していない」ことに気づき、あまりの意識の差に絶望する。
『エイティシックス』原作5巻のあらすじ結末ネタバレ
レーナが指揮官を、シンが戦隊長を務める第86独立機動打撃群は、北のロア=グレキア連合王国に援軍として派遣され、王国の部隊指揮官で第五王子でもあるヴィーカと出会う。
今回の作戦目標は、連合王国からほど近いレギオンの拠点である竜牙大山内部の攻略と、そこにいると思われる「第一号レギオン」、通称「無慈悲な女王」の捕獲。この「無慈悲な女王」こそが、シンに「探しに来なさい」と呼びかけたレギオンだった。
連合王国の主力には「シリン」と呼ばれる少女型のアンドロイドがパイロットや偵察要員として用いられていたが、その思考回路には、戦死者の脳をコピーして用いるというレギオンさながらの非道な手法がとられていた。
レーナもエイティシックスたちも、その事実に驚愕し、戦慄する。
そして始まった竜牙大山の攻略作戦。しかし、それを阻むようにレギオン側からの急襲があり、レーナやヴィーカのいる前線基地がレギオンに囲まれてしまう。
シンたち実戦部隊は竜牙大山内部への進撃を中止して基地に舞い戻り、レギオンの包囲を突破して基地に帰還。そのための道筋を作ったのは、自らが壊れることも厭わず特攻をかけたシリンたちだった。
最終的に基地を奪還し、レーナたちを救出することに成功するも、エイティシックスたちは大きな心の傷を抱えることになる。
死に行くことを喜ぶように特攻し、ボロボロになりながら大破していくシリンたちを見て、そこに自分たちの末路を感じてしまったからだった。
シンもまた、シリンたちの散り様を見て、その隊長格でヴィーカの側近であるレルヒェの言葉を受けて、自分たちエイティシックスの異様さを自覚する。そして、レーナとの間に、決定的な意識の違いがあると実感するのだった。
『エイティシックス』原作6巻のあらすじ結末ネタバレ
前線基地を奪還し、シリンの補充を経て再び実行された竜牙大山内部の攻略戦。
綿密に準備行動を重ねながら作戦が進められる日々の中で、自身の異質さを実感したシンと、エイティシックスたちの抱える絶望を知ったレーナは、何度も言葉を重ねてはすれ違う。
ついには、レーナとのすれ違いに意識を取られるあまりシンが戦闘中に負傷するという事態も発生し、死にかけても心を開いてくれないシンにレーナは涙する。
そして本作戦の実行の日が訪れ、活火山内の過酷な戦場に身を投じていくエイティシックスたち。戦闘の最中で、シンはレーナと言葉を交わして謝罪し、生きて帰ってくると約束する。
さらに戦闘が進む中で、シンは初めて戦争を終えたあとの世界での願い……「レーナに海を見せたい」という願いを伝える。
高機動型との壮絶な死闘を経て、シンはついにこれを撃破。「無慈悲な女王」の捕獲に成功し、作戦は終了する。
『エイティシックス』原作7巻のあらすじ結末ネタバレ
過酷な戦いが続いたことから休暇を与えられ、連邦から見て南にあるヴァルト盟約同盟の観光施設へと休養に訪れたレーナとシンたち。
水着着用とはいえ混浴の露天風呂でどぎまぎするひとときを過ごしたり、観光地を散策したりと、これまでになく穏やかな日々を過ごしながらレーナとシンの距離は縮まっていく。
しかし、お互いに鈍く不器用なせいであと一歩が踏み出せず、そんな二人を見ているライデンやアネット、ヴィーカたちは「とっととくっつけ」とじれったさを抱えるのだった。
一方で、休養の合間を縫って捕獲した「無慈悲な女王」への尋問も行われていた。
「無慈悲な女王」の脳のコピー元はレギオンの開発者であるゼレーネという女性で、ゼレーネはシンに興味を示す。
彼女との会話を重ねながら、シンたちはついに「全レギオンを停止させる方法」を知る。しかしそれは、レギオン支配域の最奥に到達し、皇帝一族の血を継ぐ者――すなわちフレデリカを使って「停止コード」を発信するというものだった。
尋問作業を挟みながらの休養の最終日。舞踏会の場で、シンはレーナと踊る。そしてついに、シンはレーナに「あなたが好きです」と思いを告げる。
それに対するレーナの答えは……シンの唇へのキスだった。
しかし、レーナは自分自身の行動に驚き、戸惑って、はっきりと言葉で答えることなくその場から逃げてしまう。
『エイティシックス』原作8巻のあらすじ結末ネタバレ
ゼレーネから得られた「全レギオン停止」の情報に関しては一旦保留され、レーナたち第86独立機動打撃群は、レグキード征海船団国群と呼ばれる小国群に援軍として派遣される。
今回の目標は、海上に設置されたレギオンの拠点。その攻略のために、レグキード征海船団国群は自前の艦隊を出動させ、シンたちは彼らと協同で作戦を行うことになる。
作戦の中で、ライデン、クレナ、アンジュ、セオたち古参の仲間は、シンがすでに「戦争が終わった後の未来」を見ていることを感じ取る。特にクレナは、いつかシンが自分たちのもとを離れてしまうのではないかと不安定になっていく。
そして始まった戦闘。再び電磁加速砲型と、さらにはその発展形である「電磁砲艦型」と死闘をくり広げ、ついに敵を撤退に追い込んだシンたち。
しかし激戦の代償は、多くの仲間の死、そしてセオの片腕切断という大きなものだった。
『エイティシックス』原作9巻のあらすじ結末ネタバレ
片腕を失ってプロセッサーとしての人生は終わったセオは、否応なく突きつけられた「エイティシックスとして以外の生き方」に悩み、先の戦闘で不安定になるあまり仲間の足を引っ張る結果となったクレナはさらに追い詰められる。
そんな中でも戦いは続き、次に第86独立機動打撃群が派遣されたのは「ノイリャナルセ聖教国」という宗教国家だった。
なぜか10代以下の子どもばかりが戦闘に就き、将官であるヒェメルナーデもまだ10代前半という異様な構成の聖教国軍。
彼らと協同でレギオン部隊を攻撃する最中で、なぜかヒェメルナーデたちがエイティシックスに牙をむくという異様な事態に陥る。
ヒェメルナーデたちもエイティシックスと同じように、生まれによって「戦争」に囚われた存在だった。そのためヒェメルナーデは、エイティシックスたちを自分たちと同じ滅びの道に引きずりこもうとしたのだった。
しかし、シンたちエイティシックスは今は未来を向いている。これまで不安定な心理状態にあったクレナも、シンや仲間を救うためについに前を見る。そして、ヒェメルナーデによってもたらされた窮地を脱し、戦いに勝利する。
戦いを終えたクレナは、個人的に未来に進むためのけじめをつける。それは、シンへの告白だった。
シンに想いを伝えるが、シンはすでにレーナと愛し合っている関係であり、クレナの想いには答えられない。
こうしてシンへの想いを断ち切ったことで、クレナも前に進む。
『エイティシックス』原作10巻のあらすじ結末ネタバレ
シンがまだプロセッサーになったばかりの頃。最初の戦隊でアリスという女性戦隊長のもとについたシンは、彼女から多くを学ぶ。
首元の傷を隠すスカーフを彼女から与えられ、「死んだ仲間の機体の欠片を集めて行き着く先まで連れていく」という行いを引き継ぎ、その後も多くの仲間のもとを転々として、彼らの死を看取りながら、シンは86区の戦場を生きていく。
『エイティシックス』原作11巻のあらすじ結末ネタバレ
皇帝家の血を継ぐフレデリカによる全レギオンの停止、という終戦の可能性が見えて、未来が開け始めた最中、不意に状況は一変する。
「衛星軌道上からの人工衛星の意図的な落下」というレギオンの未知の攻撃によって、ギアーデ連邦やロア=グレキア連合王国、ヴァルト盟約同盟をはじめ全ての周辺国家の戦線が深刻なダメージを受ける。
この数年をかけて各国が押し広げてきた戦線は一気に後退し、戦況も世論も絶望的な状況に。それでもギアーデ連邦とその他の生存国家は何とか防衛線を立て直し、小康状態を作る。
そんな中、サンマグノリア共和国から、生存する全国民の保護を求める要請がギアーデ連邦に入る。連邦はこれを受け入れ、共和国に送っていた支援部隊と共和国民の移送作戦に第86独立機動打撃群を投入するのだった。
かつて自分たちを「エイティシックス」と名づけて迫害した共和国民を守る作戦に、しかしシンたちは淡々と臨む。共和国民を感情的に恨む段階など、シンたちは既に乗り越え、未来だけを見つめていた。
当初は順調に進む移送作戦だったが、途中で緊急事態が発生。レギオンの大群が襲来する。それに立ち向かおうとするシンたちだったが、レギオンの狙いは連邦ではなく、共和国民そのものだった。
戦死したエイティシックスたちの脳と自我を取り込んだ「羊飼い」レギオンたちは、自分たちを迫害した共和国への復讐のためにこの奇襲を実行したのだった。レギオンと化した同胞たちの中にはなんと、スピアヘッド戦隊の整備工だったアルドレヒト中尉もいた。
無力な共和国民たちを殺戮するレギオンを、シンたちは次々に狩る。しかし全ての共和国民を救うには時間も戦力も足りず、やむを得ず手近にいた一部の避難民のみを連れて撤退するのだった。
連邦の正義を貫くために決死の殿軍としてアルトナー少将の部隊が散り、彼らの犠牲の末に第86独立機動打撃群は避難民と共に連邦に辿り着く。
任務中は気丈に振る舞い続けたレーナは、祖国を失った悲しみに泣き、シンは静かに彼女を抱き締めるのだった。
それから遡ること数年、レギオンによる大攻勢の最中で、共和国軍ジェローム・カールシュタール准将は一体のレギオンと対峙していた。
そのレギオンの中枢にコピーされているのは、レーナの父、ヴァーツラフ・ミリーゼの自我と記憶だった。
『エイティシックス』原作全11巻のネタバレまとめ
以上、現在までに刊行されている『エイティシックス』原作全11巻までの内容をざっくりとまとめました。
それぞれじっくり読み込むとより重厚にストーリーを感じられるので、ぜひ手に取って見てください。
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