『86 エイティシックス』では主人公シンの戦友の一人として戦い、シリーズのファンの間でも根強い人気を誇るセオ。
ちょっと皮肉屋でクールな性格と、絵が得意で皆のパーソナルマークを描いているという一面、さらにはシンにも負けない果敢な戦闘スタイルなど、魅力の多いキャラクターです。そして小柄でかわいい。
そんなセオについて、そのプロフィールや魅力、アニメでの描写、原作での描写までまとめて解説します。
※原作(アニメ以降のストーリー)のネタバレを含むので、アニメ派の方はご注意ください。
- 『86 エイティシックス』セオ(セオト・リッカ)のプロフィール
- 『86 エイティシックス』セオの過去は?アニメでの描写や強さは?
- 『86 エイティシックス』セオの声優は藤原夏海さん
- 『86 エイティシックス』セオは原作ではどうなる?死亡する?
- 『86 エイティシックス』セオ(セオト・リッカ)についてまとめ
『86 エイティシックス』セオ(セオト・リッカ)のプロフィール
セオはスピアヘッド戦隊の隊員の一人で、第三小隊の小隊長を務めています。パーソナルネームは「ラフィングフォックス」です。
また、「セオ」というのは愛称で、フルネームはセオト・リッカです。
誕生日は4月20日で、身長は165cmと男子にしては少し小柄。年齢はシンやライデン、アンジュと同じ16歳です(あの5人のうちクレナのみ一つ年下の15歳です)。
髪の色は金、瞳はグリーンで、「翠緑種(ジェイド)」と呼ばれる民族の血を引いています。
作中で見せる棘のある話し方からも分かるように、性格は皮肉屋で、あまり自分の本心を人に見せないクールな一面もあります。一方で繊細さも持ち合わせていて、ファイドの前では死への不安を吐露する場面もありましたね。
また、「絵が得意」という芸術家肌の一面も持っていて、スピアヘッド戦隊の機体のパーソナルマークはセオが描いています。
『86 エイティシックス』セオの過去は?アニメでの描写や強さは?
レーナの理想主義を激しい言葉で打ち砕く
アニメでのセオの印象的なシーンといえば、やっぱり1期3話のラストでしょう。カイエの死を「残念です」と悲しむレーナに対して、激昂して壮絶な言葉選びで罵る場面ですね。
それまでは「自分はエイティシックスたちと対等に接することができている」「彼らを人間扱いしている」と考えていたレーナですが、セオの言葉を前に徹底的に打ちのめされて、その理想主義ごと心をズタズタにされました。
この3話ラストから4話にかけては、『86 エイティシックス』の本質的なテーマや世界観に大きく踏み込む重要なパートです。そこで中心的な役割を果たしたセオは、カイエと並んで前半のキーキャラクターの一人と言えるでしょう。
「狐の隊長」から受け継いだパーソナルマーク
ショッキングな3話ラストから続く4話で語られたのが、セオの過去。
彼が初めて配属された戦隊の隊長は、アルバでありながら「エイティシックスだけ戦わせるのは間違っている」という信念のもと、86区で戦ってセオたちを守って戦死しました。
彼のパーソナルネームとパーソナルマークを引き継ぎ、セオは「ラフィングフォックス」という号を名乗っています。
そんな誇り高い信念を持ったアルバを目の当たりにしたからこそ、安全な要塞の向こうから声だけをかけて対等になれたと思っているレーナに対して、セオは激情を爆発させるような怒りを見せたんですね。
このセオの過去や「狐の隊長」についてのエピソードは、原作1巻でより詳しく描写されてます。セオがどうやってこの隊長を受け入れたのか、どんな会話を交わしたのかなどももっと詳細に書かれてます。ぜひ読んでみてください。
戦闘では遊撃戦を得意とするセオ
アニメ1期ではあまり描写がありませんでしたが、セオの戦闘スタイルは……というよりセオが率いる第三小隊の主な役目は、戦場での遊撃です。
そのため、セオはワイヤーアンカ―を利用して廃ビルや橋の上など高所を立体的に移動しつつ敵を死角から襲うという戦闘スタイルを得意としています。
ライデンがシンへの火力支援、クレナが長距離狙撃、アンジュが重火力による面制圧を得意としていることと比較すると、セオはシンとはまた違ったかたちで攻撃的な戦い方をしていると言えるでしょう。
シンがゼロ距離まで敵に接近して翻弄するタイプだとすると、セオは敵の死角に上手くポジション取りをして翻弄するタイプです。
このあたりの描写については、原作2巻以降でより詳しく描かれていきます。
『86 エイティシックス』セオの声優は藤原夏海さん
『86 エイティシックス』セオの声優を務めたのは藤原夏海さん。
2016年にデビューした若手声優ですが、着実にキャリアを重ねて2021年には『怪物事変』の主人公・日下夏羽を演じるなど、今注目を集める気鋭の実力派の一人です。
女性声優ですが少しハスキーな声が特徴で、どちらかというと少年キャラクターの声を手がけることが多い印象。原作ファンから見ても、これ以上ないくらいセオの声にぴったりだったのではないでしょうか。
多くの視聴者に衝撃を与えたアニメ3話のセオの長台詞は、藤原夏海さんの名演があったからこそあれほどショッキングなシーンに仕上がったんだと思います。
『86 エイティシックス』セオは原作ではどうなる?死亡する?
原作2巻以降も生存してシンたちとともに戦い続けるセオですが、原作8巻ではいきなりの表紙への抜擢もあったりして、「死亡フラグか!?」と言われたりもしました。そのため、一時期はネット上でセオ死亡説まで囁かれています。
そんなセオのアニメ以降の描写についてまとめて解説します。
エイティシックとして矜持と新しい現実の狭間で悩むセオ
『86 エイティシックス』原作2巻以降の大きなテーマとなるのが、「エイティシックスとしての矜持と現実の狭間でどう生きていくのか」というシンたちの葛藤。
もともとは戦場での限られた人生を生き抜き、その果てに散ることを唯一の誇りとしていたセオたちエイティシックス。彼らはギアーデ連邦に保護され、「いつか戦争が終わっても、その後も年を取って死ぬまで生き続けろ」と運命づけられたことで混乱します。
「いつか散ること」を誇りとし、その誇りに縋ることでかろうじて前を向いて生きていたセオたちは、いつの間にか人間とは違う「エイティシックス」という生き物になってしまっていたんですね。
初期からの5人のうち、シンはレーナという大切な存在を得たことで着実に前を向いていき、ライデンはもともと収容所送りになるのが他の皆より遅かったためにある程度スムーズに現実を見つめ、アンジュは自身の生き方よりも「ダイヤのことをどう胸に抱いて前に進むか」について悩んでいました。
そのため、この「エイティシックスの矜持と現実の狭間での葛藤」は、セオとクレナが特に強く抱えることになります。
戦い続けて、いつかレギオンに勝利して、戦争が終わって、もう戦う必要がなくなって「エイティシックス」ではなくなったとき。依るべき誇りを失った自分はどう生きていけばいいのか。
悩み続けて思いつめていくセオを見ていると、こっちまで胸が苦しくなります。
8巻の戦闘で腕を切断(死亡はしない)
セオ死亡説まで流れた『86 エイティシックス』原作8巻。
レグキード征海船団国群という海洋国家と協同で、洋上に建造されたレギオンの拠点を襲撃するという、シリーズ初の海戦を描いた巻です。
この戦いでレグキード征海船団国群の艦隊に搭乗し、レギオンの拠点を攻撃したシンやレーナ、そしてセオたち第86独立機動打撃群は、「電磁砲艦型レギオン」という巨大な新型レギオンと対峙。
壮絶な戦いの末に電磁砲艦型レギオンを撃退しますが、その最中でセオはコックピットに被弾し、左腕を切断するという重傷を負います。
命こそとりとめたものの、片腕を失ったことでプロセッサーとして戦うことは不可能になったセオ。彼の思わぬかたちでの戦線離脱は、ある意味で死亡以上の衝撃を読者に与えました。
新たな道へ進むセオ/アネットとのフラグが立つ?
左腕を失いながら生還したからこそ、セオは大きなショックを受けて悩むことになります。
なにせ「エイティシックスの矜持と現実の狭間での葛藤」を抱えてきた彼が、思わぬかたちで、ある日いきなりエイティシックスではない生き方を強いられるわけです。
ほぼ唯一のアイデンティティを失ったセオと、同じく海洋国家の軍人としての誇りを失ったレグキード征海船団国群の艦長イシュマエルの会話シーンはじんわりと胸に響きました。
ほとんど生きる希望を失っていたセオですが、9巻でそんな彼に前を向かせたのが……意外なことに、アネットだったんですよね。
セオのような負傷したプロセッサーたちへの差し入れを持って病院に現れたアネットは、ひょんな流れからセオと二人きりで話すことになって、「生きていく上での目標は必ずしも壮大なものである必要はない」と語りました。
人生の芯になるようなアイデンティティでなくても、気になる店の名物料理を食べたいとか、ようやく結ばれたシンとレーナにお祝いがてらのいたずらを仕掛けてやりたいとか、そういう目の前の小さな目的の積み重ねで生きていけばいい。
そんな話を聞いたセオは、それまでの重い葛藤からいくらか解放されて、ひとまず軍内でプロセッサー以外のキャリアを見つけるために隊から旅立っていくことを決意します。
……このときの会話ですが、普段は自分の心情をあまり人に話さないセオとアネットが、珍しくかなり突っ込んだ会話をしてるんですよね。顔を見合わせて笑い合ったりしてるし。
これって多分、フラグですよね。7巻の休暇中の舞踏会でも偶然とはいえペアになったことがわざわざフォーカスをあてて描写されてたし。この二人の関係にも密かに注目してます。
『86 エイティシックス』セオ(セオト・リッカ)についてまとめ
原作9巻で一応はプロセッサーとしての生き方に終止符を打ったセオですが、彼がこれからどんな道を歩むのかも描写されてほしいですね。
軍を辞めたわけではないみたいですし、戦闘要員ではなくても何らかのかたちでシンたちのもとに戻って来てほしいです。アネットとの接近もまた見たいし。
『86 エイティシックス』の中心のストーリーと併せて、セオの今後にも注目ですね。
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