『86 エイティシックス』のアニメでも原作でも存在感を示し、視聴者や読者の記憶に強烈な印象を残した少女、カイエ・タニヤ。
原作では前半で戦死し、アニメでも3話で死亡してしまったカイエですが、単なる序盤の脇役に留まらない注目と人気を集めています。
そんなカイエの人柄や背景をあらためて振り返り、彼女がシンやレーナをはじめとした他のキャラクターに与えた影響を考察しました。
※原作2巻(アニメ1期)以降のネタバレを含みます。ご注意ください。
『86 エイティシックス』カイエとは?
「キルシュブルーテ」のパーソナルネームを持つ少女
【キャラクター紹介】
— TVアニメ『86―エイティシックス―』【公式】 (@anime_eightysix) March 17, 2021
4月10日(土)24時より、TVアニメ「86―エイティシックス―」放送開始!
カイエ・タニヤ(CV. 白石晴香)を紹介!
パーソナルネームは<キルシュブリューテ>。
▼キャラクター紹介ページhttps://t.co/KDU10m3vWi
▼第2弾PVhttps://t.co/ybkUC71sd0#エイティシックス pic.twitter.com/QsCCWyMs3m
カイエ・タニヤは、主人公シンたちと同じスピアヘッド戦隊に配属されていたエイティシックスの少女。
プロセッサーとしては「キルシュブリューテ」のパーソナルネームを持っていました。これはドイツ語で「桜」を意味します。
黒い髪と小柄な体格が印象的な少女で、「極東の民族の血を引く」と言われていたり、桜について詳しかったりしたことから、日本人に近い人種だと思われます。
エイティシックスの中でも特に珍しく数が少ない民族であるためか、他のエイティシックスからさらに迫害を受けたりと、辛い過去を抱えていたことが作中で語られていました。
男の子のような口調で話すのが特徴で、性格もさっぱりとしています。ときどき失言をしてはシンに損をさせたりレーナを動揺させたりと、少しおっちょこちょいな部分もありました。
カイエの登場シーン・作中での描写は?
アニメでは1話目からしっかりとその姿が映り、セリフもあったカイエ。
3話ではレーナに対してエイティシックスとしての価値観を語り、さらにレーナが崇高な理想を持っていることを理解した上で「あなたはハンドラーには向いていない」とやんわりその理想を否定していました。
当時のレーナには言われた意味が分からなかったようですが、「あまりにも理想主義的で純粋なレーナは、86区の残酷な真実を目の当たりにするのが耐えられず、いつか壊れるだろう」という心配と諦めがカイエの言葉には込められていたのでしょう。
そして、その3話のラストでカイエは機体が沼地に足を取られ、戦車型レギオンに接近されて「死にたくない」と呟きながら戦死。
エイティシックスとしての矜持を誇り高く語っていた彼女が最後に「死にたくない」というあまりにも生々しい感情を吐露したこと、その衝撃的な死もレーナにとっては「画面越しのアイコンの消失」でしかなかったことが、視聴者にショックを与えました。
さらに、5話ではレギオンに取り込まれて「黒羊」と化したカイエの死に際の「死にたくない」がくり返され、レーナにとっても視聴者にとってもトラウマ級の出来事に。
カイエ自身は3話という序盤で物語から退場しましたが、その影響は後の方まで尾を引いています。
また、6話の花見のシーンや10話のファイドの回想の中など、原作1巻では描かれなかったカイエの描写もあるのも注目です。
カイエのプロセッサーとしての強さは?
「キルシュブリューテ」というかっこいい異名を持ちながらも、戦闘シーンではほとんど描写がなかったカイエ。
序盤であっさりレギオンにやられてしまったこともあり、強さの面で印象に残っている方は少ないのではないでしょうか。
ですが、そもそもスピアヘッド戦隊は「最大の激戦区を守る戦隊であり、長く生き残った精鋭プロセッサーたちが最後に行き着く絶死の部隊」です。そこに配属されるまで生き残っている時点で、カイエも弱いはずがありません。パーソナルネームがあるのもエースの象徴です。
スピアヘッド戦隊に配属後もいくつもの戦闘を生き残っているわけですから、カイエは全プロセッサーの中でもトップクラスの強さを誇っていたものと思われます。
『86 エイティシックス』カイエは死亡後も大きな影響力を持つ
『86 エイティシックス』カイエがレーナに与えた影響は?
カイエがレーナに与えた最大の影響は「エイティシックスの現実を突きつけた」ということでしょう。
カイエの誇り高い言葉とは裏腹の、死に際の「死にたくない」という生々しすぎる言葉。さらに、その後にセオがレーナにつきつけた容赦ない言葉。
それらのことが、レーナが「自分がいかに甘い理想だけを掲げて分かった気になっていたか」を実感するきっかけになりました。エイティシックスの現実と、レーナの理想の激しいギャップ。それをカイエは自身の死をもって教えたと言えるでしょう。
また、5話では「黒羊」の存在をカイエがその声でレーナに教えることになりました。自室に帰ってからもエイティシックスの死に際の声に苦しめられたレーナが、カイエに肩を掴まれて聞いた「死にたくない!」は衝撃的でしたね。
『86 エイティシックス』カイエがシンに与えた影響は?
カイエがその言葉や死で影響を与えたのは、レーナだけではありません。もう一人の主人公であるシンにも確かな影響力をもたらしつづけています。
原作1巻(アニメ1期)の前半で死亡したカイエですが、2巻以降でもシンたちエイティシックスの間では記憶の中の戦友として話題に出てきます。カイエがあの日レーナに語った言葉が、シンの心理に影響を与える場面もあります。
また、原作4巻の戦いの終盤、再びカイエの「死にたくない」という声を囁き続ける「黒羊」レギオンが登場。
本巻のボスキャラである「高機動型」レギオンによって破壊されてしまうカイエでしたが、大破した後にそのロケットランチャーが誤作動して発射され、それが「高機動型」に追い詰められていたシンを結果的に救うことになりました。
レギオンと化したカイエが、結果的なこととはいえシンの命を助ける……というのは、不思議な運命ですね。
『86 エイティシックス』カイエの魅力や影響力や強さまとめ
出番は必ずしも多くないながらも、間違いなく『86 エイティシックス』の中で特に重要なキャラクターの一人であるカイエ。
アニメ2期以降も、何らかのかたちで存在感を見せてくれることでしょう。原作でも、きっとまたカイエの言葉が出てくる場面があると思います。
カイエがどんな言葉と生き様を残し、それがレーナやシンにどのような影響を与えていくのか、これからも注目です。
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