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異世界は甘くない!地道・ハードな異世界ファンタジー小説おすすめ6選

異世界転移、地雷付き。 (ドラゴンノベルス)

異世界ファンタジー小説といえば「チート能力で楽勝ウハウハ」「ストレスなくサクサク進むストーリーやバトル」という印象を持っている人も多いのではないでしょうか。

しかし、当然ながら異世界ファンタジー小説の内容や作風は作者によって十人十色。地に足をつけて主人公が地道に頑張るものも、超ハードモードな世界で悪戦苦闘するものもあります。

そんな「地道・ハードな異世界ファンタジー小説」のおすすめ作品をまとめました。

1.男なら一国一城の主を目指さなきゃね

男なら一国一城の主を目指さなきゃね (カドカワBOOKS)

大事故によって数十人もの日本人が異世界に転生した中で、僻地の貧乏貴族の次男に生まれた主人公が「自分の国を作って王になる」という目標のために奮闘するお話。

転生者は「固有技能」という特別な能力を持っていますが、それだけでチート大暴れできるようなものではありません。

主人公は「鑑定」の固有技能だけを武器に異世界人生をスタートさせ、魔法の仕組みなどを研究し、気の遠くなるような努力を重ねて強く成長していきます。

この「努力」の描写がかなり細かく、途中で挫折や苦労もあったりと、ご都合主義感ゼロのドラマを楽しめます。まさに主人公が「生きている」感じがします。

少しずつ強くなり、やがて故郷を旅立ち、足場を固めて他の転生者を集めながら成り上がっていく重厚なストーリーは、一度ハマると抜け出せません。

主人公の考え方や口調にかなりクセがある(自分にも他人にも厳しくて言葉づかいが荒い)のでそこは好き嫌いを選ぶかもしれませんが、作りこまれた世界観の中で広がる成長→冒険→領地運営の物語は極上の面白さです。

書籍は4巻までしか刊行されていませんが、「小説家になろう」では今も更新が続いて700話以上あるので必見です。時間を忘れて楽しめます。

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2.迷宮クソたわけ

迷宮クソたわけ 最弱魔法使いは借金返済のためコツコツ冒険をくりかえす【電子特別版】

書籍版の挿絵はポップですが、内容は超ハードでシビアなダンジョン探索ファンタジー小説。主人公の立場が不遇過ぎて本気で同情してしまいます

限られた力、決して強いわけではない仲間、足りない金、優しくない周囲の人々、軽い命。緊張感のある展開の連続ですが、活き活きしたキャラたちの絡みと軽めの文体のおかげでサクサク読めます。

こちらも書籍版以降のストーリーが「小説家になろう」や「カクヨム」で長く続いているので、そっちも読んでみてください。

 

3.弱小領地の生存戦略! ~俺の領地が何度繰り返しても滅亡するんだけど。これ、どうしたら助かりますか?~

https://ncode.syosetu.com/n9624gu/

2021年に入ってから更新が始まった領地経営ファンタジー。ですが、まさかの「ループもの」です。

弱小領地を持つ子爵の主人公がいきなり大貴族の侵攻を受けて領民もろとも滅びる幕開けからスタートし、その3年前に戻って、滅亡を回避するために奔走します。

張り巡らされた伏線、徐々に明らかになる真実、意外などんでん返しなど、異世界内政ファンタジーですが本格サスペンス的な楽しみ方もできます。一見相容れないジャンルを両立させ、ここませ惹きこませる構成を組み立てるバランス感覚は凄いです。

そしてとにかく「主人公の命が軽い」です。リゼロの比じゃないレベル。10回単位で軽快に死に戻りします

これはほぼ間違いなく書籍化するんじゃないでしょうか。今から注目しておきましょう。

 

4.異世界転移、地雷付き

異世界転移、地雷付き。 (ドラゴンノベルス)

クラス転移系の異世界ファンタジー小説。

限られたスキル、少ない所持金から異世界人生がスタートし、冒険者になって生活基盤を整えつつ新たな人生をスタートさせる主人公たちの物語が描かれます。

主人公たちの行動指針や目標が「無理せず稼いでお金を貯め、安心安全な老後を目指す」というめちゃめちゃ現実的なものなのが特徴。この堅実さを軸にしたストーリーの作風が独特で面白いです。

基本的にあらゆる行動原理が「もっと堅実にお金を稼ぐ」「QOL(生活の快適さ)を上げる」ことに全振りされていて、さらに他のクラスメイトと出会っても場合によっては容赦なく見捨てます。そこもまたリアルです。

「実際に日本人が異世界に行ったら、こんな生き方をするようになるんだろうな……」というお話としておすすめ。

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5.数字で救う!弱小国家

数字で救う! 弱小国家 電卓で戦争する方法を求めよ。ただし敵は剣と火薬で武装しているものとする。 (電撃文庫)

数学者の卵の青年が近世ヨーロッパ風の異世界に飛ばされ、滅びかけの弱小国家のお姫様と出会って彼女に協力していきます。

数学者らしく理詰めで困難を乗り越えていくのが見どころで、さまざまな問題解決のために、多くの数式やゲーム理論などを用いる理論派なファンタジーです。ファンタジーなのか?

ときには「勝利を目指さない」ことさえあり、名誉でも名声でもなく「最大利益」を常に取りに行く戦いが面白いです。

また、主人公の異色の考えを認めない国内貴族との対立など、「文明差があるからこその困難」もしっかり描いてるのがリアルでハラハラします。

 

6.クロの戦記 異世界転移した僕が最強なのはベッドの上だけのようです

クロの戦記1 異世界転移した僕が最強なのはベッドの上だけのようです (HJ文庫)

ウフフなタイトルと表紙とは裏腹に、かなり本格的な異世界ファンタジー戦記もの。戦争から領地運営(内政)まで幅広くじっくり濃密なストーリーが展開されます。

とにかく世界観がシビアで容赦ないです。一巻冒頭で主人公が戦闘で片目を失います

格差があり、争いが絶えない世界で、ひょんなことから上級貴族となった元日本人の主人公が大切な人々を守るために戦い抜く様は手に汗握ります。本気で燃えます。

そして、なんやかんやで登場する女性キャラクターとことごとくいい関係になります。その数なんと10人以上。全員しっかりキャラが確立されてて可愛いんですこれが。

戦って、内政して、食べて、寝て、やることやって……ちゃんと「生きる」主人公クロノに共感しっぱなしの傑作です。

 

地道・ハードな異世界ファンタジー小説おすすめのまとめ

全てが上手く進む軽快な異世界ファンタジーももちろん面白いですが、苦難を乗り越えて少しずつ前に進んだり、現実的な世界観の中で地道に歩みを進めたりする作品もいいものですよね。

かえってそういう作品の方が「自分だったらこの世界で何ができるだろうか……」と想像できたりします。

そんな地道でハードな異世界ファンタジー小説、ぜひ手に取って見てください。

 

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