2021年4月からはアニメが放送を開始して「今期の覇権」候補のひとつにも挙げられ、同年6月には原作シリーズ累計発行部数が130万部を突破したりと、SFライトノベル界で大きな話題を呼んでいる『86 エイティシックス』。
ストーリーやアニメでの戦闘描写・メカ描写はもちろんですが、ファンの間で話題になっているテーマのひとつが「レーナとシンの関係ってどうなるの?恋愛関係になるの?」ということです。
アニメ内ではレーナがシンを異性として意識しているような描写もちょくちょくありましたが、アニメのストーリーの後、原作ではどうなるのか。解説します。
※原作9巻までに関する重要なネタバレを多数含むのでご注意ください。
- 『86 エイティシックス』レーナとシンはどうなる?恋愛に発展する?
- 『86 エイティシックス』レーナとシンが結ばれるまでの長い長い歩み
- まとめ:アニメ『86 エイティシックス』でもレーナとシンのラブラブが見たい
『86 エイティシックス』レーナとシンはどうなる?恋愛に発展する?
結論から言うと、レーナとシンは恋愛関係になります。
原作の巻が進むごとにどんどん距離が縮まって、とんでもなく甘酸っぱい会話やらキスやらを見せてくれます。読んでて甘すぎて脳が溶ける。
アニメでも9話で兄レイを葬ったあとのシンは表情が柔らかくなり、人間らしい笑顔を見せることも増えましたが、それがどんどん加速して、ごく普通の思春期男子のようにレーナを意識していきます。
一方のレーナも、同年代の男の子を全然知らない初心なお嬢様らしくドギマギしてアワアワしながら、少しずつシンと距離を縮めていきます。
それがもうね、とにかくね、「じれったいんだよおおお!!!」と叫びたくなります。その詳しい流れを見ていきましょう。
『86 エイティシックス』レーナとシンが結ばれるまでの長い長い歩み
長く続くレギオンとの戦いと並行して、レーナとシンの恋模様もじっくりゆっくり描かれます。
特に慌てて顔を赤くしてばかりのレーナの言動は、シンから見てレギオンと同じくらいの難敵ではないかと思えるほど。
各巻での主な流れをまとめました。
1巻:ほんのりと意識することがある程度
アニメでもレーナが何度か「男の子」としてシンを意識する場面がありましたが、その描写は原作小説1巻でもしっかり描かれています。
特に、アニメではカットされましたが、原作では「シンがシャワーを浴びている最中にレーナがパラレイドを繋いでしまい、シャワーがシンの肌に当たる音やお湯で温まったシンの体温を感じてレーナが慌てる」というシーンも。
パラレイドは意識を直接繋いでいる分、声だけでなく周囲の音や本人の息づかい、体温変化など「目の前にいる程度の気配」も伝わると原作では説明されています。
レーナにとっては、年頃のクールな男の子が目の前でシャワーを浴びてるくらいの感覚。それはドキッとしますよね。
2巻~3巻:相手のことを時おり思い出しながら戦い、最後には直接対面
レギオン支配域を抜けて生き残り国家のギアーデ連邦にたどり着いたシンたちと、サンマグノリア共和国で一人戦い続けるレーナを交互に描く2巻と3巻。
戦いの中で、シンは共和国のレーナを想い、彼女も戦っているはずだから自分も戦わなければと奮闘します。
一方で、シンたちは死んでしまったと思っているレーナは、シンたちに誇れる自分であろうと戦い続けます。
お互いに相手のことを心の軸にしている部分があり、この時点ですでに相手が「特別な存在」になっていますね。恋愛感情であるかはともかく。
そして、3巻の最後にはついに直接対面するレーナとシン。ここから、二人の本当のラブコメが始まります。
4巻:ラブコメっぽい絡みを始めるも、意識や価値観の違いが壁に
レーナがギアーデ連邦に客員士官として派遣され、同じ部隊で過ごすようになったレーナとシン。
シンが司令部をレーナに案内して、その過程で一緒に食事したりお話ししたりと、軍務の中でも距離を縮めていきます。
1巻の意趣返しのように、レーナがお風呂に入りながらシンにパラレイドを繋いできたせいで、シンが「レーナの肌を弾く水滴や濡れた髪、お湯に体を沈めてほっと息を吐く息づかい」を感じて撃沈するという一幕も。
こうなると、シンもただの年相応の男子でしかありません。
そんな甘い描写もありますが、終盤では壮絶な死闘の果てに残酷な光景を見ても何も心が揺らがないシンたちを見て、レーナは「エイティシックスたちは未来を見ていないし、現実に一切の希望を感じていないんだ」と思い知らされて打ちのめされます。
シンたちと自分は、全く違う方向を向いているんだと、レーナはシンとの間に壁を感じて終わります。
5巻~6巻:シンがレーナのために前を向き始める
レーナたちの部隊が派遣された、ロア=グレキア連合王国という生き残り国家での戦いを描く2冊。
ここでも壮絶な死闘がくり広げられる中で、シンはいくつかの出来事を通して、はじめて「いずれ戦争が集結したら、自分はどこを見て、何のために生きていくのか」を真剣に考え始めます。
そしてシンが導き出した答えは、「レーナにきれいな海を見せたい」というものでした。自分のやりたいことは見つけられなくても、レーナが喜ぶことをしてあげたいと思うことができました。
シンはそのことをレーナに伝え、レーナもそれを受け止め、「必ず生きて帰ってきてください」とシンに伝えます。
シンは破滅的に戦い続けるのではなく、「戦いの終わった先まで進む」という決意をします。
7巻:超ベタ甘ラブコメストーリー爆展開。脳が溶ける
長期休暇を与えられて、束の間の平和を楽しむレーナとエイティシックスたちを描いた、いわば「息抜き」の巻です。ラブコメ的にはこの7巻がひとつのクライマックスでしょうか。
いきなり(水着着用とはいえ)混浴の温泉シーンから始まり、観光地での穏やかな日々を通して、レーナとシンがまるで学園ラブコメのような甘い甘いあっっまいストーリーを見せます。
お互い意識してチラチラ見たり、思わぬことで嫉妬したり、「シンのことを一人占めしたい、他の誰にも触れてほしくない……」と独占欲を発揮したり。シンはシンで告白しようとしてあと一歩のところで怖気づいたり。
それを見ながら他のエイティシックスたちは「お前ら早くくっつけ」と焦れるんですが、読者も漏れなく同じ気持ちになります。
そして最後には、シンがはっきり「あなたが好きです」と告げ、レーナはなんとそれにキスで答えます。
これでゴールイン……かと思いきや、自分で自分の大胆な行動に動揺したレーナがはっきり答えを示さずにその場を逃走し、残されたシンがポカンとしたりと、意外なオチが待っていました。
8巻:ビビるレーナと攻めるシン
なんとこの8巻で、レーナはシンの告白に答えることから逃げ続けます。
とっとと言えばいいのに、また悩んで怖気づいて引っ張りまくります。シンはひたすら焦らされます。
というわけで明確に答えは出ないんですが、シンがレーナの手を取って引き寄せてがっつり長めのキスをしたりと、かなりウフフな場面も。
さらに、レーナが指揮官として多数のエイティシックスとパラレイドを繋ぐときに脳の負担を軽減するためのデバイスが「全身にぴったり張り付くボディスーツ」的な装備なんですが、それを着て体のラインくっきりなレーナを他の男に見られたくないと思ったシンが彼女に自分の服を着せます。そう、彼シャツです。
このあたりが8巻のラブコメ要素のハイライトでしょう。
9巻:ついに明確な恋人関係に
8巻での戦いを終えて、9巻の序盤でレーナがシンに「私もあなたが好きです」と伝えます。
間に丸ごと1冊挟んで、ようやくレーナとシンが明確に想いを伝えあって恋人になりました。ああ長かった。
ここまで来たらもはや隠しようもなくイチャつきが加速します。出撃前にパラレイド越しにからかい合ったりします。
例のぴったりボディスーツを着るときはシンから服を借りるのが恒例になったレーナが「疲れたときはこの服をぎゅーっとして匂いを嗅いでシンの存在を感じたりしますね」と言ってのけたりします。
また、これまでシンを意識しながらもあくまで妹ポジションだったクレナが、「シンにフラれるために告白」して自身の想いにけじめをつけたりと、サイドストーリーも見どころです。
次はレーナとシンの初デートやら初〇〇〇〇やらが待っているのでしょうが、それは11巻以降のお楽しみですね(10巻は番外編的な、シンの過去編なので)。
まとめ:アニメ『86 エイティシックス』でもレーナとシンのラブラブが見たい
告白してそれに答えるまでに9巻を費やしたレーナとシン。これをアニメで見るには、相当に人気が続いて2期と言わず3期、4期と続かなければなりません。
もちろん、原作からのシリーズファンとしては、アニメでレーナとシンがキャッキャウフフしたりじれったい恋模様を見せたりするのを見たいです。そのためにも、アニメ『86 エイティシックス』が長く続く作品になることを願います。切実に。
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